公式資料をもとに整理
電気工事に関する苦情の処理のあっせん制度(電気工事業法第33条)
電気工事に関して電気工事業者と注文者との間で苦情が生じた場合、経済産業大臣または都道府県知事があっせん等に努める制度があります。対象になる苦情の内容と、あっせん等に含まれるもの・含まれないものを、電気工事業法第33条から整理します。
公開日: 2026-08-13 / 最終更新: 2026-09-24 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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条文が定める、あっせん等の対象
e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」第33条は、経済産業大臣または都道府県知事に対し、登録を受けた登録電気工事業者、または通知をした通知電気工事業者と、注文者との間の電気工事に関して生じた苦情の処理のあっせん等に努めなければならないと定めています。
条文の文言は「あっせん等に努めなければならない」という努力義務であり、行政庁に苦情処理を義務付けたものではありません。経済産業省の「電気工事業法の逐条解説」は、あっせん等の対象になる場面の例として、一般需要家である注文者が比較的簡単な電気工事を依頼したにもかかわらず、電気工事業者が正当な理由なくその依頼に応じなかったことについて苦情の申立てがあった場合を挙げています。この場合、行政庁は両者の言い分を聴いて工事着手を勧奨する、または他の電気工事業者を紹介するといった対応を行うとされています。
「注文者」の範囲
逐条解説は、条文にいう「注文者」について、第一義的には一般需要家である注文者をいうとしています。
注文者が下請発注した建設業者である場合は、建設業者間の問題であり、この制度の目的から逸脱することが多いと考えられています。元請・下請の間で生じた契約上のトラブルは、この条文が想定するあっせん等の対象になりにくい点に注意してください。建設業者間の請負契約に関する紛争は、建設業法の建設工事紛争審査会(あっせん・調停・仲裁)が対象になり得ます。
みなし登録・みなし通知電気工事業者も対象
建設業許可を持つ事業者は、みなし登録電気工事業者またはみなし通知電気工事業者として、電気工事業法の規定の適用を受けます(第34条第2項・第3項)。適用が除かれるのは、第34条第1項に挙がる第2章(登録等)と第28条の登録取消しに係る部分だけです。第33条はその除外に含まれません。
そのため、みなし登録電気工事業者・みなし通知電気工事業者と注文者との間の苦情も、通常の登録・通知電気工事業者と同様にあっせん等の対象になります。建設業許可の有無による区分の切替は建設業許可を取得した後の電気工事業の扱いで整理しています。
「あっせん等」に含まれるもの・含まれないもの
逐条解説は、「あっせん等」の内容を、あっせん、助言、勧告、指導等をいうと説明しています。
一方、調停・仲裁はこの「あっせん等」に含まれません。行政庁による対応は当事者間の話し合いを促す性質のもので、法的な拘束力を持つ判断を下す手続きではない点に留意してください。
対象・対象外の一覧表
ここまでの内容を、苦情の当事者・事業者区分・あっせん等の内容の3つの軸で整理します。
| 区分 | 対象・含まれる | 対象になりにくい・含まれない |
|---|---|---|
| 苦情の当事者 | 登録・通知電気工事業者と、一般需要家である注文者との間の苦情 | 元請・下請の建設業者間で生じた契約上のトラブル |
| 事業者区分 | みなし登録・みなし通知電気工事業者(第34条第2項・第3項が第33条を適用除外していない) | ー |
| あっせん等の内容 | あっせん、助言、勧告、指導 | 調停、仲裁 |
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。実際に苦情の申立てを行う場合は、登録・通知先の経済産業大臣(産業保安監督部)または都道府県知事の窓口へ確認してください。
取引先の登録の有無の確認手順は取引先が登録電気工事業者かを確認する方法、登録取消し・事業停止などの監督処分と罰則は電気工事業法の監督処分と罰則で整理しています。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。