電気設備の技術基準の解釈 第19条

電路に接地を施せる場所と接地線の太さ(解釈第19条)

電路に接地を施せるのは、保護装置の確実な動作、異常電圧の抑制、対地電圧の低下のために必要な場合の、電路の中性点・特別高圧の直流電路・燃料電池の電路です。接地線は、直径4mm以上の軟銅線などが基本で、低圧電路の中性点なら直径2.6mm以上の軟銅線で足ります。 この記事では、解釈第19条の第1項から第6項までを、条文の順に整理します。

公開日: 2026-10-28 / 最終更新: 2026-10-28 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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接地を施せる3つの場所(第1項)

第1項は、電路の保護装置の確実な動作の確保、異常電圧の抑制、対地電圧の低下を図るために必要な場合に、次の3つの場所へ接地を施せると定めています。「施せる」という書き方で、義務として接地を求める規定ではありません。ほかの条の規定による接地のほかに、という位置づけです。

電路に接地を施せる場所(第19条第1項)
号場所
一電路の中性点(使用電圧が300V以下の電路で中性点に接地を施し難いときは、電路の一端子)
二特別高圧の直流電路
三燃料電池の電路、またはこれに接続する直流電路

300V以下の電路の一端子に接地できるのは、中性点に接地を施し難いときだけです。 接地を施す電路の絶縁の考え方は、電路を大地から絶縁しない部分の例外(解釈第13条)の記事で整理しています。

接地線・接地極の施設方法(第2項)

第1項で電路に接地を施すときの接地工事は、接地極の電位差による危険の防止、接地線の太さ、損傷防止、接地線に接続する機器、取扱者以外の立入防止の5点を、第2項の各号で定めています。接地線の太さは、引張強さ2.46kN以上の容易に腐食し難い金属線、または直径4mm以上の軟銅線です。 ただし第二号の括弧書きで、低圧電路の中性点に施設する接地線は、引張強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線でよいとされています。

電路の接地工事の条件(第19条第2項)
号条件
一接地極は、故障の際にその近傍の大地との間に生じる電位差により、人・家畜・他の工作物に危険を及ぼすおそれがないように施設する
二接地線は、引張強さ2.46kN以上の容易に腐食し難い金属線または直径4mm以上の軟銅線(低圧電路の中性点に施設するものは、1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線)で、故障の際に流れる電流を安全に通じられるものにする
三接地線は、損傷を受けるおそれがないように施設する
四接地線に接続する抵抗器・リアクトルその他は、故障の際に流れる電流を安全に通じられるものにする
五接地線とこれに接続する抵抗器・リアクトルその他は、取扱者以外の者が出入りできない場所に施設するか、接触防護措置を施す

A種〜D種の接地工事のように接地抵抗値を定める条文ではなく、この項には接地抵抗値の数字がありません。 接地抵抗値を定める接地工事は、接地工事のA種・B種・C種・D種の記事で扱っています。

低圧電路の中性点の場合の緩和(第3項)

低圧電路で第1項第一号の場所(中性点または一端子)に接地を施すときは、第2項によらず、第3項の接地線の太さと、第17条第1項第三号イからニまでに準じた施設によることができます。太さだけを見ると、低圧電路の中性点は第2項第二号の括弧書きでも2.6mm以上でよいため、第3項との違いは、対象に一端子が入ることと、第2項の各号によらなくてよいことです。

第2項と第3項の比較
項目第2項(原則)第3項(低圧電路の中性点・一端子)
対象第1項の各場所低圧電路の第1項第一号の場所(中性点または一端子)
接地線の太さ引張強さ2.46kN以上の金属線、または直径4mm以上の軟銅線(低圧電路の中性点は1.04kN以上または2.6mm以上)引張強さ1.04kN以上の金属線、または直径2.6mm以上の軟銅線
施設の方法第一号から第五号まで第17条第1項第三号イからニまでに準じて施設する

第17条第1項第三号は、人が触れるおそれがある場所の接地極を地下75cm以上に埋設することなどを定める規定です。 第17条の接地工事全体は、接地工事のA種・B種・C種・D種の記事で扱っています。

巻線の保護・建物の鉄骨・電子機器(第4項〜第6項)

第4項から第6項は、変圧器などの巻線の保護、引込口付近の建物の鉄骨の利用、電子機器に接続する150V以下の電路の接地を、それぞれ別の場合として定めています。

第4項〜第6項の内容(第19条)
項接地できる場合条件
第4項変圧器の安定巻線・遊休巻線、電圧調整器の内蔵巻線を異常電圧から保護するために必要な場合その巻線に接地を施せる。接地工事はA種接地工事による
第5項需要場所の引込口付近で、地中に埋設されている建物の鉄骨が、大地との間の電気抵抗値3Ω以下を保っている場合B種接地工事を施した低圧電線路の中性線または接地側電線に、第24条により施す接地に加えて接地工事を施せる。接地線は直径2.6mm以上の軟銅線などで、接触防護措置を施すか、第164条第1項第一号から第三号までに準じて施設する
第6項電子機器に接続する使用電圧が150V以下の電路、その他機能上必要な場所で、接地により感電・火災その他の危険を生じない場合電路に接地を施せる

第5項で鉄骨の電気抵抗値が基準になるのは3Ω以下で、解釈第18条第2項の2Ω以下とは別の条文です。 どちらも建物の鉄骨を接地に使う条文ですが、対象の電路が違います。

第5項はB種接地工事を施した低圧電線路への追加の接地、第18条第2項は非接地式高圧電路に関する接地工事です。 第6項は、感電・火災その他の危険を生じないことが前提で、電子機器に限らず機能上必要な場所も含みます。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第19条)です。

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次に知りたいこと:接地工事のA種・B種・C種・D種の違い、建物の鉄骨を接地極に使える条件(解釈第18条)、漏電遮断器を設置する電路の条件(解釈第36条)

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