公式資料をもとに整理

電気工事業で建設業許可を取得するための人的要件(経営業務の管理責任者等)

建設業許可(電気工事業)を受けるには、経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有する常勤役員等を置く必要があります。建設業法第7条第1号が定める基本的な体制を整理します。

公開日: 2026-08-13 / 最終更新: 2026-08-16 / 制度確認日: 2026-07-26

経営業務の管理を適正に行うに足りる能力の要件

e-Gov法令検索「建設業法」第7条は、建設業許可を受けようとする者の基準の一つとして、建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であることを求めています(同条第1号)。

条文が定めるのは「国土交通省令で定める基準に適合する者であること」という委任の枠組みまでで、具体的な基準は建設業法施行規則に置かれています。電気工事業登録と建設業許可の違いで整理しているとおり、この許可は電気工事業法の登録・通知とは別の制度です。

「常勤役員等」とは

国土交通省の「建設業許可事務ガイドライン」は、「常勤役員等」を、法人である場合はその役員のうち常勤であるもの、個人である場合はその者またはその支配人と説明しています。「役員」は、業務を執行する社員・取締役・執行役またはこれらに準ずる者をいい、執行役員・監査役・会計参与・監事・事務局長等は原則として含まれません。

常勤役員等の体制として確認する2つの基本形

同ガイドラインは、常勤役員等の体制について、大きく分けて2つの組み立て方を示しています。

常勤役員等の体制として確認する2つの基本形
体制要件
常勤役員等本人が経験を持つ体制常勤役員等になろうとする者自身が、建設業の経営業務について総合的に管理した経験(経営業務の管理責任者としての経験)などを持つ場合
常勤役員等と、これを直接に補佐する者による体制常勤役員等になろうとする者が単独では経験要件を満たさない場合でも、財務管理・労務管理・業務運営のいずれかの業務経験を持ち、常勤役員等を直接に補佐する者をあわせて置くことで基準を満たす体制

どちらの体制に該当するかで、必要な経験の年数の組み合わせ方や、証明に使う様式(常勤役員等証明書・常勤役員等及び直接に補佐する者の証明書)が異なります。経験年数の具体的な組み合わせ・添付書類の詳細は許可行政庁が求める様式によって扱いが異なるため、本記事では扱いません。申請時の必要書類は、許可行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)の窓口で確認してください。

経営業務要件以外にも確認する人的要件

建設業法第7条は、経営業務の管理責任者等の要件(第1号)のほかにも、営業所ごとに専任の営業所技術者を置くこと(第2号)、請負契約に関して不正・不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと(第3号)、請負契約を履行するに足りる財産的基礎・金銭的信用を有しないことが明らかな者でないこと(第4号)も基準としています。第3号・第4号の具体的な判定基準は誠実性・財産的基礎要件で整理しています。

営業所技術者・主任電気工事士との違い

経営業務の管理責任者等(常勤役員等)は、建設業全体の経営業務の管理を担う者で、営業所技術者(建設工事の請負契約の締結・履行に関する技術上の管理を担う者)とは役割が異なります。同一人物が両方を兼ねられるかどうかは、勤務場所などの条件によって扱いが異なるため、本記事では扱いません。

経営業務の管理責任者等(建設業法)と主任電気工事士(電気工事業法)は、根拠法令も選任要件も異なる別の制度です。電気工事業法上の主任電気工事士は、登録電気工事業者・みなし登録電気工事業者が一般用電気工作物等に係る電気工事を行う特定営業所に置く別の資格者です。建設業許可と電気工事業の登録・通知をどちらも必要とする場合、それぞれの人的要件を別々に確認してください。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。経験の該当性や必要書類は、許可行政庁の公式資料または窓口で最終確認してください。

建設業許可の有無による4区分への影響は電気工事業登録と建設業許可の違い、取引先の建設業許可の有無を確認する方法は取引先の建設業許可の有無を確認する方法で整理しています。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。