電気設備に関する技術基準を定める省令・電気設備の技術基準の解釈

電気設備技術基準の省令と解釈の違い(法的な位置づけ)

電気設備技術基準とは、法令としての「電気設備に関する技術基準を定める省令」のことで、「電気設備の技術基準の解釈」はその省令に適合するとされる具体的な方法を示した別の文書です。電気工事士法第5条は、電気事業法に基づく技術基準に適合するように作業することを電気工事士などに求めており、その技術基準を定めているのがこの省令です。省令と解釈の役割の違いと、低圧電路の絶縁抵抗を例にした読み方を整理します。

公開日: 2026-10-10 / 最終更新: 2026-10-10 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

運営: 合同会社フューチャープロンプト。AIを活用して作成し、公開前に公式資料と照合しています。誤りのご報告は運営情報へ。

省令・解釈・民間規格の違い

法令として技術基準を定めているのは省令で、解釈は経済産業省が示す「省令を満たすと認められる技術的内容」の例です。解釈の前文には、省令の技術的要件を満たすと認められる技術的内容をできるだけ具体的に示したものであると書かれています。

電気設備技術基準まわりの3つの文書
文書何を書いているか位置づけ
電気設備に関する技術基準を定める省令感電・火災の防止、絶縁、接地、配線などの技術的要件(全80条)法令(平成9年通商産業省令第52号)
電気設備の技術基準の解釈省令の要件を満たすと認められる具体的な内容(数値・工法・規格の引用)経済産業省が示す文書(令和7年11月20日改正)
民間規格(日本電気技術規格委員会の規格など)解釈が引用する個別の技術規格民間規格評価機関が承認した規格は、機関のホームページのリストで確認する

省令の条文はe-Gov法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」、解釈と省令の解説は経済産業省「電気事業法 告示・内規等」の技術基準の欄に並んでいます。

電気工事士法から省令までのつながり

電気工事士、特種電気工事資格者、認定電気工事従事者は、電気工事士法第5条第1項により、作業に従事するときは電気事業法に基づく技術基準に適合するように作業をしなければなりません。条文は、対象の電気工作物によって参照先の電気事業法の条を分けています。

電気工事士法第5条第1項が参照する技術基準の根拠(要約)
作業の対象参照される電気事業法の条
一般用電気工作物に係る電気工事第56条第1項の経済産業省令で定める技術基準
小規模事業用電気工作物・自家用電気工作物に係る電気工事第39条第1項の主務省令で定める技術基準

どちらも、電気工事士法第3条に基づく経済産業省令で定める作業は、第5条第1項の対象から除かれています。電気事業法第39条第1項は事業用電気工作物の設置者に技術基準に適合するよう維持する義務を課し、第56条第1項は一般用電気工作物について経済産業大臣が技術基準適合命令を出せることを定めています。

電気工作物の区分は一般用と自家用の違いのガイド、小規模事業用の定義は小規模事業用電気工作物のガイドで整理しています。条文は電気工事士法と電気事業法で確認できます。

省令は何を決めているか

省令の条には、「感電、火災その他人体に危害を及ぼすおそれがないように施設しなければならない」という目的(性能)を書いたものが多く、数値を定める条は第2条や第58条のように限られます。たとえば次のような書き方です。

電圧は第2条で、低圧(直流750V以下・交流600V以下)、高圧(低圧を超え7,000V以下)、特別高圧(7,000V超)の3種に分けられています。接地工事の種類や電線の種類のように、現場で「何を使えばよいか」を決める具体的な内容は、解釈に書かれています。

例:電気使用場所の低圧電路の絶縁抵抗(省令第58条と解釈第14条)

電気使用場所の低圧電路の絶縁抵抗は、省令第58条が使用電圧に応じた下限を表で定めていて、300V以下で対地電圧150V以下なら0.1MΩ以上、300V以下のその他の場合は0.2MΩ以上、300V超は0.4MΩ以上です。開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとの値で、電線相互間と電路と大地との間の両方に適用されます。

電気使用場所の低圧の電路の絶縁抵抗値(省令第58条)
電路の使用電圧の区分絶縁抵抗値
300V以下・対地電圧150V以下0.1MΩ以上
300V以下・その他の場合0.2MΩ以上
300V超0.4MΩ以上

対地電圧は、接地式電路では電線と大地との間の電圧、非接地式電路では電線間の電圧を指すと、省令の表の中で定義されています。

解釈では、第14条が「省令第5条第2項、第58条」に対応する条として置かれています。

同条は、省令第58条によることを1つ目の方法とし、絶縁抵抗測定が困難な場合は、使用電圧が加わった状態での漏えい電流が1mA以下であることを2つ目の方法としています。電気使用場所以外の低圧電路は、同条第2項が第1項に準じるとしています。省令の解説は、対地電圧100Vの回路で0.1MΩが漏れ電流1mAに相当することを説明し、絶縁抵抗の値は時期によって変動し、特に梅雨期に小さくなることが多いが、最低の場合でも規定値を保たせなければならないとしています。

数値は省令の本則にあり、測定が難しい場合の代わりの方法は解釈にある、という分担が、この例で見えます。測定器具については電気工事業の備えるべき測定器具のガイドで扱っています。

解釈に書かれていない方法でもよいか

解釈の前文は、省令の要件を満たす内容は解釈に限定されず、省令に照らして十分な保安水準を確保できる技術的根拠があれば、省令に適合するものと判断すると書いています。あわせて、性能を規定するものと規格を規定するものを併記している箇所は、いずれかの要件を満たせば省令を満足するという読み方も示されています。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の設備が技術基準に適合するか、解釈以外の方法で足りるかは、所轄の産業保安監督部または経済産業省で確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。