公式資料をもとに整理
小規模事業用電気工作物とは(定義・出力の境目・設置者の届出)
小規模事業用電気工作物とは、事業用電気工作物のうち、構内に設置する小規模発電設備で、出力が一般用電気工作物の基準以上のものです(電気事業法第38条第3項)。太陽電池発電設備なら、条文の数値で10キロワット以上50キロワット未満が目安になります。 設置者の届出と、電気工事を請け負う側の登録との関係を整理します。
公開日: 2026-10-07 / 最終更新: 2026-10-07 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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定義の3要件
e-Gov法令検索「電気事業法」の第38条第3項は、小規模事業用電気工作物を、事業用電気工作物のうち次の要件を満たすもの(構内に設置するものに限る)と定めています。
| 要件 | 条文の内容 |
|---|---|
| 設備の種類 | 小規模発電設備(低圧の電気に係る発電用の電気工作物で、経済産業省令で定めるもの)であること |
| 出力 | 一般用電気工作物の小規模発電設備として定められた出力以上であること |
| 系統の接続 | 低圧受電電線路以外の電線路によって、構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないこと |
同項第2号は、これに準ずるものとして経済産業省令で定めるものも含めると定めています。「事業用」という名称ですが、電気工事士法の上では自家用電気工作物から除かれます。電気事業法第38条第4項の自家用電気工作物は一般用電気工作物以外を広く指しますが、電気工事士法第2条第2項は、自家用電気工作物から小規模事業用電気工作物を除くと定めています。
第38条第3項のただし書は、第38条第1項ただし書に規定するもの(小規模発電設備以外の発電設備と同一の構内に設置するものなど)を除いています。
一般用との出力の境目
出力の境目は、e-Gov法令検索「電気事業法施行規則」の第48条にあります。第2項が小規模発電設備の上限を、第4項が一般用電気工作物の出力(この出力以上が小規模事業用)を定めています。
| 設備 | 一般用電気工作物(第4項の出力未満) | 小規模事業用電気工作物 |
|---|---|---|
| 太陽電池発電設備 | 10キロワット未満 | 10キロワット以上50キロワット未満(第2項第1号の上限が50キロワット未満) |
| 風力発電設備 | 該当なし(第4項第2号の出力の基準が0キロワット) | 20キロワット未満(第2項第2号の上限) |
第2項の上限には、同一の構内で他の設備と電気的に接続され、出力の合計が50キロワット以上になるものを除くただし書があります。
水力、内燃力、燃料電池などの設備にも第2項と第4項に数値がありますが、本記事では太陽電池と風力に絞っています。他の設備の扱いは条文で確認してください。 太陽光発電設備の出力帯ごとの扱いは太陽光発電設備の設置工事と登録のガイドにまとめています。
設置者の義務(届出・技術基準・自己確認)
小規模事業用電気工作物の設置者には、少なくとも次の4つの義務が条文にあります。
| 義務 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 技術基準への適合維持 | 第39条第1項 | 事業用電気工作物を、経済産業省令の技術基準に適合するよう維持する |
| 使用開始前の届出 | 第46条第1項 | 使用の開始前に、氏名・住所などを記載した書類を添えて経済産業大臣に届け出る(経済産業省令で定める場合は除く) |
| 変更・該当しなくなったときの届出 | 第46条第2項 | 届出事項を変更したとき、小規模事業用電気工作物でなくなったときなどに、遅滞なく届け出る |
| 使用前の自己確認と結果の届出 | 第51条の2 | 公共の安全の確保上重要なものとして省令で定める事業用電気工作物は、使用開始前に技術基準への適合を自ら確認し、結果を届け出る。小規模事業用電気工作物で確認を委託したときは、委託先の氏名・住所なども届け出る(同条第3項) |
施行規則第57条は、設置届出に様式第46の2の設置届出書を使うこと、記載事項として設置者の氏名・住所・連絡先、設置の場所・原動力の種類・出力、保安の監督に係る業務を担当する者(委託する場合は委託先)、点検の頻度などを定めています。 第58条は、変更の届出に様式第46の2の2、小規模事業用電気工作物でなくなった場合の届出に様式第46の2の3を使うと定めています。 自己確認の対象となる設備の範囲は、省令で定められているため、個別の設備ごとに確認が必要です。
保安規程・免状のない者の選任許可の対象外となる範囲
保安規程と、免状のない者を主任技術者に選任する許可の規定は、小規模事業用電気工作物が条文の括弧書きで除かれています。
第42条(保安規程)は、対象とする事業用電気工作物から括弧書きで小規模事業用電気工作物を除いており、第43条第2項も自家用電気工作物から同じく除いています。 第43条第1項の選任義務が小規模事業用電気工作物にどう及ぶかは、所轄の産業保安監督部で確認してください。
ただし、施行規則第57条第2項は、保安の監督に係る業務を担当する者と点検の頻度を届出の記載事項にしています。 これらは届出書の記載事項であり、担当者に特定の資格を求める規定ではありません。 主任技術者を選任する通常の自家用電気工作物の外部委託の仕組みは、自家用電気工作物の外部委託承認制度のガイドで整理しています。
保安規程や主任技術者の選任届など、通常の自家用電気工作物の設置者の手続は自家用電気工作物の設置者の手続のガイドにまとめています。事故が起きたときの24時間以内の速報と30日以内の報告書は電気事故の報告のガイドで確認できます。
電気工事を請け負う側への影響
電気工事士法第2条第1項は、「一般用電気工作物等」を、一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物と定めています(e-Gov法令検索「電気工事士法」)。小規模事業用電気工作物の設置・変更の工事は、一般用電気工作物等の電気工事にあたり、自家用電気工作物の工事とは区分が異なります。
設置者の届出は設置者自身の義務で、工事を請け負う電気工事業者が代わりに負うものではありません。 請け負う工事に応じた電気工事業の登録・通知の区分は、一般用電気工作物等と自家用電気工作物の違いのガイドと、電気工事業法の対象外となる電気工作物のガイドも併せて確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 設備が小規模事業用電気工作物に当たるか、届出書の記載事項、自己確認の対象と結果の届出方法は、所在地を管轄する産業保安監督部で確認してください。
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