公式資料をもとに整理
自家用電気工作物の外部委託承認制度(対象設備・委託先・申請書類)
自家用電気工作物の設置者は、電圧7,000ボルト以下で受電する需要設備などに限り、電気主任技術者を自ら選任する代わりに、保安の監督の業務を外部へ委託する承認を受けられます(電気事業法施行規則第52条第2項)。委託先は電気管理技術者(個人)または電気保安法人で、承認は産業保安監督部長などが行います。 対象設備、委託先の要件、承認の条件を、条文と関東東北産業保安監督部の案内で整理します。
公開日: 2026-10-07 / 最終更新: 2026-10-07 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
運営: 合同会社フューチャープロンプト。AIを活用して作成し、公開前に公式資料と照合しています。誤りのご報告は運営情報へ。
制度の早見表
電気事業法第43条第1項は、事業用電気工作物(自家用電気工作物を含みます)を設置する者に、主任技術者免状の交付を受けている者から主任技術者を選任することを求めています。e-Gov法令検索「電気事業法」の第43条です。この選任の例外として、e-Gov法令検索「電気事業法施行規則」の第52条第2項が、外部委託の承認を受けた場合に電気主任技術者を選任しないことができると定めています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手続きを行う人 | 自家用電気工作物の設置者(工事を請け負う電気工事業者ではありません) |
| 承認する機関 | 経済産業大臣。事業場が1つの産業保安監督部の管轄内だけにある場合は、所在地を管轄する産業保安監督部長 |
| 受けられる設備 | 出力や受電電圧が一定以下の5類型(次の節の表) |
| 委託先 | 電気管理技術者(個人事業者)または電気保安法人(法人) |
| 承認の効果 | 対象の事業場で、電気主任技術者を選任しないことができる |
承認を受けられる設備(5類型)
電気主任技術者を選任しない承認を受けられるのは、第52条第2項の各号に挙げられた次の5類型の自家用電気工作物に限られます。第5号を除き、電圧7,000ボルト以下で連系する、または受電する規模のものです。
| 号 | 対象の自家用電気工作物 |
|---|---|
| 第1号 | 出力5,000キロワット未満の太陽電池発電所または蓄電所で、電圧7,000ボルト以下で連系等をするもの |
| 第2号 | 出力2,000キロワット未満の発電所(水力・火力・風力に限る)で、電圧7,000ボルト以下で連系等をするもの |
| 第3号 | 出力1,000キロワット未満の発電所(前二号に掲げるものを除く)で、電圧7,000ボルト以下で連系等をするもの |
| 第4号 | 電圧7,000ボルト以下で受電する需要設備 |
| 第5号 | 電圧600ボルト以下の配電線路(承認の単位は、その配電線路を管理する事業場) |
高圧受電のビル・工場・店舗の受電設備は第4号、事業用の太陽光発電所は第1号に当たる場合があります。関東東北産業保安監督部「外部委託承認制度」は、蓄電所の出力・容量について、パワーコンディショナなどを経由した後の送電端の出力ではなく、蓄電池本体の出力・容量が基準になると注記しています。
一般用電気工作物と自家用電気工作物の区分そのものは一般用電気工作物等と自家用電気工作物の違いのガイド、太陽光発電設備の出力帯ごとの扱いは太陽光発電設備の設置工事と登録のガイドで整理しています。
委託先の2種類(電気管理技術者と電気保安法人)
第52条の2は、委託先の要件を事業者の区分ごとに定めています。個人事業者として受ける場合が電気管理技術者、法人として受ける場合が電気保安法人です(第53条第3項第1号・第2号)。
| 要件 | 電気管理技術者(個人事業者) | 電気保安法人(法人) |
|---|---|---|
| 免状・告示の要件 | 電気主任技術者免状の交付を受けていること、別に告示する要件に該当すること | 保安管理業務に従事する者(保安業務従事者)が、個人の場合と同じ免状と告示の要件に該当すること |
| 機械器具 | 別に告示する機械器具を有していること | 別に告示する機械器具を有していること |
| 受け持つ量の上限 | 事業場の種類と規模に応じて告示の方法で算定した値が、告示の値未満であること | 申請事業場を担当する保安業務担当者ごとに、同様の算定値が告示の値未満であること |
