電気設備技術基準・解釈

接地工事のA種・B種・C種・D種の違い(解釈第17条)

接地工事は、電気設備の技術基準の解釈第17条でA種・B種・C種・D種の4つに分かれ、接地抵抗値の上限は原則としてA種とC種が10Ω、D種が100Ωです。B種だけは、変圧器の高圧側などの1線地絡電流から計算して決まります。機械器具の外箱にどの種類を使うかは第29条の表で、使用電圧300V以下の低圧ならD種、300V超の低圧ならC種、高圧・特別高圧ならA種です。

公開日: 2026-10-13 / 最終更新: 2026-10-13 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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4種類の接地抵抗値と接地線の太さ

接地工事の4種類は、接地抵抗値の上限と接地線の最小の太さを種類ごとに定めています。次の表は解釈第17条(見出しは「接地工事の種類及び施設方法」)を要約したものです (経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」、令和7年11月20日改正の版)。 省令第10条は電気設備の必要な箇所に接地その他の措置を講じること、第11条は電流が安全かつ確実に大地に通ずるようにすることを求めており、解釈第17条はその具体的な方法として示されています (e-Gov法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」)。

解釈第17条の接地工事(条文の要約)
種類接地抵抗値接地線の最小の太さ(原則)条文
A種10Ω以下引張強さ1.04kN以上の容易に腐食し難い金属線、または直径2.6mm以上の軟銅線第1項
B種17-1表の値以下(原則150を1線地絡電流Ig[A]で割った値)高圧電路(または第108条の特別高圧架空電線路の電路)と低圧電路を結合する変圧器は引張強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線、それ以外は引張強さ2.46kN以上の金属線または直径4mm以上の軟銅線第2項
C種10Ω以下(低圧電路で地絡時に0.5秒以内に自動遮断する装置を施設するときは500Ω以下)引張強さ0.39kN以上の容易に腐食し難い金属線、または直径1.6mm以上の軟銅線第3項
D種100Ω以下(同じく0.5秒以内の自動遮断装置を施設するときは500Ω以下)C種に準じる第4項

B種の17-1表には、高圧または35,000V以下の特別高圧の電路と低圧電路を結合する変圧器の行があります。混触で低圧電路の対地電圧が150Vを超えたとき、自動で高圧側を遮断する装置を設ける場合は、遮断時間で値が変わります。1秒を超え2秒以下なら300÷Ig、1秒以下なら600÷Igです。

Igの求め方は、実測値か、高圧電路では17-2表の計算式、特別高圧電路で実測が困難な場合は線路定数等による計算値によります。 高圧・特別高圧と低圧を結合する変圧器のB種は、低圧側の中性点などに施します(第24条)。計算した値が小さくても、5Ω未満にすることは求められていません(第24条第二号)。

接地線の太さは、移動して使用する機械器具の外箱で可とう性が必要な部分だけ、別の定めがあります。A種・B種は断面積8mm²以上のキャブタイヤケーブルの遮へいなど、C種・D種は断面積0.75mm²以上の多心コードや多心キャブタイヤケーブルの1心などです。

外箱の接地はどの種類か(第29条)

電路に施設する機械器具の金属製の台や外箱には、使用電圧に応じて第29条第1項の表で接地工事の種類が決まります。外箱のない変圧器や計器用変成器は、鉄心に施します。

解釈第29条第1項の29-1表
機械器具の使用電圧接地工事
低圧で300V以下D種接地工事
低圧で300V超C種接地工事
高圧または特別高圧A種接地工事

第2項は、小規模発電設備である燃料電池発電設備を除き、次のいずれかに当たる場合は接地工事を省略できると定めています。

主なものは次のとおりです。

ほかに、乾燥した木製の床などの上で取り扱う場合、絶縁台を設ける場合、容量3kVA以下の絶縁変圧器を使う場合などがあります。各号の細かい条件は原文で確認してください。

漏電遮断器を設置する電路の条件は、解釈第36条の記事にまとめています。そちらの第36条の例外にも、C種・D種の接地抵抗値が3Ω以下の場合が出てきます。

0.5秒以内に遮断する場合は500Ω

C種とD種は、低圧電路で地絡を生じたときに0.5秒以内に電路を自動で遮断する装置を施設するなら、接地抵抗値の上限が500Ωになります。この緩和はC種とD種だけで、A種とB種にはありません(第17条第3項第一号と第4項第一号の括弧書き)。装置の種類(漏電遮断器など)や動作時間の確認は、製品の仕様書と条文の原文で行います。

第17条は、接地工事を施す金属体と大地との間の電気抵抗値が、C種なら10Ω以下、D種なら100Ω以下であるときは、その接地工事を施したものとみなすとも定めています(第5項・第6項)。

金属管工事の管の接地(第159条)

低圧屋内配線の金属管工事では、使用電圧が300V以下なら管にD種、300Vを超えるならC種の接地工事を施すのが原則です。第159条第3項第四号・第五号には、除外もあります。金属管工事を使える場所と電圧の区分は低圧屋内配線の工事の種類の早見表で整理しています。

A種・B種を人が触れる場所に施設するとき

A種とB種の接地極と接地線を人が触れるおそれがある場所に施設する場合は、埋設の深さや接地線の保護を第17条第1項第三号に従って行います。B種は第2項第四号で同号に準じることとされています。主な内容は次のとおりです。

可とう性が必要な移動用機械器具の接地線の部分や、発電所・変電所などで接地極を第19条第2項第一号に準じて施設する場合などは、この定めから除かれます。細かい条件は原文で確認してください。

この整理で言えないこと

この記事は条文の構造の整理にとどまり、特定の設備にどの種類を施すか、接地抵抗の測り方や補助極の取り方、接地極の工法は扱っていません。民間規格(内線規程など)の内容も扱っていません。接地工事の施工が電気工事士の資格の対象になる範囲は電気工事士の義務、省令と解釈の関係は電気設備の技術基準の省令と解釈の違いで整理しています。

電気工事業者は、営業所ごとに接地抵抗計を備える決まりがあります(営業所に備える測定器具)。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の設備にどの接地工事が必要かは、経済産業省の産業保安監督部または電気工事の施工者・保安の専門家に確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。