電気設備技術基準・解釈
漏電遮断器の設置が必要な電路と例外(解釈第36条)
金属製の外箱を持つ、使用電圧60Vを超える低圧の機械器具に接続する電路には、地絡を生じたときに自動で電路を遮断する装置(漏電遮断器など)を施設します。ただし、乾燥した場所に施設する場合など8つの例外があります。これは電気設備の技術基準の解釈第36条第1項の定めで、この記事は条文の区分の整理にとどまり、個別の設計や施工の判断はしません。
公開日: 2026-10-12 / 最終更新: 2026-10-12 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
運営: 合同会社フューチャープロンプト。AIを活用して作成し、公開前に公式資料と照合しています。誤りのご報告は運営情報へ。
省令第15条と解釈第36条の関係
法的な基準は省令第15条で、解釈第36条は、その基準を満たす具体的な方法として示されたものです。省令第15条は、電路には地絡が生じた場合に電線や電気機械器具の損傷、感電、火災のおそれがないよう、地絡遮断器の施設その他の適切な措置を講じるよう定めています。ただし、電気機械器具を乾燥した場所に施設するなど、地絡による危険のおそれがない場合は除かれます (e-Gov法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」)。
解釈第36条の見出しには「(省令第15条)」と付いており、同条はこの省令の規定に対応する条文です (経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」、令和7年11月20日改正の版)。 省令と解釈の関係は電気設備の技術基準の省令と解釈の違いで整理しています。
第36条第1項で遮断装置が必要な電路
必要になる対象は、「金属製外箱を有する」「使用電圧が60Vを超える」「低圧の機械器具」に接続する電路です。3つの条件がそろったときに、地絡を生じたとき自動的に電路を遮断する装置を施設することが、第1項の原則です。外箱が金属でない機械器具や、使用電圧が60V以下の機械器具は、この項の原則の対象には読めません。
設置しなくてよい8つの場合
第1項のただし書は、次の8つのいずれかに当たる場合は遮断装置を施設しなくてよいと定めています。1つでも当てはまれば足りる並びで、各号は「または」の関係です。
| 号 | 内容 |
|---|---|
| 第一号 | 機械器具に簡易接触防護措置を施す場合(金属製で、防護する機械器具と電気的に接続するおそれがあるものによる防護を除く) |
| 第二号 | 発電所・蓄電所・変電所・開閉所やこれに準ずる場所、乾燥した場所に施設する場合。対地電圧が150V以下なら、水気のある場所以外でも可 |
| 第三号 | 電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁構造のもの、ゴム・合成樹脂などで被覆したもの、誘導電動機の2次側電路に接続されるもの、第13条第二号に掲げるもの |
| 第四号 | 機械器具に施されたC種接地工事またはD種接地工事の接地抵抗値が3Ω以下の場合 |
| 第五号 | 電路の系統電源側に絶縁変圧器(機械器具側の線間電圧が300V以下)を施設し、その機械器具側の電路を非接地とする場合 |
| 第六号 | 機械器具内に電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器を取り付け、電源引出部が損傷を受けるおそれがないように施設する場合 |
| 第七号 | 太陽電池モジュールに接続する直流電路で、非接地・逆変換装置の交流側に絶縁変圧器・対地電圧450V以下の3条件を満たす場合 |
| 第八号 | 電路が管灯回路である場合 |
各号の細かい条件や用語(簡易接触防護措置など)は、解釈の原文で確認してください。「乾燥した場所」「水気のある場所」にどの場所が当たるかは、この記事では判断しません。
第3項から第5項の定め
第1項のほか、第3項は高圧・特別高圧の電路と変圧器で結合される使用電圧300V超の低圧電路に、第4項は高圧・特別高圧の電路に、それぞれ地絡遮断装置を求めています。第3項には発電所などにある電路、第4項には36-1表で定める場合の例外があります。
第5項は、非常用照明装置・非常用昇降機・誘導灯など、停止が公共の安全の確保に支障を生じるおそれのある機械器具に電気を供給する低圧・高圧の電路を対象にしています。地絡を生じたとき技術員駐在所に警報する装置を施設する場合は、第1項・第3項・第4項の遮断装置を施設しなくてよいとしています。
住宅の屋内電路の対地電圧と地絡遮断
住宅の屋内電路の対地電圧は、原則150V以下と定められています(解釈第143条第1項)。ただし書で、定格消費電力2kW以上の電気機械器具に専用の屋内配線で電気を供給する場合などは、対地電圧300V以下まで認められます。その場合の電気機械器具に電気を供給する電路には、地絡が生じたとき自動的に電路を遮断する装置を施設する定めがあり、条件を満たす絶縁変圧器を施設する場合に限り除かれます。
第143条第1項ただし書により施設する、対地電圧150V超の住宅の屋内電路には、第36条第1項は適用されません。第36条第2項が、その電路に適用される規定(第143条など)に従うと定めているためです。住宅の電気工事に関する資格の区分は家庭の電気工事で資格が必要な作業で整理しています。
この整理で言えないこと
この記事は条文の構造の整理にとどまり、特定の建物・設備に漏電遮断器をつけるべきか、定格感度電流や動作時間、定格電流の選び方、点検の方法は扱っていません。民間規格(内線規程など)の内容も扱っていません。省令に適合すれば、解釈に書かれていない方法も用いることができる点は、前述の省令と解釈の記事を参照してください。
電気工事の資格や、電気工事士でなくてもできる作業の範囲は電気工事士の義務、使用する電気用品の表示の決まりは電気用品安全法とPSEマークで整理しています。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の設備が条文のどれに当たるかは、経済産業省の産業保安監督部または電気工事の施工者・保安の専門家に確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。