公式資料をもとに整理
登録電気工事業者の登録番号・業者を検索・確認する方法(登録簿の謄本・閲覧)
電気工事の請負先や下請先が正式な登録電気工事業者かどうかは、登録電気工事業者登録簿の謄本の交付・閲覧を請求すれば誰でも検索・確認できます。電気工事業法第16条の制度と、なぜこの確認が重要かを第22条から整理します。
公開日: 2026-08-11 / 最終更新: 2026-10-09 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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何人も登録簿の謄本・閲覧を請求して検索できる
e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」第16条は、「何人も、経済産業大臣又は都道府県知事に対し、その登録をした登録電気工事業者に関する登録電気工事業者登録簿の謄本の交付又は閲覧を請求することができる」と定めています。取引先や下請に発注しようとする相手が本当に登録電気工事業者かどうかは、この規定に基づいて確認できます。
経済産業省の逐条解説は、この規定の趣旨を「登録電気工事業者が登録を受けているかどうか、あるいはどのような処分を受けているか否かはその取引先その他関係人にとって重大な問題であるので、何人に対しても登録簿の謄本の交付又は閲覧を請求できることとしたものである」と説明しています(経済産業省「電気工事業法に関する逐条解説」第16条解説)。
同解説は『「謄本」とは、原本の写しであって、原本と同一の文字符号によって完全に転写したものをいう。そのためもちろん登録行政庁の謄本たる証明がなされていることが必要である』と定義しています。単なる控えや自己申告の写しではなく、登録行政庁が原本どおりであると証明したものを指します。
国土交通省は建設業者を含む12業種の企業情報を検索できる「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」を提供していますが、対象は同システムの案内ページが定める12業種(建設業者・宅地建物取引業者・マンション管理業者等)に限られ、電気工事業法に基づく登録電気工事業者は対象業種に含まれません。取引先が登録電気工事業者かどうかを確認する場合は、このシステムではなく、上記の第16条に基づく謄本の交付・閲覧請求で確認します。
謄本・閲覧の手数料
経済産業大臣に対して手続きを行う場合は、手数料がかかります(同法第32条柱書は「経済産業大臣に対して手続を行おうとする者に限る」と限定しており、都道府県知事宛の額はこの規定の対象外です)。金額はe-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律施行令」第1条の手数料表で定められています。
| 請求内容 | 通常の手数料 | 電子申請等の手数料 |
|---|---|---|
| 登録簿の謄本の交付 | 1枚につき820円 | 1枚につき610円 |
| 登録簿の閲覧 | 1回につき710円 | 1回につき430円 |
都道府県知事宛の手数料は各都道府県で定まり、確認できた7都府県の例は次のとおりです(宮城県・福島県・大阪府は2026年10月9日、神奈川県・愛知県・千葉県・広島県は2026年10月13日確認)。確認できた県はいずれも謄本600円・閲覧440円でした。
宮城県・福島県・大阪府の案内ページが示す方法は請求書の提出で、電子申請の記載はなく、神奈川県は電子申請システムでの請求を案内しています。ほかの都道府県は登録行政庁の案内で確認してください。
| 都道府県 | 謄本の交付 | 閲覧 | 請求先・方法(案内ページの記載) |
|---|---|---|---|
| 宮城県 | 用紙1枚につき600円 | 1回につき440円 | 主たる営業所の所在地を所管する地方振興事務所の窓口に請求書を提出 |
| 福島県 | 用紙1枚につき600円 | 1回につき440円 | 営業所が1つの地方振興局管内のみなら各地方振興局、2つ以上の管内にまたがるなら県庁消防保安課 |
