電気設備の技術基準の解釈 第199条の2第2項・第3項
EV充電設備の電路の条件(150V以下・地絡遮断)
家庭などの一般用電気工作物の需要場所でEV(電気自動車等)を充電するとき、充電設備とEVをつなぐ電路は、対地電圧150V以下・充電部分が露出しない・地絡で自動的に遮断する、の3条件で施設します。屋側・屋外の配線は第143条に準じます。自家用で高圧の直流を使って充電する場合は、第3項の別の条件になります。
公開日: 2026-10-28 / 最終更新: 2026-10-28 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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第199条の2の3つの項
第199条の2は、電気自動車等に関わる電路を、電気の流れる向きと設置場所の電気工作物の種類で3つの項に分けています。
| 項 | 対象 |
|---|---|
| 第1項 | EVから供給設備を介して、一般用電気工作物に電気を供給する場合(V2Hなど) |
| 第2項 | 一般用電気工作物または小規模事業用電気工作物の需要場所で、EVを充電する場合 |
| 第3項 | 自家用電気工作物(小規模事業用を除く)の需要場所で、使用電圧が直流1,500V以下の高圧の電路でEVを充電する場合 |
EVから家へ給電する第1項はV2H機器の設置と資格のガイドで扱っています。このページは、EVを充電する側の第2項と第3項を整理します。
一般用・小規模事業用の充電の電路(第2項)
戸建て住宅などの充電設備とEVをつなぐ電路は、対地電圧150V以下で、充電部分が露出せず、地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設します。第2項は、この電路を第一号で、屋側・屋外の配線を第二号で定めています。
| 号 | 条件 |
|---|---|
| 第一号イ | 電路の対地電圧は150V以下。ただし、第1項第五号ただし書・第六号ハによる施設(直流450V以下の例外など)はこの限りでない |
| 第一号ロ | 充電部分が露出しないように施設する |
| 第一号ハ | 電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設する |
| 第二号 | 屋側配線・屋外配線は、第143条第1項(第一号イ、第三号、第四号を除く)または第2項に準じて施設する。「屋内電路」は「屋側または屋外電路」などと読み替える |
ここでいう充電設備は、電力変換装置、保護装置、開閉器等のEVを充電するのに必要な設備を収めた筐体等です。 壁に付けるコンセント型や充電器一体型の機器が、この充電設備に当たるかは機器の構成によります。
例外の「第1項第五号ただし書・第六号ハ」は、直流450V以下で非接地の直流電路にするなど、複数の条件をすべて満たして施設する場合です。 この例外の規定では、「供給設備」を「充電設備」と読み替えます。
自家用の高圧直流充電の電路(第3項)
自家用電気工作物(小規模事業用を除く)の需要場所で、使用電圧が直流1,500V以下の高圧の電路で充電するときは、第3項が、充電開始前の確認機能・電路の構造・充電用ケーブルを定めています。使用電圧が高圧の直流で充電する設備が対象で、第2項の対地電圧150V以下とは別の決まりです。
| 号 | 内容 | 条件 |
|---|---|---|
| 第一号 | 充電開始前の確認 | 充電設備とEVの適切な接続、使用電圧に応じた絶縁性能、短絡のおそれがないことを確認し、適合しない場合は充電を開始しない機能を持つ |
| 第二号 | 接続する電路 | 充電設備は配線と直接接続/直流電路は非接地/電力変換装置の交流側に絶縁変圧器/地絡・過電流・過電圧で自動遮断する装置/電線が切断したとき電気の供給を自動的に遮断する装置 |
| 第三号 | 充電用ケーブル | 断面積0.75mm²以上、IEC 62893-4-1(2020)に適合するもの |
| 第四号 | EVとの接続器 | 専用の接続器で、接続中も非接続中も充電部分が露出しない。屋側・屋外では接続中に水の飛まつに対して保護される。充電中は人の操作でEVから外れない |
| 第五号 | 電線の接続 | 簡易接触防護措置を施した端子にねじ止めなどで堅ろうに、電気的に完全に接続し、接続点に張力が加わらないようにする |
第二号ホの「電線が切断したとき電気の供給を自動的に遮断する装置」は、第3項にはただし書の例外がありません。第1項第五号ヘには、充電部分が露出するおそれのない場合の例外があり、扱いが異なります。
第2項と第3項の比較
どちらの項が当てはまるかは、需要場所の電気工作物の種類と充電の電圧で分かれます。
| 比べる点 | 第2項 | 第3項 |
|---|---|---|
| 需要場所 | 一般用電気工作物または小規模事業用電気工作物 | 自家用電気工作物(小規模事業用を除く) |
| 電路の電圧 | 対地電圧150V以下が原則 | 使用電圧が直流1,500V以下の高圧 |
| 自動遮断の対象 | 地絡 | 地絡・過電流・過電圧 |
設置する建物が一般用電気工作物か自家用電気工作物かは、受電の電圧などによって決まります。区分の考え方は一般用と自家用の違いで確認してください。
この整理で言えないこと
- 個別のEV充電設備の機種が、第2項・第3項のどちらに当たるか、条件に適合するかは判定しません。
- 分電盤からの専用回路の増設や電線の接続などの作業が、電気工事士の資格を要する作業かは、EV充電器の設置と資格のガイドで確認してください。
- 充電設備の製品規格・メーカーの施工要領・集合住宅の管理規約・補助金の条件は扱いません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の充電設備の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第199条の2)です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいこと:EV充電器の設置と電気工事士・登録の判断、V2H機器の設置と資格(第199条の2第1項)、省令と解釈の違い