公式資料をもとに整理
主任電気工事士の要件・選任・変更手続き
主任電気工事士は、一般用電気工事を扱う「特定営業所」ごとに確認します。必要な資格、第二種電気工事士の実務経験、一人親方の特例、専任、欠員時の選任と変更届を整理します。
公開日: 2026-08-11 / 最終更新: 2026-08-24 / 制度確認日: 2026-07-26
主任電気工事士が必要な営業所
e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」第19条は、登録電気工事業者が一般用電気工作物等に係る電気工事を行う営業所を「特定営業所」とし、営業所ごとに主任電気工事士を置くよう定めています。みなし登録電気工事業者にも第34条第2項で適用されます。
自家用電気工作物に係る工事だけを扱う営業所と、通知・みなし通知の区分には第19条の設置義務はありません。扱う設備の区分は一般用と自家用の違いで整理しています。
| 区分 | 主任電気工事士の要否 | 根拠 |
|---|---|---|
| 登録電気工事業者 | 必要 | 第19条 |
| 通知電気工事業者 | 不要(第19条の適用対象外) | — |
| みなし登録電気工事業者 | 必要 | 第34条第2項 |
| みなし通知電気工事業者 | 不要(第19条の適用対象外) | — |
この対応は、本ツールの診断結果が参照する区分データと同じ考え方です。通知・みなし通知の区分は自家用電気工作物のみを扱うため、そもそも第19条が適用される「一般用電気工作物等に係る特定営業所」に当たりません。
4区分ごとの更新・提出先などの属性を横並びで比較したい場合は4区分の比較表も確認してください。
第一種・第二種電気工事士の資格要件
主任電気工事士になれるのは、第一種電気工事士、または第二種電気工事士免状の交付後に電気工事の実務経験を3年以上有する人です。さらに第6条第1項第1号から第4号までの欠格事由に該当しないことが必要です。
第二種電気工事士を選任する場合、登録申請や変更届では実務経験を証する書面が必要になります。提出書類は登録・通知に必要な書類と様式で確認できます。
電気工事士免状(個人の作業資格)と電気工事業の登録・通知(事業者単位の手続き)の関係は電気工事士免状と電気工事業登録・通知の違いで整理しています。
一人親方の特例と営業所ごとの専任
事業者本人が要件を満たし、その特定営業所で業務に主として従事する場合は、別の主任電気工事士を置く必要はありません。法人では役員のいずれかが同じ条件を満たす場合が該当します(第19条第2項)。
経済産業省「電気工事業法の逐条解説」は、主任電気工事士を特定営業所単位で専任とし、他の営業所や他の登録電気工事業者の営業所との兼務は認められないと説明しています。
一人親方の特例に該当するかは、次の3点をあわせて確認します(各項目の詳しい根拠は上記の各節を参照してください)。
- 事業者本人、法人の場合は役員のいずれかが、第一種電気工事士、または第二種電気工事士免状交付後3年以上の実務経験を持つ第二種電気工事士であるか
- 第6条第1項第1号から第4号までの欠格事由に該当しないか
- その特定営業所の業務に主として従事しているか(他の営業所や他の登録電気工事業者の営業所との兼務は認められません)
欠員・変更時の選任と届出
主任電気工事士が欠格事由に該当した、死亡・退職などで欠けた、新たに一般用電気工事を扱い始めた、新しい特定営業所を設けた場合は、該当することを知った日から2週間以内に新たな主任電気工事士を選任します(第19条第3項)。
「主任電気工事士が欠けるに至ったとき」は、死亡・退職に限りません。経済産業省の「電気工事業法の逐条解説」は、旅行、疾病その他の事故により相当期間にわたり、その特定営業所の一般用電気工事の作業を管理することが不可能な状態も含むと解説しています。この場合も、欠けた日から2週間以内に新たな主任電気工事士の選任が必要です。
主任電気工事士の氏名などは登録事項です。変更した場合は、第10条の変更届と必要な添付書類を提出します。経済産業省の「登録事項等の変更届出」は、主任電気工事士変更時の誓約書・実務経験証明書などを案内しています。
主任電気工事士の職務と確認事項
主任電気工事士は、一般用電気工事による危険・障害が発生しないよう作業管理を誠実に行います。作業従事者は、職務上必要な指示に従わなければなりません(第20条)。
第20条は職務の内容を条文上は列挙していませんが、経済産業省「電気工事業法の逐条解説」は「作業の管理」の内容として次を挙げています。
- 配線図の作成・変更(自ら関与しない場合はその確認)
- 電気工事士でない者が電気工事の作業に従事していないか(自らそれを指示することも含め)の監視(第21条)
- 表示のない電気用品の使用がないかの監視(第23条)、危険等防止命令を受けた場合の遵守義務(第27条)、電気設備の技術基準の適合性など関係法規の遵守
- 行政による立入検査(第29条)を受ける場合の立会い
- 一般用電気工事の検査結果の確認
- 帳簿(第26条)の記載上の管理監督
- その他、一般用電気工事に関する一般的な管理監督
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。実務経験の算入、雇用・常勤性、営業所間の配置が個別要件を満たすかは、証明書類を準備する前に所轄行政庁へ確認してください。
選任後の標識・帳簿などは登録後に確認する義務で確認できます。帳簿へ記載する項目・保存期間は電気工事業の帳簿に記載する6項目と5年保存で確認できます。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。