公式資料をもとに整理
登録電気工事業者になる前に確認する初期費用・継続する負担の一覧
登録電気工事業者になる場合、登録時にかかる費用と、登録後も続く費用・体制の負担があります。一次資料で確認できる事実だけを整理したもので、特定の講座・工具・サービスをおすすめするものではありません。
公開日: 2026-08-13 / 最終更新: 2026-08-26 / 制度確認日: 2026-07-26
この記事の範囲
本記事は、電気工事業法上の4区分のうち、登録免許税・登録手数料・更新登録手数料の額が一次資料で確認できている登録電気工事業者を対象にします。自分の区分がどれに当たるかは、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックで確認できます。通知電気工事業者・みなし登録電気工事業者・みなし通知電気工事業者の費用の性質については、通知・みなし区分では費用の性質が異なるで整理します。
| 項目 | 金額 | 時期 |
|---|---|---|
| 登録免許税(経済産業大臣宛) | 90,000円 | 登録時 |
| 登録手数料(都道府県知事宛) | 確認できている実例は22,000円(下記参照) | 登録時 |
| 更新登録手数料(経済産業大臣宛・書面) | 14,400円 | 5年ごと |
| 更新登録手数料(経済産業大臣宛・電子申請等) | 11,800円 | 5年ごと |
| 更新登録手数料(都道府県知事宛) | 都道府県ごとの条例による(下記参照) | 5年ごと |
登録時に確認する費用(登録免許税・登録手数料)
経済産業大臣に対して登録を申請する場合、登録免許税90,000円を納付します(関東東北産業保安監督部「登録電気工事業者として登録申請を行う場合」)。都道府県知事に対して申請する場合は、国税である登録免許税ではなく、都道府県が条例で定める登録手数料を納付します。金額は都道府県ごとに異なるため、営業所を管轄する都道府県の窓口で確認してください。
申請時に提出する様式・添付書類は登録・通知に必要な書類と様式で確認できます。
都道府県知事宛の登録手数料・審査期間(確認できている実例)
都道府県知事宛の登録手数料は、電気工事業法上の全国一律の金額ではなく、各都道府県が独自の手数料条例で定めます。本記事執筆時点で一次資料を確認できたのは東京都・愛知県・神奈川県・大分県・大阪府・石川県の6件で、いずれも新規登録手数料は22,000円でした。ただしこれは6都県の実例であり、他の都道府県が同額とは限りません。
| 都道府県 | 新規登録手数料 | 更新登録手数料 | 納付方法の例 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 22,000円 | 12,000円 | 納入通知書(審査完了後に送付、記載の期限までに納付) |
| 愛知県 | 22,000円 | 保存している資料からは確認できていません | 愛知県収入証紙またはキャッシュレス決済 |
| 神奈川県 | 22,000円 | 保存している資料からは確認できていません | 電子申請・窓口・郵送でそれぞれ異なる決済手段 |
| 大分県 | 22,000円 | 12,000円 | 大分県収入証紙・キャッシュレス決済・クレジットカード・PayPay等 |
| 大阪府 | 22,000円 | 12,000円 | 現金持参(新規登録は郵送申請時にコンビニ納付も可) |
| 石川県 | 22,000円 | 12,000円 | 石川県証紙 |
東京都の例は東京都環境局「電気工事業の登録・届出」、愛知県の例は愛知県「登録電気工事業者の新規登録について」、神奈川県の例は神奈川県「電気工事業の登録新規(手引き1)」、大分県の例は大分県「登録電気工事業者に関する手続き」、大阪府の例は大阪府「1 電気工事業登録申請」と大阪府「2 電気工事業更新登録申請」、石川県の例は石川県「登録電気工事業者に関する手続き(登録・更新登録・登録事項の変更等)」で確認しました。東京都・大分県・大阪府・石川県はいずれも新規登録手数料(22,000円)と更新登録手数料(12,000円)が異なる額で、経済産業大臣宛の額の大小関係(更新の方が新規より低い)と同じ傾向でした。愛知県・神奈川県のページには更新登録手数料の額が明記されていなかったため、この2県については確認できていません。