| 大阪府 | 600円 | 440円 | 窓口持参または郵送(閲覧は窓口に来庁が必要)。電子申請は行っていない |
| 神奈川県 | 1件につき600円 | 1回につき440円 | 電子申請システム(e-kanagawa)から請求。請求には登録番号と登録年月日が必要。郵送・窓口の場合も様式は電子申請システムの手続き案内からダウンロード |
| 愛知県 | 1枚につき600円 | 1回につき440円 | 愛知県収入証紙または窓口のキャッシュレス決済で納付。電子申請も利用でき、閲覧は電子申請の受理後に窓口へ行く |
| 千葉県 | 1枚につき600円 | 1回につき440円 | 千葉県収入証紙で納付。請求書は1部で、郵送を希望する場合は切手を貼った返信用封筒を同封 |
| 広島県 | 1枚につき600円 | 1回につき440円 | 持参または県発行の納付書で納付。提出先は広島県庁(東館2階)の計量検定グループ |
請求手続き(様式・請求先)
謄本・閲覧の請求書には様式が定められています。電気工事業法施行規則第10条は、「法第十六条の規定により登録簿の謄本の交付または閲覧を請求しようとする者は、様式第十四による請求書を経済産業大臣または都道府県知事に提出しなければならない」と定めています。
登録電気工事業者の住所・名称・電話番号は、情報公開法に基づく情報公開請求の対象外です。ただし同じ情報でも、電気工事業法第16条に基づく登録簿謄本の請求を利用すれば開示を受けられます(経済産業省「電気工事業法に関するQ&A」Q20)。
請求先は、その業者を登録した行政庁です。登録番号の頭書き(「経済産業大臣登録第◯◯号」「◯◯産業保安監督部長登録第◯◯号」「◯◯都・道・府・県知事登録第◯◯号」)から、どの行政庁が登録行政庁かを読み取れます(登録番号の付番方法は電気工事業の登録証とはで整理しています)。手数料の不明点は、登録している行政庁へ照会してください(同Q&A Q19)。
登録番号や登録年月日が分からないまま請求書を出すことはできない行政庁があります。神奈川県は「請求には登録番号と登録年月日が必要」と案内しています(2026年10月13日確認)。番号が手元にないときは、次の順に進めます。
- 見積書・契約書・請求書、営業所や現場の標識、業者のホームページで、登録番号と登録年月日を探す。
- 見つからなければ、業者本人に番号と登録年月日を尋ねる。標識に書かれた番号の頭書きから、登録行政庁も分かる。
- それでも分からないときは、登録しているはずの行政庁に、番号なしで請求や照会ができるかを問い合わせる(案内ページには番号なしの請求方法の記載がありません)。
標識に書かれた番号・届出先・通知先を手がかりにする
営業所・施工場所に掲示されている標識には、登録電気工事業者なら登録番号、みなし登録電気工事業者なら届出先、通知・みなし通知電気工事業者なら通知先が記載欄として設けられています。標識の記載事項・様式は電気工事業者の標識の記載事項・掲示場所・様式で整理しています。
取引先が登録電気工事業者を名乗る場合は、標識に書かれた登録番号の頭書き(「経済産業大臣登録第◯◯号」等)から登録行政庁を特定し、前節の請求手続きで登録簿の謄本・閲覧を請求すれば、標識の記載内容が実際の登録内容(登録番号・登録年月日・氏名または名称等)と一致するかを照合できます。
みなし登録電気工事業者・通知電気工事業者・みなし通知電気工事業者の標識は、番号ではなく届出先・通知先の記載にとどまります。これらの区分には次の見出しで整理する通り第16条の登録簿閲覧の制度がないため、標識の届出先・通知先を手がかりに、その行政庁へ通知書・届出受理書の写しの提示を求める、または直接照会する方法で確認します。
業者のホームページに載せる標識の内容(登録番号の見方)
埼玉県は、消費者から「電気工事業者を仲介するウェブサイト等で紹介されている業者が適法な電気工事業者かの確認の問合せ」が増えているとして、標識と同じ内容を自社のホームページ等にも載せるよう業者へ協力を求めています(埼玉県「標識内容のホームページ等での掲載について(協力依頼)」、2026年10月7日確認)。ホームページに載っていれば、請求の前に登録番号や登録年月日を見比べられます。載せることは法律上の義務ではなく協力依頼です。
