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電気工事業の登録・通知が不要なケースの境界
電気工事業法上の登録・通知が必要になるのは「電気工事業」を営む場合です。他者からの依頼、反復・継続、家庭用電気機械器具の販売に付随する工事かどうかで対象の内外が分かれます。経済産業省の逐条解説にある具体例から、この境界を整理します。
制度確認日: 2026-07-26
「電気工事業」の定義
電気工事業法上の「電気工事業」は、電気工事の施工を反復・継続して行う事業です(e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」第2条第2項)。ここでいう電気工事は電気工事士法上の電気工事を指しますが、家庭用電気機械器具の販売に付随して行う工事は除かれます(同法第2条第1項)。
反復・継続に当たらない具体例
経済産業省の逐条解説は、他の者から依頼を受けた者が自ら電気工事の全部または一部の施工を反復・継続して行う場合を「電気工事業」とし、有償・無償は問わないとしています。一方で、次のような場合は反復・継続に当たらないと解釈されています。
- 電気工事士の免状を持つ人が、たまたま自宅の電気工事を行う場合
- 試験的・一時的に電気工事を行う場合
- 他の業を持つ人が、たまたま1回限り電気工事を行う場合
- 住宅メーカーが、アフターサービスとして一時的にコンセントやスイッチを交換する場合(新設・移設・増設を含まない、造営材に取り付けてある配線器具の不具合による交換に限る)
ビル管理業者が自社ビル内の電気工事を自ら反復・継続して行っている場合も、それ自体は電気工事業に当たらないとされています。ただし、他の者から依頼を受けて行う部分が含まれれば、その部分は対象になります(経済産業省「電気工事業法に関する逐条解説」第2条解説4)。
家庭用電気機械器具の販売に付随する工事
家庭用電気機械器具の販売業者が、販売に伴ってコンセントを設けるなどの配線工事を局部的に行うことは、電気工事業法上の電気工事から除かれます。これは、家庭用電気機械器具の販売に伴う消費者サービスとして一般的であることや、電気工事業者がいない山間僻地でも定型的・軽易な工事を行えるようにする趣旨です(同解説第2条解説1)。
除かれるのは「販売した者が販売行為に伴ってその販売した物に係る工事」に限られます。他人が販売した物に係る工事や、販売の当初以外に行う工事は対象外です(同解説第2条解説3)。対象となる家庭用電気機械器具は、テレビジョン受信機・電気冷蔵庫・電気洗濯機・電子レンジなど主として家庭で使用される機器で、電圧200V以上で使用する機器の工事は除外の対象になりません(同解説第2条解説2)。幹線に係る工事、分岐回路の増設工事、分岐過電流保護器の容量変更を伴う工事、屋側配線・屋外配線に係る工事も、この除外の対象にはならず、登録を受けた者が行うべきものとされています(同解説第2条解説1)。
境界に近いケースの読み方
家電機器販売業者が軽微な工事をしながら、電気工事を断続的に1、2件でも施工するような場合は、電気工事業に該当すると解釈されています(同解説第2条解説4)。「販売に付随する軽易な工事だから」という理由だけで対象外と決めつけず、他者からの依頼の有無、施工の反復性、販売行為との結びつきを個別に確認します。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。実際の工事が電気工事業に当たるかどうかは、所轄行政庁または経済産業省の公式資料で最終確認してください。電気工事業に当たる場合の4区分と建設業許可の関係は電気工事業登録と建設業許可の違いで整理しています。
自分の予定する工事が対象になるか分からない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、対象外に当たる項目を確認事項として表示できます。