審査にかかる標準処理期間を明記していたのは神奈川県のみで、「書類に不備がなければ、受付後16日以内(土日祝日を除く)に登録電気工事業者登録証が交付される」としています(神奈川県「電気工事業の登録新規(手引き1)」)。東京都・愛知県・大分県・大阪府・石川県のページには標準処理期間の記載がありませんでした。東京都は、審査完了後に送付される納入通知書に記載された期限までに納付する方式を明記しており、証紙やキャッシュレス決済が中心の他都県とは異なる納付方法です。
標準処理期間は都道府県ごとに定められ公表状況も異なるため、神奈川県の16日という日数を他の都道府県に当てはめることはできません。開業予定日から逆算して申請時期を検討する場合は、営業所を管轄する都道府県の窓口へ個別に確認してください。
5年ごとに確認する費用(更新登録手数料)
登録電気工事業者の登録の有効期間は5年で、引き続き事業を営む場合は期間満了までに更新の登録を受けます。経済産業大臣に対して更新の手続きを行う場合、手数料は一件につき14,400円、電子申請等による場合は11,800円です(e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律施行令」第1条)。都道府県知事宛の更新登録手数料は都道府県ごとに条例で定められ、確認できている実例では東京都・大分県・大阪府・石川県がいずれも12,000円でした。
更新の手続き・期限は電気工事業登録・通知の更新・変更・廃止の手続きで詳しく整理しています。次の更新期限を確認したい場合は登録更新期限の計算ツールで概算できます。
継続して確認する物的な負担(測定器具・標識)
営業所ごとに、扱う工事範囲に応じた測定器具を備えます。また、営業所と電気工事の施工場所ごとに標識を掲げます(電気工事が1日で完了する場合、その施工場所への掲示は不要です)。
標識の大きさは、令和7年7月31日施行の改正で「縦25cm以上・横35cm以上」に縮小できるようになりました(改正前は「縦35cm以上・横40cm以上」)。対象は登録電気工事業者とみなし登録電気工事業者の標識で、通知電気工事業者・みなし通知電気工事業者の標識については改正条文に記載がありません。
測定器具・標識の詳しい要件(工事範囲別の器具一覧、記載事項)は電気工事業登録後に確認する義務で整理しています。
継続して確認する体制の負担(帳簿・主任電気工事士)
営業所ごとに帳簿を備え、電気工事ごとに定められた事項(注文者・工事の種類・施工場所・施工年月日・従事者の氏名・配線図・検査結果など)を記載し、記載の日から5年間保存します。
一般用電気工作物等に係る工事を行う特定営業所ごとに、主任電気工事士を置きます。事業者本人(法人では役員のいずれか)が要件を満たし、その営業所の業務に主として従事する場合は、別に主任電気工事士を置く必要はありません(一人親方の特例)。要件・選任手続きの詳細は主任電気工事士の要件・選任・変更手続きで整理しています。
通知・みなし区分では費用の性質が異なる
5年ごとの更新登録手数料は登録電気工事業者だけの制度です。みなし登録電気工事業者は、建設業許可に基づき登録電気工事業者とみなされる区分ですが、電気工事業法第34条第1項により第3条を含む第2章(登録等)の規定の適用対象外のため、5年の有効期間・更新登録手数料の対象にはなりません。通知電気工事業者の通知にも有効期間はありません。
通知・みなし登録・みなし通知の各区分について、本記事で扱った登録免許税・登録手数料・更新登録手数料に相当する費用が一次資料で確認できているかどうかは区分ごとに異なり、現時点で確認できているのは登録電気工事業者の登録免許税・登録手数料・更新登録手数料(経済産業大臣宛は全額、都道府県知事宛は確認できている6都県の実例のみ)です。他の区分の額は本記事では扱いません。
測定器具の備付け・標識の掲示・帳簿の備付けは、4区分すべてに共通する義務です(標識の大きさの扱いを除く)。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。実際の費用・様式・手数料は、営業所を管轄する行政庁または経済産業省の公式資料で最終確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。