| 区分 | 番号の書き方 | ほかの記載項目 |
|---|---|---|
| 登録 | 「◯◯県知事登録第◯◯号」と登録年月日 | 氏名・名称、代表者、営業所の名称、電気工事の種類、主任電気工事士等の氏名 |
| 届出(みなし登録) | 「◯◯県知事届出第◯◯号」と届出年月日 | 登録と同じ項目 |
| 通知 | 「◯◯県知事通知第◯◯号」と通知年月日 | 氏名・名称、代表者、営業所の名称 |
| みなし通知 | 「◯◯県知事み通第◯◯号」と通知年月日 | 通知と同じ項目 |
番号の書き方は埼玉県の例です。他の都道府県の書式は、その行政庁の案内で確認してください。ホームページの記載と登録簿の内容が一致するかを確かめるには、前節の謄本・閲覧の請求を使います。
通知電気工事業者には同じ閲覧制度がない
登録簿の謄本・閲覧を請求できる区分と、それに代わる確認方法を分けて確認します。
| 区分・根拠 | 制度・案内の内容 | 確認する範囲 |
|---|---|---|
| 登録電気工事業者 | 第16条の登録電気工事業者登録簿について、謄本交付・閲覧を請求できます。 | 前節の様式第14によって、その業者の登録行政庁へ請求します。 |
| 通知電気工事業者 | 上記の謄本交付・閲覧請求権(第16条)は「登録電気工事業者登録簿」に限定されており、通知電気工事業者について同様の閲覧制度を定めた条文は電気工事業法にありません。通知電気工事業者が事業内容の変更・廃止をした場合の通知義務(第17条の2第4項)は第10条第1項(変更の届出)・第11条(廃止の届出)を準用しますが、この準用規定に第16条は含まれていません。 | 取引先が通知電気工事業者を名乗る場合、登録電気工事業者のような謄本交付・閲覧の請求はできないため、通知書の写しの提示を求める、または営業所を管轄する行政庁(都道府県知事または経済産業大臣、産業保安監督部)へ確認する方法によることになります。提出先の考え方は複数営業所がある場合の電気工事業の提出先で整理しています。 |
| みなし登録・みなし通知電気工事業者 | 建設業許可を根拠に登録・通知の手続きを経ずに事業を営める「みなし登録電気工事業者」「みなし通知電気工事業者」についても、第16条の登録簿謄本の交付・閲覧請求はできません。電気工事業法第34条第1項は、第16条を含む第二章の規定を建設業法上の建設業者には適用しないと定めており、みなし登録電気工事業者(同条第2項)・みなし通知電気工事業者(同条第3項)はいずれもこの適用除外を前提に成立する区分です。経済産業省のQ&Aも「みなし電気工事業者」に関する登録簿謄本の手続きは定められていないので交付できません(法第16条の請求の対象外)と回答しています(経済産業省「電気工事業法に関するQ&A」Q18)。 | 取引先が「みなし登録」「みなし通知」を名乗る場合は、登録簿の謄本・閲覧に代えて、その前提となる建設業許可の有無を取引先の建設業許可の有無を確認する方法で確認する方法によることになります。 |
経済産業省の逐条解説は、自家用電気工作物のみを扱う事業者について登録でなく通知を採用した理由を、「自家用電気工作物の場合、その設置者は電気事業法の規定により電気保安の監督者たる電気主任技術者を選任……しており、依頼する電気工事について自らが適格な電気工事業者を選定することが可能であることから、あえて行政庁においてすべての電気工事業者の適格性をあらかじめチェックしておく必要性に乏しい」と説明しています(経済産業省「電気工事業法に関する逐条解説」第17条の2解説)。この制度趣旨が、通知電気工事業者について公的な閲覧制度が設けられていない背景と考えられます。
なぜ確認が必要か(施工できるのは登録業者のみ)
電気工事業者は、請け負った電気工事を、その電気工事に係る電気工事業を営む電気工事業者でない者に請け負わせてはなりません(同法第22条)。電気工事の請負契約自体は電気工事業者でなくても結べますが、その電気工事を実際に施工できるのは電気工事業者だけです(経済産業省「電気工事業法に関する逐条解説」第22条解説)。この請負制限の詳しい内容は電気工事業の登録・通知が不要なケースの境界で整理しています。
