公式資料をもとに整理
自家用電気工作物の保安規程(9項目・届出・変更届)
保安規程は、自家用電気工作物の設置者が、保安の組織・教育・点検・非常時の対応などを文書にして主務大臣へ届け出るものです。電気事業法第42条が設置者に求め、定める事項は施行規則第50条第3項が9項目で示しています。何を書くか、いつ届け出るか、変更したときはどうするかを、条文で確認します。
公開日: 2026-10-15 / 最終更新: 2026-10-15 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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保安規程とは何か
電気事業法第42条第1項は、事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)を設置する者に、工事・維持・運用の保安を確保するため、保安を一体的に確保することが必要な組織ごとに保安規程を定めることを求めています。 設置者とその従業者は、定めた保安規程を守らなければなりません(同条第4項)(e-Gov法令検索「電気事業法」、2026年10月15日に確認)。
保安規程の対象は事業用電気工作物で、小規模事業用電気工作物は条文の括弧書きで除かれています。どの設備が事業用電気工作物か、自家用と小規模事業用の線引きは小規模事業用電気工作物のガイドにまとめています。設置者の届出の全体は自家用電気工作物の設置者の手続のガイドで一覧にしています。
定める事項(施行規則第50条第3項の9項目)
施行規則第50条第1項は、保安規程を事業用電気工作物の種類ごとに定めるとし、一般送配電事業・送電事業・配電事業・発電事業(法第38条第4項第5号に掲げる事業に限る)の用に供するものと、それ以外のものに分けています。需要設備を持つ一般的な自家用電気工作物の設置者は後者で、第3項の事項を定めます(e-Gov法令検索「電気事業法施行規則」、2026年10月15日に確認)。
| 号 | 条文の内容 |
|---|---|
| 第1号 | 工事・維持・運用に関する業務を管理する者の職務と組織 |
| 第2号 | 工事・維持・運用に従事する者への保安教育 |
| 第3号 | 保安のための巡視・点検・検査 |
| 第4号 | 運転または操作 |
| 第5号 | 発電所または蓄電所の運転を相当期間停止する場合の保全の方法 |
| 第6号 | 災害その他非常の場合にとるべき措置 |
| 第7号 | 保安についての記録 |
| 第8号 | 法定自主検査または使用前自己確認を実施するものについて、その実施体制と記録の保存 |
| 第9号 | その他、保安に関し必要な事項 |
保安のための巡視・点検・検査に関すること(第3号)は、保安規程に定める事項の一つです。担当する者の職務と組織は第1号の事項です。条文が示すのは定める事項の見出しで、点検の周期や項目の具体的な数字は書かれていません。
鉄道営業法などが適用される自家用電気工作物は、発電所・蓄電所・変電所・送電線路に係る事項を定めれば足りるとするただし書があります。
届出の時期と様式
保安規程は、事業用電気工作物の使用の開始前に主務大臣へ届け出ます。自主検査を伴うものは、その工事の開始前です(法第42条第1項)。届出は、様式第41の保安規程届出書に保安規程を添えて提出します(施行規則第51条第1項)。
施行規則第138条は、経済産業大臣への申請・届出のうち表に掲げるものについて、書類の写し1通を経済産業局長または産業保安監督部長にも提出するよう定めています。表には、法第42条第1項または第2項による届出(原子力発電所に係るものを除く)が挙がっていて、写しの提出先は届出に係る電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長です。実際の提出の窓口や方法は、設備の所在地を管轄する産業保安監督部に確認してください。
変更したとき
保安規程を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を届け出ます(法第42条第2項)。様式第42の保安規程変更届出書に、変更を必要とする理由を記載した書類を添えます(施行規則第51条第2項)。 主務大臣は、保安の確保のため必要があると認めるとき、保安規程の変更を命じることができます(法第42条第3項)。
設備の増設、組織の変更、保安管理業務の委託先の変更などで規程の内容が実態と合わなくなったときに、変更の届出が必要になるかを判断します。どの変更が届出の対象かの線は、条文からは一律に決まらないため、窓口で確認する事項です。外部委託の承認と保安規程の関係は保安管理業務の外部委託のガイドを参照してください。
主任技術者の選任届との違い
| 項目 | 保安規程 | 主任技術者の選任 |
|---|---|---|
| 根拠 | 法第42条 | 法第43条 |
| 内容 | 保安の組織・教育・点検などを定めた文書 | 主任技術者を選任したことの届出 |
| 変更時 | 変更した事項を遅滞なく届出(第42条第2項) | 選任したとき(許可を受けて選任した場合を除く)と、解任したときに遅滞なく届出(第43条第3項) |
保安規程の第1号は業務を管理する者の職務と組織を定める事項で、選任届は別の条文の別の届出です。免状の区分や選任の許可は免状のない人を選任する許可のガイドと電気主任技術者と主任電気工事士の違いで確認できます。
この整理で言えないこと
- 特定の設備や事業所に、どの項目をどの程度まで書けば足りるかは判断しません。規程の作成は設置者が行うもので、本サイトは作成を代行しません。
- 点検の頻度、停電を伴う点検の要否は、条文の見出しだけでは決まらず、この記事では断定しません。
- 認定高度保安実施設置者の特例(法第55条の10)や、一般送配電事業・送電事業・配電事業・発電事業向けの第2項の事項は扱いません。
- 個別の設備が小規模事業用電気工作物に当たるかは、設備の規模・用途ごとの確認が必要です。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。保安規程そのものの作成も代行しません。届出先の窓口、変更届が必要になる範囲、保安規程に書く項目の水準は、設備の所在地を管轄する経済産業局または産業保安監督部へ確認してください。
自分が登録を要する側か、設置者側の手続の対象かを確認するには、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。