公式資料をもとに整理
取引先が登録・通知電気工事業者かを検索・確認する方法(登録簿の謄本・閲覧)
電気工事の請負先や下請先が正式な登録電気工事業者かどうかは、登録電気工事業者登録簿の謄本の交付・閲覧を請求すれば誰でも検索・確認できます。電気工事業法第16条の制度と、なぜこの確認が重要かを第22条から整理します。
公開日: 2026-08-11 / 最終更新: 2026-08-20 / 制度確認日: 2026-07-26
何人も登録簿の謄本・閲覧を請求して検索できる
e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」第16条は、「何人も、経済産業大臣又は都道府県知事に対し、その登録をした登録電気工事業者に関する登録電気工事業者登録簿の謄本の交付又は閲覧を請求することができる」と定めています。取引先や下請に発注しようとする相手が本当に登録電気工事業者かどうかは、この規定に基づいて確認できます。
経済産業省の逐条解説は、この規定の趣旨を「登録電気工事業者が登録を受けているかどうか、あるいはどのような処分を受けているか否かはその取引先その他関係人にとって重大な問題であるので、何人に対しても登録簿の謄本の交付又は閲覧を請求できることとしたものである」と説明しています(経済産業省「電気工事業法に関する逐条解説」第16条解説)。
謄本・閲覧の手数料
経済産業大臣に対して手続きを行う場合は、手数料がかかります(同法第32条柱書は「経済産業大臣に対して手続を行おうとする者に限る」と限定しており、都道府県知事宛の額はこの規定の対象外です)。金額はe-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律施行令」第1条の手数料表で定められています。
| 請求内容 | 通常の手数料 | 電子申請等の手数料 |
|---|---|---|
| 登録簿の謄本の交付 | 1枚につき820円 | 1枚につき610円 |
| 登録簿の閲覧 | 1回につき710円 | 1回につき430円 |
通知電気工事業者には同じ閲覧制度がない
上記の謄本交付・閲覧請求権(第16条)は「登録電気工事業者登録簿」に限定されており、通知電気工事業者について同様の閲覧制度を定めた条文は電気工事業法にありません。通知電気工事業者が事業内容の変更・廃止をした場合の通知義務(第17条の2第4項)は第10条第1項(変更の届出)・第11条(廃止の届出)を準用しますが、この準用規定に第16条は含まれていません。
経済産業省の逐条解説は、自家用電気工作物のみを扱う事業者について登録でなく通知を採用した理由を、「自家用電気工作物の場合、その設置者は電気事業法の規定により電気保安の監督者たる電気主任技術者を選任……しており、依頼する電気工事について自らが適格な電気工事業者を選定することが可能であることから、あえて行政庁においてすべての電気工事業者の適格性をあらかじめチェックしておく必要性に乏しい」と説明しています(経済産業省「電気工事業法に関する逐条解説」第17条の2解説)。この制度趣旨が、通知電気工事業者について公的な閲覧制度が設けられていない背景と考えられます。
取引先が通知電気工事業者を名乗る場合、登録電気工事業者のような謄本交付・閲覧の請求はできないため、通知書の写しの提示を求める、または営業所を管轄する行政庁(都道府県知事または経済産業大臣、産業保安監督部)へ確認する方法によることになります。提出先の考え方は複数営業所がある場合の電気工事業の提出先で整理しています。
なぜ確認が必要か(施工できるのは登録業者のみ)
電気工事業者は、請け負った電気工事を、その電気工事に係る電気工事業を営む電気工事業者でない者に請け負わせてはなりません(同法第22条)。電気工事の請負契約自体は電気工事業者でなくても結べますが、その電気工事を実際に施工できるのは電気工事業者だけです(経済産業省「電気工事業法に関する逐条解説」第22条解説)。この請負制限の詳しい内容は電気工事業の登録・通知が不要なケースの境界で整理しています。
発注する側の視点では、下請に出す相手が本当に登録電気工事業者かどうかを、名乗りや口頭の説明だけで判断せず、登録簿の謄本・閲覧で確認できます。取引先が主張する登録番号・登録年月日が実際の登録内容と一致するかも、この請求を通じて確認できます。
公式窓口で確認する事項
無登録営業や請負制限違反に対する行政措置・刑事罰は、電気工事業法の監督処分と罰則で確認できます。取引先の建設業許可の有無を確認する方法は取引先の建設業許可の有無を確認する方法で整理しています。
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。謄本・閲覧の具体的な請求手続き(様式・提出先)は所轄行政庁または経済産業省の公式資料で最終確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。