発注する側の視点では、下請に出す相手が本当に登録電気工事業者かどうかを、名乗りや口頭の説明だけで判断せず、登録簿の謄本・閲覧で確認できます。取引先が主張する登録番号・登録年月日が実際の登録内容と一致するかも、この請求を通じて確認できます。
登録が消除された場合でも、消除前に締結した請負契約の電気工事は元の登録電気工事業者またはその一般承継人が引き続き施工できますが、消除後遅滞なく注文者へその旨を通知する義務があり、注文者は通知を受けた日から30日以内に限りその請負契約を解除できます(同法第17条)。取引先の登録が既に消除されていないかを事前に確認しておく意味は、この30日の解除期限に頼らずに済む点にもあります。消除後の継続施工・通知義務・解除権の詳細は電気工事業の登録証とは(訂正・再交付・返納)で整理しています。
個人の電気工事士は名前で検索できるか
電気工事士法には、電気工事業法第16条のように、誰でも謄本の交付や閲覧を請求できると定めた条文がありません。電気工事士法の本則37条を「閲覧」の語で調べても該当する条はなく、個人の氏名から免状の有無を調べる公的な検索の仕組みは、この法律に見当たりません。この記事で扱う登録簿は、事業者(登録電気工事業者)を対象にした制度です。
| 確かめたいこと | 根拠と考え方 |
|---|---|
| 免状を交付する行政庁 | 電気工事士免状は都道府県知事が交付します(電気工事士法第4条第2項)。個人について問い合わせる場合の窓口は、交付した都道府県です。 |
| 作業する人が免状を持っているか | 電気工事士は、電気工事の作業に従事するとき、電気工事士免状などを携帯していなければなりません(同法第5条第2項)。 |
| 事業者としての体制 | 登録電気工事業者の標識には、主任電気工事士等の氏名を書く欄があります(前節の標識の表)。個人の資格ではなく、事業者の登録を確認するのが前節までの方法です。 |
氏名による照会に行政庁が応じるかどうかは、この記事では確認できていません。個人の資格の確認が必要な場面でも、相手を調べて特定する方法を探すより、事業者の登録を謄本・閲覧で確かめたうえで、免状の提示を相手に求める形が現実的です。個人情報の取り扱いは、交付した都道府県の窓口に確認してください。
登録確認のよくある質問(本文のまとめ)
取引先でなくても、登録簿の謄本・閲覧を請求できますか。
電気工事業法第16条は「何人も」請求できると定めています。請求先は、その業者を登録した経済産業大臣または都道府県知事で、様式第14の請求書を提出します。
国土交通省の建設業者検索システムで、登録電気工事業者を確認できますか。
できません。同システムの対象は案内ページが定める12業種で、電気工事業法に基づく登録電気工事業者は含まれません。登録簿の謄本・閲覧で確認します。
通知電気工事業者や、みなし登録・みなし通知の業者も、登録簿で確認できますか。
できません。第16条の請求は登録電気工事業者登録簿に限られます。標識に書かれた届出先・通知先の行政庁へ、通知書や届出受理書の内容を確認します。
謄本・閲覧に手数料はかかりますか。
経済産業大臣宛の請求には、謄本が1枚820円、閲覧が1回710円(電子申請等は610円・430円)かかります。都道府県知事宛の額は各都道府県で異なる場合があり、宮城県・福島県・大阪府・神奈川県は謄本が600円、閲覧が440円です。ほかの都道府県は各登録行政庁で確認してください。
公式窓口で確認する事項
無登録営業や請負制限違反に対する行政措置・刑事罰は、電気工事業法の監督処分と罰則で確認できます。取引先の建設業許可の有無を確認する方法は取引先の建設業許可の有無を確認する方法で整理しています。登録後に営業所へ備える帳簿の記載事項と保存期間は電気工事業の帳簿に記載する6項目と5年保存で確認できます。
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。謄本・閲覧の具体的な請求手続き(様式・提出先)は所轄行政庁または経済産業省の公式資料で最終確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。