公式資料をもとに整理

建設業許可(電気工事業)の誠実性・財産的基礎要件

建設業許可(電気工事業)を受けるには、請負契約に関する誠実性と、請負契約を履行するに足りる財産的基礎・金銭的信用も基準になります。建設業法第7条第3号・第4号が定める基準を整理します。

公開日: 2026-08-14 / 最終更新: 2026-09-26 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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誠実性の基準(第3号)

e-Gov法令検索「建設業法」第7条第3号は、法人の場合はその法人・役員等・政令で定める使用人が、個人の場合はその者・政令で定める使用人が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことを許可の基準の一つとしています。

国土交通省の「建設業許可事務ガイドライン」は、「不正な行為」を請負契約の締結・履行の際における詐欺・脅迫・横領等法律に違反する行為、「不誠実な行為」を工事内容・工期・天災等不可抗力による損害の負担等について請負契約に違反する行為と説明しています。

同ガイドラインは、建築士法・宅地建物取引業法等の規定により不正または不誠実な行為を理由に免許等の取消処分を受け、その最終処分から5年を経過しない者は、原則としてこの基準を満たさないものとして扱うとしています。すでに許可を受けて継続して建設業を営んでいた者は、該当行為が確知された場合等を除き、この基準を満たすものとして扱われます。

財産的基礎・金銭的信用の基準(第4号)

同法第7条第4号は、請負契約(軽微な建設工事に係るものを除く)を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有しないことが明らかな者でないことを求めています。

同ガイドラインは、次のいずれかに該当する者は、倒産することが明白である場合を除きこの基準に適合するものとして扱うとしています。

「自己資本」の額は、法人と個人で計算が異なります。法人は、貸借対照表の純資産合計の額です。個人は、期首資本金・事業主借勘定・事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を引き、負債の部に計上されている利益留保性の引当金・準備金の額を加えた額です。

基準を満たすかどうかの判断は、原則として、既存の企業は申請直前の決算期、新規設立の企業は創業時の財務諸表で行われます。

特定建設業許可の場合の基準(第15条第3号)

ここまでの基準は一般建設業許可の基準(第7条第4号)です。特定建設業許可を受ける場合は、第15条第3号が定める別の基準を満たす必要があります。これは、政令で定める金額(8,000万円、建設業法施行令第5条の4)以上の請負契約を履行するに足りる財産的基礎を求める基準です。

同ガイドラインは、次の3つのすべてを満たす者を、倒産することが明白である場合を除き、この基準に適合するものとして取り扱うとしています。3つとは、欠損の額が資本金の額の20%を超えないこと、流動比率が75%以上であること、資本金の額が2,000万円以上かつ自己資本の額が4,000万円以上であることです。

一般建設業(第7条第4号)と特定建設業(第15条第3号)の財産的基礎の基準
許可の区分根拠満たすべき内容満たし方
一般建設業第7条第4号自己資本500万円以上/500万円以上の資金調達能力/直前5年間の許可を受けた継続営業の実績いずれか1つ
特定建設業第15条第3号欠損の額が資本金の20%以内/流動比率75%以上/資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上3つすべて

電気工事業は建設業法施行令が定める指定建設業7業種の一つで、特定営業所技術者の資格経路にも制約があります。基準の詳細と対象金額の考え方は電気工事業の特定建設業許可の要件で整理しています。

許可後に基準を満たさなくなった場合

同ガイドラインは、第4号の基準に適合するかどうかは許可を行う際に判断するものであり、許可をした後にこの基準を満たさなくなっても、直ちに許可の効力に影響を及ぼすものではないとしています。

他の2つの基準との関係

建設業法第7条は、この記事で扱った誠実性(第3号)・財産的基礎又は金銭的信用(第4号)のほかに、経営業務の管理を適正に行うに足りる能力(第1号)と、営業所ごとに専任の技術者を置くこと(第2号)も基準としています。それぞれの要件は経営業務の管理責任者等(常勤役員等)と営業所技術者で整理しています。

4つの基準はすべて満たす必要があり、誠実性・財産的基礎の基準だけを満たしても、経営業務・営業所技術者の基準を満たさなければ許可は受けられません。建設業許可と電気工事業の登録・通知は別の制度であり、両者の関係は電気工事業登録と建設業許可の違いで整理しています。

この第7条の4基準(積極要件)とは別に、申請者が破産手続き中である場合など建設業法第8条の欠格要件(消極要件)に該当しないことも必要です。詳細は建設業許可の欠格要件で整理しています。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。誠実性・財産的基礎の該当性、必要書類・証明方法は、許可行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)の公式資料または窓口で最終確認してください。

許可を持つ取引先かどうかを調べる手順は、取引先の建設業許可の有無を確認する方法で整理しています。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。