電源設備と情報伝送設備を契約単位で判定

電気工事と電気通信工事の建設業許可区分の違い

発電・変電・配電・構内電気設備を設置する工事は「電気工事」、有線・無線・ネットワーク・放送・情報設備を設置する工事は「電気通信工事」です。弱電か強電かという呼び名だけでなく、完成させる設備と請負契約の内容で許可業種を確認します。

公開日: 2026-08-15 / 最終更新: 2026-08-22 / 制度確認日: 2026-07-26

国土交通省の工事例で区分する

国土交通省の許可区分資料は、電気工事と電気通信工事を別の専門工事として例示します(国土交通省「建設工事の例示」)。

代表的な工事例
電気工事電気通信工事
発電設備、送配電線、引込線、変電設備有線・無線電気通信設備
構内電気設備、非常用電気設備、照明設備ネットワーク、データ通信、情報処理設備
電車線、信号設備、ネオン装置放送機械、アンテナ、TV電波障害防除設備

LAN機器への電源工事は契約範囲を分ける

ネットワーク機器を設置する案件でも、分電盤から専用電源を配線する工事は電気工事、LANケーブル・通信機器・アンテナ等を設置する工事は電気通信工事となり得ます。主たる工事に附帯する工事として施工できる場合もありますが、附帯工事は主たる工事との関連性・必要性が前提です。二つの専門工事を独立して受注するなら、各業種の許可要否を別に判定します。

e-Gov法令検索「建設業法」第4条は、許可を受けた建設業に係る建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事(附帯工事)を請け負えると定めています。国土交通省「建設業許可事務ガイドラインについて」は、附帯工事を主たる建設工事の施工により必要を生じた従たる建設工事、または主たる建設工事を施工するために生じた従たる建設工事であって、それ自体が独立の使用目的に供されるものではないものと定義し、建設工事の注文者の利便・請負契約の慣行等を基準に、準備・実施・仕上げ等を一連または一体の工事として施工することが必要または相当と認められるかを総合的に検討するとしています。

よくある例:防犯カメラ・インターホンの区分

防犯カメラ・インターホンという設備名は、国土交通省の建設工事の例示に個別の工事例としては挙げられていません。電気工事の例示にある「構内電気設備(非常用電気設備を含む)工事」、電気通信工事の例示にある「電気通信線路設備工事」「データ通信設備工事」のいずれに当たるかは、設備名ではなく上記の電源系・通信系という区分に沿って、工事の内容から個別に判断します。

録画機器や本体への分電盤からの電源配線は電気工事、カメラ映像やインターホンの呼出信号を伝送するケーブル配線・ネットワーク機器の設置は電気通信工事に当たり得ます。1件の設置工事に両方の作業が含まれる場合は、電源系と通信系を分けて見積り、それぞれの金額で500万円基準を確認します。

既設通信設備の改修・修繕も電気通信工事

国土交通省のガイドラインは、既に設置された電気通信設備の改修、修繕、補修も電気通信工事に該当すると整理しています。「新設でない」「機器交換だけ」という理由で建設工事から除外せず、作業内容と請負金額を確認します。一方、単なる機器販売や保守点検だけで建設工事を伴わない契約は別に切り分けます。

見積・契約時の確認順序

  1. 完成させる設備を電源系と通信系に分ける
  2. 各工事の施工内容と金額を見積書へ明記する
  3. 附帯工事として扱うなら主従関係と必要性を記録する
  4. 500万円以上となる専門工事の許可業種を確認する

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。複合設備・附帯工事の許可区分は契約書と仕様書を示して建設業許可行政庁へ確認してください。

500万円基準と電気工事業登録の関係は電気工事業登録と建設業許可の違いで確認できます。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。