公式資料をもとに整理
電気工事業者が確認する電気用品安全法(PSEマーク)の対象と使用制限
電気工事業者は、電気用品安全法上の表示(PSEマーク)が付いていない電気用品を、電気工事に使用してはなりません(電気工事業法第23条)。この記事では、対象となる電気用品の範囲、PSEマークの種類、表示のない製品を使った場合の扱いを条文から整理します。
公開日: 2026-08-26 / 最終更新: 2026-10-13 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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電気工事業法が求める電気用品の使用制限
電気工事業者は、電気用品安全法第10条第1項の表示が付されている電気用品でなければ、これを電気工事に使用してはなりません(e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」第23条第1項)。この義務は登録電気工事業者・通知電気工事業者・みなし登録電気工事業者・みなし通知電気工事業者の4区分すべてに共通します。義務全体の一覧は電気工事業登録後に確認する義務で整理しています。
違反した場合は10万円以下の罰金です(同法第38条)。危険等防止命令や登録取消しを含む監督処分の全体像は電気工事業法の監督処分と罰則で解説しています。
電気用品安全法が定める対象品目とPSEマーク
電気用品安全法上の「電気用品」は、一般用電気工作物等の部分となり又はこれに接続して用いられる機械・器具・材料、携帯発電機、蓄電池のうち、政令で定めるものに限られます(e-Gov法令検索「電気用品安全法」第2条)。すべての電気製品が対象になるわけではなく、政令が指定した品目だけが対象です。
経済産業省「電気用品安全法の概要」によると、対象品目は合計457品目です。構造や使用方法から危険・障害の発生するおそれが特に多いものが「特定電気用品」116品目(電気温水器、電熱式・電動式おもちゃ、電気ポンプ、電気マッサージ器、自動販売機、直流電源装置など)でひし形のPSEマークを、それ以外の電気用品が341品目(リチウムイオン蓄電池などを含む)で丸形のPSEマークを、それぞれ表示の対象とします。
| 区分 | 品目数 | マークの形状 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 特定電気用品 | 116品目 | ひし形 | 電気温水器、電熱式・電動式おもちゃ、電気ポンプ、電気マッサージ器、自動販売機、直流電源装置など |
| それ以外の電気用品 | 341品目 | 丸形 | リチウムイオン蓄電池など |
電気工事業者が実際に扱う工事でどの電気用品が対象になるかは、工事内容や使用する機器によって異なります。個別の製品が対象品目に当たるかどうかは、上記の経済産業省ページまたは電気用品安全法施行令の別表で確認してください。
表示のない電気用品を使った場合の扱い
PSEマークは、技術基準への適合性を確認した届出事業者だけが付けることができます。届出事業者以外の者が表示やこれと紛らわしい表示を付けることは禁止されています(電気用品安全法第10条)。
電気用品の製造・輸入・販売の事業を行う者は、この表示が付いていない電気用品を販売し、または販売の目的で陳列してはなりません(同法第27条第1項)。経済産業大臣の承認を受けた特定用途向けの販売など一部の例外を除きます(同条第2項)。電気工事業法第23条第2項は、この第27条第2項の例外規定を電気工事業者にも準用しています。
つまり、電気工事業者にとっては「表示のある電気用品しか工事に使用できない」という制限が基本であり、例外は限定的な場合に限られます。表示のない電気用品を電気工事に使用すると、電気工事業法第38条の罰則(10万円以下の罰金)の対象になります。
第23条の対象になる使用・対象外の使用(逐条解説の整理)
経済産業省「電気工事業法に関する逐条解説」は、第23条第1項の「電気工事に使用してはならない」を、工事の対象となる一般用電気工作物等・自家用電気工作物の一部を構成するものとして使用することを禁止する意味だと解説しています(第23条解説4)。
| 使い方 | 第23条の扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 配線材料などとして、工事する電気工作物の一部を構成する | 対象(表示のある電気用品に限り使用できる) | 第23条第1項、逐条解説 第23条解説1・4 |
| 工具として使う(例: 電気ドリル)で、一般用電気工作物等を構成しない | 対象外 | 逐条解説 第23条解説2 |
| 電気用品安全法の規定により特定用途向けとして承認を受けた電気用品 | 表示がなくても使用できる | 第23条第2項、逐条解説 第23条解説3 |
電気工事業法第38条の罰則とは別に、電気工事士等の個人にも電気用品安全法の使用制限がかかります。同法第28条第1項は、電気工事士・特種電気工事資格者・認定電気工事従事者(ほかに電気事業者・自家用電気工作物を設置する者も対象)が、表示のない電気用品を電気工作物の設置または変更の工事に使用することを禁じています。違反は同法第57条第4号により、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその併科の対象です。
逐条解説は、違反した電気工事士等が電気工事業者の従業員であるときは、雇主の電気工事業者も電気用品安全法の両罰規定の適用を受け、行為者が電気工事士等以外の従業員のときは両罰規定の適用はないとしています(第23条解説6)。両罰規定は現行の同法第59条です。
逐条解説の本文は刑の種類を「懲役」と記載していますが、現行の電気用品安全法第57条は「拘禁刑」です。個別の事案が当たるかどうかは、所轄行政庁に確認してください。
実務で確認しておきたいこと
通信販売や海外製品、中古品として入手した電気用品は、PSEマークの表示があるかどうかを個別に確認しておくと、電気工事業法第23条の義務を満たしているかを事前に把握できます。表示の有無は電気用品本体または包装で確認できます。
帳簿には施工した電気工事ごとに配線図や検査結果を記載しますが、使用した電気用品のPSE表示の有無自体を記載事項とする明文規定はありません(e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則」第13条)。帳簿の記載事項と保存期間は電気工事業の帳簿ガイドで整理しています。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の製品が電気用品安全法の対象品目に当たるかどうか、表示の有無の確認方法は、経済産業省の公式資料または所轄行政庁で確認してください。
登録後に続くその他の義務(主任電気工事士、測定器具、標識、帳簿)は電気工事業登録後に確認する義務、義務違反時の監督処分・罰則の全体像は電気工事業法の監督処分と罰則で整理しています。
まだ区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、区分ごとの義務の概要を表示できます。
電気用品安全法の目的・定義・罰則を含む全体像は電気用品安全法とは(目的・電気用品の定義・表示と使用制限の条文ごとの内容)で確認できます。