電気工作物の区分(事業用電気工作物)

電気主任技術者の第一種・第二種・第三種の監督範囲

第三種電気主任技術者免状で保安の監督ができるのは、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5,000キロワット以上の発電所・蓄電所を除く)です。第二種は電圧17万ボルト未満、第一種は電圧の上限がありません。範囲は、電気事業法施行規則の第56条の表で決まっています。

公開日: 2026-10-13 / 最終更新: 2026-10-13 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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第一種・第二種・第三種の監督範囲

電気事業法第44条第5項は、免状ごとに保安の監督ができる範囲を経済産業省令で定めるとしており、その範囲は施行規則第56条の表にあります。条文はe-Govで確認できます (電気事業法施行規則)。 電気主任技術者の3つの免状は、次のように区切られています。

電気主任技術者免状の種類と、保安の監督ができる範囲(施行規則第56条)
免状電圧の上限発電所・蓄電所の出力
第一種電気主任技術者上限なし上限なし
第二種電気主任技術者17万ボルト未満上限なし
第三種電気主任技術者5万ボルト未満5,000キロワット以上の発電所・蓄電所は除く

違いは電圧と、第三種だけにある出力の制限の2つです。対象は、いずれも事業用電気工作物の工事、維持、運用です。 事業用電気工作物は、一般用電気工作物以外の電気工作物のことです(電気事業法第38条第2項)。

条文には、3つの免状とも「第4号または第6号に掲げるもの」を除くとあります。 第4号と第6号は、水力設備と火力設備などの電気的設備以外の部分を担当する免状で、次の節で触れます。

電圧で見た当てはめ方

設備の電圧が5万ボルト未満なら第三種、5万ボルト以上17万ボルト未満なら第二種以上、17万ボルト以上なら第一種の免状が原則として必要になります。発電所と蓄電所では、これに出力の条件が加わります。

電圧と出力の組み合わせ別に、監督できる免状(施行規則第56条の表からの整理)
設備の条件第三種第二種第一種
電圧5万ボルト未満(発電所・蓄電所は出力5,000キロワット未満)監督できる監督できる監督できる
電圧5万ボルト未満で、出力5,000キロワット以上の発電所・蓄電所監督できない監督できる監督できる
電圧5万ボルト以上17万ボルト未満監督できない監督できる監督できる
電圧17万ボルト以上監督できない監督できない監督できる

低圧・高圧・特別高圧の定義は電圧区分のガイドにあります。 主任技術者を選ぶ義務がある設備かどうかは一般用電気工作物等と自家用電気工作物の違いを参照してください。

ダム水路・ボイラー・タービンの免状

主任技術者免状は、電気主任技術者のほかに、ダム水路主任技術者とボイラー・タービン主任技術者があり、全部で7種類です(電気事業法第44条第1項)。施行規則第56条の表の第4号から第7号は、これらの範囲を「電気的設備に係るものを除く」としています。

電気主任技術者以外の主任技術者免状(施行規則第56条第4号〜第7号の要約)
免状監督の対象(電気的設備を除く)
第一種・第二種ダム水路主任技術者水力設備のダム、導水路、サージタンクなど(第二種は高さ70メートル未満のダムなど、範囲が狭い)
第一種・第二種ボイラー・タービン主任技術者火力設備、原子力設備、一定の燃料電池設備(第二種は圧力などの条件で範囲が狭い)

電気工事士や主任電気工事士は、これらとは別の制度です。電気工事士の資格との違いは電気主任技術者と主任電気工事士の比較で確認できます。

免状を受けるための2つの道筋

電気主任技術者免状は、学歴または資格と実務の経験を満たすか、電気主任技術者試験に合格すると、経済産業大臣から交付されます(電気事業法第44条第2項)。第1号の学歴・資格と実務経験の内容は、免状の種類ごとに経済産業省令で定められています。 試験は、第一種から第三種までの免状について用意されています(同項第2号)。

試験の日程や受験案内は、電気技術者試験センターのサイトで電験一種・二種・三種ごとに案内されています (電気技術者試験センター)。 なお、法律に違反して免状の返納を命じられた人などには、免状が交付されないことがあります(第44条第3項・第4項)。

この整理で言えないこと

この記事は、法と施行規則の条文の整理にとどまります。個別の設備がどの免状の範囲に入るか、実務経験の年数、選任の許可を受けて免状のない人を選ぶ場合(許可主任技術者のガイドで整理しています)は、ここでは判断しません。 設備の電圧や出力が境目に近いときは、設置場所を管轄する産業保安監督部に確認してください。

主任技術者を選ぶ義務と、外部に委託する仕組みは自家用電気工作物の外部委託承認制度、 設置者が行う手続は自家用電気工作物の設置者の手続で整理しています。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。免状の範囲に入るかどうかは、設置場所を管轄する経済産業省の産業保安監督部で確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。