工事範囲で3器具・7器具を判定
電気工事業の営業所に備える測定器具(一般用・自家用)
一般用電気工事だけを行う営業所は3種類、業務に自家用電気工事を含む営業所は7種類の測定器具を備えます。会社全体ではなく営業所ごとに、実際の工事範囲で判定します。
公開日: 2026-08-15 / 最終更新: 2026-10-13 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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一般用3種類・自家用を含む場合7種類
電気工事業法第24条と施行規則第11条が営業所の器具を定めています(e-Gov法令検索「電気工事業法施行規則」)。
| 器具 | 一般用のみ | 自家用を含む |
|---|---|---|
| 絶縁抵抗計 | 必要 | 必要 |
| 接地抵抗計 | 必要 | 必要 |
| 抵抗・交流電圧を測定できる回路計 | 必要 | 必要 |
| 低圧検電器 | — | 必要 |
| 高圧検電器 | — | 必要 |
| 継電器試験装置 | — | 必要(借用要件あり) |
| 絶縁耐力試験装置 | — | 必要(借用要件あり) |
4区分ごとの器具の種類数
器具の種類数は工事範囲(一般用のみか自家用電気工作物を含むか)で決まり、4区分のうち通知電気工事業者・みなし通知電気工事業者は自家用電気工作物のみを扱う区分のため常に7種類です。登録電気工事業者・みなし登録電気工事業者は、一般用電気工作物のみを扱う場合は3種類、自家用電気工作物を含む場合は7種類になります(区分の定義は経済産業省の「電気工事業法に関するQ&A」で確認できます)。
| 区分 | 扱う電気工作物 | 器具の種類数 |
|---|---|---|
| 登録電気工事業者 | 一般用電気工作物のみ | 3種類 |
| 登録電気工事業者 | 一般用電気工作物及び自家用電気工作物 | 7種類 |
| 通知電気工事業者 | 自家用電気工作物のみ | 7種類 |
| みなし登録電気工事業者 | 一般用電気工作物のみ | 3種類 |
| みなし登録電気工事業者 | 一般用電気工作物及び自家用電気工作物 | 7種類 |
| みなし通知電気工事業者 | 自家用電気工作物のみ | 7種類 |
4区分そのものだけでは種類数が一つに決まらない区分もあるため、実際の営業所が扱う電気工作物の範囲を、上の「器具一覧」の表と合わせて確認してください。
回路計は測定機能を確認する
単にテスターを1台持つだけではなく、規則が求める抵抗と交流電圧を測定できる回路計か、仕様書で確認します。複合測定器を使う場合も、必要機能と使用可能な状態を記録します。
試験装置は必要時に使用できる借用関係でもよい
継電器試験装置と絶縁耐力試験装置は、必要なときに使用できる措置が講じられていれば、営業所で所有していなくてもよいと規則が定めています。経済産業省の「電気工事業法逐条解説」は、この2装置が工事の各段階よりも設備完成時の検査等で使うことが主で使用頻度が少なく、他の器具と比べて高価なため、同業者との賃貸契約や他の営業所(自社)から必要時にすぐ持ってきて検査できる措置があれば足りると説明しています。申請実務では貸与承諾書等を求める行政庁があるため、貸主、対象装置、随時利用できる条件を書面化し、提出先の案内を確認します。他の5器具まで同じ借用扱いになると一般化しません。これらの器具を備えなかった場合は、電気工事業法第39条により3万円以下の罰金の対象となります(詳細は電気工事業法の監督処分と罰則で確認できます)。
特定建設業許可を受けても測定器具の数は変わらない
営業所に備える測定器具は電気工事業法の義務で、建設業許可が一般か特定かでは決まりません。建設業法第15条が定める特定建設業許可の基準は、第7条第1号・第3号の準用、営業所ごとの特定営業所技術者の専任配置、政令で定める金額以上の請負契約を履行するための財産的基礎の3つです。e-Govの建設業法本則に「測定器」を含む条はなく、測定器具の備付けを許可の基準とする規定は見当たりません(e-Gov法令検索「建設業法」、2026-10-13確認)。
| 項目 | 特定建設業許可の基準(建設業法第15条) | 営業所の測定器具(電気工事業法第24条) |
|---|---|---|
| 求めるもの | 特定営業所技術者の専任配置、財産的基礎 | 絶縁抵抗計など3種類または7種類の器具の備付け |
| 種類数の決まり方 | 許可の区分(一般・特定) | 営業所の工事範囲(一般用のみか、自家用を含むか) |
特定建設業許可を受ける営業所でも、電気工事業の登録または通知をして工事を行う以上、工事範囲に応じた器具を別に備える必要があります。許可の基準そのものは電気工事業の特定建設業許可の要件、2つの制度の違いは電気工事業登録と建設業許可の違いで整理しています。
営業所の新設・工事範囲変更時に再判定
一般用のみだった営業所が自家用も扱い始める場合は、追加4種類を準備します。別営業所の器具を必要時に移動すれば常に足りるとは限らないため、営業所ごとの備付け状況、型式、製造番号、点検・校正状況を一覧化します。
- 営業所ごとの工事範囲を確定したか
- 回路計の抵抗・交流電圧機能を確認したか
- 借用する2試験装置を随時使用できるか
- 故障・校正中の代替器具を決めたか
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。借用書類や器具明細の様式は提出先行政庁へ確認してください。
経済産業省の記載例にある備付器具明細書の記入欄と、試験装置を借りる場合の書き方は登録申請書の記入例の「備付器具明細書の記入欄」で確認できます。
工事範囲の区別は一般用と自家用の違いで確認できます。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
絶縁抵抗計で測った値の基準は低圧電路の絶縁抵抗の基準値で確認できます。
一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。