公式資料をもとに整理
電気工事業の登録を拒否される場合(登録申請者の欠格事由)
電気工事業法は、登録申請者が一定の事由に該当する場合、経済産業大臣・都道府県知事は登録を拒否しなければならないと定めています。何が拒否事由に当たるかを、本ツールの診断結果には表示されない条文の詳細まで整理します。
公開日: 2026-08-10 / 最終更新: 2026-08-24 / 制度確認日: 2026-07-26
登録を拒否しなければならない6つの場合
e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」第6条第1項は、登録申請者が次のいずれかに該当するとき、または登録申請書・添付書類に重要な事項について虚偽の記載があるか重要な事実の記載が欠けているときは、登録を拒否しなければならないと定めています。
| 号 | 拒否事由 |
|---|---|
| 第1号 | 電気工事業法、電気工事士法第3条第1項〜第3項、電気用品安全法第28条第1項の違反で罰金以上の刑に処せられ、執行終了または執行を受けなくなった日から2年を経過しない者 |
| 第2号 | 電気工事業法第28条第1項の規定により登録を取り消され、その処分のあった日から2年を経過しない者 |
| 第3号 | 登録電気工事業者(法人)が第28条第1項の規定により登録を取り消された場合、その処分のあった日前30日以内にその法人の役員であった者で、処分のあった日から2年を経過しないもの |
| 第4号 | 第28条第1項または第2項の規定により事業の停止を命ぜられ、その停止期間中に電気工事業を廃止した者で、停止期間に相当する期間を経過しないもの |
| 第5号 | 法人であって、その役員のうちに第1号から第4号までのいずれかに該当する者があるもの |
| 第6号 | 営業所について第19条に規定する要件(主任電気工事士の選任要件)を欠く者 |
第6号は、営業所ごとに主任電気工事士を選任する要件を満たしていないと、それ自体が登録拒否事由になることを意味します。主任電気工事士の選任要件の詳細は電気工事業登録後に確認する義務で整理しています。
虚偽申請で登録を受けた場合
第6条第1項第3号の「処分のあった日前30日以内」は、処分日の前日を第1日目として逆算し、30日目に当たる日までの期間です。この号は、法人である登録電気工事業者が第28条第1項で登録を取り消された場合に、その期間内に役員であり、かつ処分日から2年を経過していない人を対象にします。
拒否事由を隠すなど不正な手段で登録を受けた場合は、無登録営業と同じく、1年以下の拘禁刑もしくは10万円以下の罰金、または併科の対象です。重要事項の虚偽を行政庁が知らずに登録した場合でも、登録は当然に無効となるのではなく一応有効と扱われます。ただし、登録電気工事業者については、不正な手段による登録として第28条第1項により登録取消しまたは6月以内の事業停止を命じられることがあります。
法人の場合は役員も対象になる
第5号は、登録申請者本人だけでなく、法人の役員が第1号から第4号のいずれかに該当する場合も、その法人自体の登録を拒否する事由になると定めています。個人の経歴だけでなく、法人であれば役員全員の経歴が確認対象になります。
拒否された場合の通知
経済産業大臣または都道府県知事は、登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を登録申請者に通知しなければなりません(同条第2項)。
通知電気工事業者への類似の審査(事業開始の延期勧告)
通知電気工事業者になるための手続きは「通知」であり、登録のような審査・拒否の制度そのものはありません。ただし、通知をした者が第6条第1項第1号から第5号までのいずれかに該当し、業務の適正な実施が確保されないおそれが明らかであると認めるときは、経済産業大臣または都道府県知事は、事業を開始しようとする日の前日までに限り、事業の開始の延期その他必要な措置をとるべきことを勧告できます(同法第17条の3)。第6号(営業所の主任電気工事士要件)は、通知電気工事業者には主任電気工事士の設置義務が無いため、この勧告の対象には含まれません。
登録の拒否は行政庁が行わなければならない義務的な処分ですが、この勧告は行政庁の裁量による措置で、拒否のような強制的な処分ではありません。
公式窓口で確認する事項
登録後に欠格事由へ該当した場合の取消し・事業停止との関係は、電気工事業法の監督処分と罰則で整理しています。建設業許可を取得する場合は、この電気工事業法上の拒否事由とは別に、建設業法第8条が定める欠格要件があります。詳細は建設業許可の欠格要件で整理しています。
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。自身または法人の役員が拒否事由に該当するかどうかの最終判断は、所轄行政庁または経済産業省の公式資料で確認してください。
まだ区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。