元請の下請契約総額で判定

電気工事業の一般建設業許可と特定建設業許可の違い

電気工事の特定建設業許可が必要になるのは、発注者から直接請け負った1件の工事で、下請契約総額が5,000万円以上になる場合です。元請の請負金額そのものではなく、下請へ出す合計額で判定します。

このページで扱うのは建設業法の許可(業種としての電気工事業)です。電気工事業法に基づく登録・通知の「電気工事業」との違いは電気工事業登録と建設業許可の違いで確認できます。

公開日: 2026-08-15 / 最終更新: 2026-10-13 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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一般建設業と特定建設業の比較

国土交通省は、建築一式工事以外について、元請工事1件の下請契約総額5,000万円を境界としています。電気工事は建築一式ではないため5,000万円基準です(国土交通省「建設業の許可とは」)。

電気工事業の許可区分
受注形態下請契約総額必要な区分
元請5,000万円未満一般建設業で可
元請5,000万円以上特定建設業が必要
下請として施工この基準による制限なし一般建設業で可(再下請の仕方は別判定)

元請として受ける請負金額そのものには上限がありません。金額の線の違いは一般建設業許可に請負金額の上限はあるかで整理しています。

請負額が大きくても一般建設業で足りる場合

元請として1億円で受注しても、自社施工が中心で下請契約総額が4,000万円なら、この金額基準では一般建設業で足ります。反対に、元請請負額が7,000万円で下請契約総額が5,000万円なら特定建設業が必要です。下請として1億円の電気工事を受注する場合は、この「元請の下請総額」基準では特定建設業を要求されません。

下請契約の金額は複数社分を合算して判定

1社あたりの発注額ではなく、同じ元請工事について締結する下請契約の総額を合算します。消費税を含み、元請が提供する材料等の価格は下請代金へ加算しません。契約変更や追加発注で5,000万円へ達する場合も、変更前の区分のまま進めないよう契約前に再計算します。

特定建設業の要件と下請保護義務

特定建設業では、営業所技術者の資格、財産的基礎、監理技術者の配置など一般建設業より厳しい基準が関わります。電気工事業は指定建設業であるため、営業所技術者の資格経路にも制約があります。人的要件は建設業許可の営業所技術者で確認してください。

特定営業所技術者の資格経路の制約と、財産的基礎の欠損比率・流動比率・資本金・自己資本の数値基準は電気工事業の特定建設業許可の要件で整理しています。

同じ業種で一般と特定を両方持てるか(建設業法第3条第6項と切替時の申請区分)

同じ業種について一般と特定の両方の許可を持つことはできません。一般建設業の許可を受けた者が、その業種について特定建設業の許可を受けたときは、その業種の一般建設業の許可は効力を失います(e-Gov法令検索「建設業法」第3条第6項)。

切り替えるときの申請区分は、国土交通省の「建設業許可事務ガイドライン」が次のように整理しています。

一般と特定を切り替えるときの申請区分
切り替え方申請区分手順
一般のみの者が、業種の全部または一部を特定にする般・特新規そのまま般・特新規として申請できる
特定のみの者が、業種の一部を一般にする般・特新規先にその一部の特定建設業を廃止してから申請する
特定のみの者が、業種の全部を一般にする新規特定建設業の全部を廃業してから申請する

般・特新規と業種追加・新規の違いは建設業許可の業種追加とはで整理しています。切替の時期や廃止の届出の順序は、許可行政庁へ事前に確認してください。

監理技術者の配置と専任義務

発注者から直接請け負った特定建設業者は、施工のために締結する下請契約の総額(複数ある場合は合算)が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる場合、主任技術者に代えて監理技術者を置かなければなりません(建設業法第26条第2項)。この金額基準は、この記事で扱う特定建設業許可の下請契約総額基準と同じです(国土交通省「建設業の許可とは」)。

公共性のある施設や多数の者が利用する施設に関する重要な建設工事のうち、請負代金の額が4,500万円以上(建築一式工事は9,000万円以上)のものは、主任技術者または監理技術者を工事現場ごとに専任で置かなければなりません(建設業法第26条第3項、建設業法施行令第27条)。この専任義務の金額基準は、上記の監理技術者配置義務の基準(5,000万円)とは異なる基準です。

情報通信技術を利用して職務を行う体制など一定の要件を満たす場合は、専任義務の例外(同項ただし書)が適用されることがあります。工事現場ごとの設置義務の全体像や兼任特例については建設業法の主任技術者・監理技術者の設置義務とはで整理しています。

受注前の確認順序

  1. 発注者から直接請け負う元請工事か確認する
  2. 工事1件に予定する全下請契約を合算する
  3. 追加・変更契約を含め5,000万円以上になるか確認する
  4. 特定建設業が必要なら契約前に許可範囲と技術者配置を確認する

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。契約分割、材料提供、変更契約を含む個別の算定は建設業許可行政庁へ確認してください。

電気工事業登録との違いは電気工事業登録と建設業許可の違いで確認できます。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。

許可の種類を定める法律の全体像は建設業法とは(目的・用語・許可と契約の条文ごとの内容)で確認できます。