| 遂行体制 | 保安管理業務の適確な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと | 保安管理業務を遂行するための体制に、同様のおそれがないこと |
| 承認取消し後の制限 | 取消しの責めに任ずべき者は、取消しの日から2年を経過していること | 取消しの対象になった委託契約の相手方は、原則として取消しの日から2年を経過していること。取消しの責めに任ずべき者を保安管理業務に従事させていないこと |
関東東北産業保安監督部のページは、外部委託先は電気保安法人に限らず個人の電気管理技術者にも委託できること、電気保安法人の一覧を公表していることを案内しています。 告示で定める具体的な要件、機械器具、算定値は本記事では転記していません。委託先を選ぶときは、告示の最新版と委託先の承認実績を所轄の産業保安監督部で確認します。
承認の条件と申請書類
承認を受けようとする設置者は、様式第43の保安管理業務外部委託承認申請書に、委託契約の相手方の執務に関する説明書、委託契約書の写し、委託契約の相手方が要件に該当することを証する書類を添えて提出します(第53条第1項)。 関東東北産業保安監督部は、保安ネットによる電子申請を標準的な申請方法としており、利用にはGビズIDが必要と案内しています。
承認は、第53条第2項の6つの条件にすべて適合する場合に限られます。
| 号 | 条件 |
|---|---|
| 第1号 | 委託契約の相手方が、第52条の2の要件に該当していること |
| 第2号 | 相手方が電気保安法人の場合、保安業務担当者が定められていること |
| 第3号 | 委託契約が、保安管理業務を委託することのみを内容とする契約であること |
| 第4号 | 申請事業場の電気工作物が、火薬類(煙火を除く)を製造する事業場、または鉱山保安法施行規則が適用される鉱山のうち石炭坑に設置されていないこと(第48条第3項各号) |
| 第5号 | 点検を告示の頻度で行うこと、および非常時の連絡や、設置者と相手方の義務・責任が委託契約に定められていること |
| 第6号 | 相手方(電気保安法人の場合は保安業務担当者)の主たる連絡場所が、事業場に遅滞なく到達し得る場所にあること |
承認を受けた設置者は、保安を確保するにあたり、委託契約の相手方の意見を尊重しなければなりません(第53条第4項)。 承認は、第2項各号のいずれかに該当しなくなったとき、委託契約によらないで保安管理業務が行われたとき、不正の手段で承認を受けたときなどに、取り消されることがあります(同条第5項)。
承認の申請書類のうち保安規程の添付と変更の扱いは、関東東北産業保安監督部のページが「外部委託承認申請における保安規程添付書類と保安規程変更内容について」の資料を案内しています。 保安規程そのものは電気事業法第42条が、事業用電気工作物の設置者に定めて届け出ることを求めています。保安規程・主任技術者・工事計画・使用開始届の時期は自家用電気工作物の設置者の手続のガイドで一覧にしています。
電気工事業者・電気工事士との関係
この制度は設置者が主任技術者の選任に代えて使うもので、電気工事業の登録・通知や、電気工事士の資格とは別の制度です。電気工事業者が自家用電気工作物の工事を請け負うときの確認事項は電気工事士・主任電気工事士・電気主任技術者の違いのガイドで整理しています。
第53条第2項第3号は、委託契約が保安管理業務の委託のみを内容とする契約であることを承認の条件にしています。 工事の施工を請け負う契約と、保安管理業務の委託契約をどう分けるかは、個別の契約に関わる事項のため、所轄の産業保安監督部で確認します。 なお、自家用電気工作物の工事に従事できる資格は特種電気工事資格者・認定電気工事従事者のガイド、工事の種類ごとの資格の要否は電気工事士でなくてもできる作業のガイドにまとめています。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。保安管理業務の受託も行いません。 自社や発注者の設備が5類型に当たるか、委託先の要件、点検の頻度、申請の様式は、所在地を管轄する産業保安監督部(関東東北産業保安監督部など)で確認してください。
電気工事を請け負う場合の4区分は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の目安を表示できます。