公式資料をもとに整理
自家用電気工作物の設置者の手続(保安規程・主任技術者・工事計画・使用開始届)
自家用電気工作物を新設・変更する設置者が行う届出は、保安規程の届出、主任技術者の選任届、工事計画の届出、使用開始届などに分かれ、それぞれ届出の時期が違います(電気事業法第42条・第43条・第48条・第51条の2・第53条)。 どの手続がいつまでに必要かを、条文と施行規則の様式の番号で整理します。工事を請け負う電気工事業者ではなく、設備を設置する側の手続です。
公開日: 2026-10-07 / 最終更新: 2026-10-07 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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手続の早見表(時期と様式)
e-Gov法令検索「電気事業法」の条文と、e-Gov法令検索「電気事業法施行規則」の様式の定めを並べると、設置者の手続は次のとおりです。
| 手続 | 根拠 | 時期 | 様式(施行規則) |
|---|---|---|---|
| 保安規程の届出 | 法第42条第1項 | 使用の開始前(自主検査を伴うものは工事の開始前) | 様式第41(第51条第1項) |
| 保安規程の変更届 | 法第42条第2項 | 変更したとき遅滞なく | 様式第42(第51条第2項) |
| 主任技術者の選任・解任の届出 | 法第43条第3項 | 選任・解任したとき遅滞なく | 様式第46(第55条) |
| 工事計画の届出 | 法第48条第1項 | 工事の開始前(受理から30日を経過した後に工事を開始) | 様式第49(第66条) |
| 使用前自己確認の結果の届出 | 法第51条の2第3項 | 使用の開始前 | 様式第53(第78条) |
| 使用開始届 | 法第53条 | 使用の開始の後、遅滞なく | 様式第60(第88条) |
すべての設備にすべての手続が必要なわけではなく、設備の種類・規模や、ほかの届出を済ませているかで必要な手続が変わります。この記事は条文の定めと様式の番号を示すもので、自分の設備に必要な手続の判定は所轄の産業保安監督部で確認します。
小規模事業用電気工作物は保安規程と主任技術者の条文の対象から除かれています(法第42条第1項、第43条第2項の括弧書き)。 区分の考え方は一般用電気工作物等と自家用電気工作物の違いのガイド、小規模事業用電気工作物のガイドにまとめています。
保安規程の届出
電気事業法第42条第1項は、事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)を設置する者に、工事・維持・運用の保安を確保するための保安規程を定め、使用の開始前(自主検査を伴うものにあっては工事の開始前)に主務大臣へ届け出ることを求めています。 保安規程を変更したときは、遅滞なく変更した事項を届け出ます(同条第2項)。主務大臣は、保安を確保するため必要があると認めるときは、保安規程の変更を命じることができます(同条第3項)。
施行規則第51条は、届出を様式第41の保安規程届出書に保安規程を添えて行い、変更の届出は様式第42の保安規程変更届出書に変更を必要とする理由を記載した書類を添えて行うと定めています。 保安規程に定める事項は施行規則第50条が示しており、事業用電気工作物の種類によって定める事項が分かれます。保安規程の添付が関わる外部委託承認は自家用電気工作物の外部委託承認制度のガイドで触れています。
保安規程は、設置者とその従業者が守らなければならないとされています(法第42条第4項)。
主任技術者の選任届
法第43条第1項は、事業用電気工作物を設置する者に、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから主任技術者を選任することを求めています。主任技術者を選任したとき、または解任したときは、遅滞なく主務大臣に届け出ます(同条第3項)。 届出は、施行規則第55条の様式第46の主任技術者選任又は解任届出書で行います。
免状を持たない者を主任技術者にする場合は、主務大臣の許可を受けます(法第43条第2項)。その許可の申請は施行規則第54条の様式第45で行い、許可を受けて選任した場合は、第3項の選任届出は必要ありません。
また、保安管理業務を外部へ委託する承認を受けた事業場では、電気主任技術者を選任しないことができます(施行規則第52条第2項)。この制度は外部委託承認制度のガイドにまとめています。
主任技術者は、保安の監督の職務を誠実に行わなければならず、工事・維持・運用に従事する者は、主任技術者が保安のためにする指示に従わなければなりません(法第43条第4項・第5項)。 主任技術者と電気工事士などの資格の違いは電気工事士・主任電気工事士・電気主任技術者の違いのガイドで整理しています。
工事計画の届出と使用前の確認
事業用電気工作物の設置・変更の工事のうち主務省令で定めるものは、工事の計画を主務大臣に届け出る必要があり、届出が受理された日から30日を経過した後でなければ工事を開始できません(法第48条第1項・第2項)。主務大臣は、計画が技術基準などに適合していると認めるときは、この期間を短縮できます(同条第3項)。
どの工事が届出の対象になるかは、施行規則第65条が別表第二・別表第四の工事の種類で示しています。届出は様式第49の工事計画(変更)届出書に書類を添えて行います(第66条)。
別表の工事の種類と記載事項は設備の種類で異なるため、本記事では転記していません。対象になるかどうかは、所轄の産業保安監督部へ確認します。
公共の安全の確保上重要なものとして主務省令で定める事業用電気工作物は、使用を開始しようとするとき、技術基準に適合することを設置者が自ら確認する使用前自己確認が必要です(法第51条の2第1項)。 確認をしたときは、使用の開始前に結果を主務大臣へ届け出ます(同条第3項、施行規則第78条の様式第53)。 ただし、法第48条第1項の届出(設置の工事に係るもの)をした設備を使用するときなどは、この確認は適用されません(同条第1項ただし書)。
使用開始届
法第53条は、自家用電気工作物を設置する者に、使用の開始の後、遅滞なく、その旨を主務大臣へ届け出ることを求めています。 届出は施行規則第88条の様式第60の自家用電気工作物使用開始届出書で行います。
ただし、法第47条第1項の認可、または法第46条第1項、第47条第4項、第48条第1項、第51条の2第3項の届出に係る自家用電気工作物を使用する場合と、主務省令で定める場合は、使用開始届は不要とされています(同条ただし書)。 工事計画の届出などをした設備は、使用開始届の対象から外れることがあります。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 自社や発注者の設備でどの手続が必要か、届出の時期、様式の最新版、電子申請の方法は、所在地を管轄する産業保安監督部(関東東北産業保安監督部など)で確認してください。 電子申請の流れは保安ネットの電子申請のガイドも参照してください。
事故が起きたときの報告の期限(24時間以内の速報・30日以内の報告書)は電気事故の報告のガイドで確認できます。
電気工事を請け負う場合の4区分は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の目安を表示できます。