公式資料をもとに整理
電気工事業登録・通知の更新・変更・廃止の手続き
登録・通知後は、有効期間の更新、届出事項の変更、事業の廃止や承継のたびに、期限内の手続きが必要です。更新を申請しないまま期限を過ぎた場合は従前の登録が失効し、通常の更新ではなく新規登録が必要です。ここでは期限に加え、みなし登録・みなし通知で使う変更・廃止様式まで区分別に整理します。
公開日: 2026-08-06 / 最終更新: 2026-08-31 / 制度確認日: 2026-07-26
手続き期限の一覧
区分と手続きの組合せで期限が異なります。詳しい根拠条文は各節で整理しています。
| 手続き | 対象区分 | 期限 |
|---|---|---|
| 更新 | 登録電気工事業者のみ | 有効期間(5年)の満了まで |
| 変更の届出 | 登録電気工事業者・通知電気工事業者 | 変更の日から30日以内 |
| 廃止の届出 | 登録電気工事業者・通知電気工事業者 | 廃止の日から30日以内 |
| 事業承継の届出 | 登録電気工事業者(通知電気工事業者は明文規定なし) | 承継の日(相続は開始を知った日)から30日以内 |
| 開始・変更・廃止の届出 | みなし登録電気工事業者・みなし通知電気工事業者 | 遅滞なく |
登録電気工事業者だけにある5年の更新
登録電気工事業者の登録の有効期間は5年です。引き続き事業を営む場合は、期間満了までに更新の登録を受ける必要があります(e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」第3条第2項・第3項)。この5年更新は登録系だけの制度で、通知電気工事業者の通知に有効期間はありません。
更新の申請をしても期間満了日までに登録または拒否の処分がなされない場合、従前の登録は処分がなされるまでその効力を保ちます。更新の登録がされたときは、新しい有効期間は従前の期間満了日の翌日から起算します(同法第3条第4項・第5項)。
期間満了後も効力が続くのは、満了前に更新申請をしていて、その処分がまだ出ていない場合です。更新申請をしないまま5年の有効期間を過ぎると従前の登録は失効し、期限後は新規登録申請が必要です。再登録前は施工を継続できません(経済産業省「電気工事業者の更新登録」、関東東北産業保安監督部「更新登録申請を行う場合」)。
経済産業大臣に更新の登録の手続きを行う場合、手数料は一件につき14,400円、電子申請等による場合は11,800円です(同法第32条第1項第1号、e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律施行令」第1条)。同条は「経済産業大臣に対して手続を行おうとする者に限る」と手数料の対象を限定しており、都道府県知事へ更新の手続きを行う場合の手数料はこの規定の対象外です。都道府県知事宛の手数料は都道府県ごとに条例で定められるため、本記事では扱いません。
登録日を入力すると、次回更新の期間満了日の目安を表示します。
この計算は目安であり、実際の期間満了日・更新申請の受理可否は登録証・登録簿の記載および所轄行政庁の確認が優先します。入力した日付はこの画面の外へ保存・送信されません。
この計算だけを単独のページで使いたい場合は登録電気工事業者の更新期限を計算するでも確認できます。建設業許可を保有している場合、許可自体にもこれとは別の5年更新(満了30日前までの申請)があります。混同しやすい2つの更新期限の違いは電気工事業で取得した建設業許可の更新手続きで整理しています。
変更の届出
登録電気工事業者は、氏名・名称や住所、営業所の名称・所在地・工事の種類、法人の役員、主任電気工事士の氏名など、登録申請書の記載事項(同法第4条第1項各号)に変更があったときは、変更の日から30日以内に、登録をした経済産業大臣または都道府県知事へ届け出ます。登録証の記載事項に変更がある場合は、登録証を添えて訂正を受けます(同法第10条)。
登録証の記載事項と再交付・返納は登録証とはで整理しています。営業所の増減で提出先の行政庁が変わる場合の扱いは複数営業所がある場合の電気工事業の提出先で整理しています。
通知電気工事業者も、通知した事項に変更があったときは、同じく30日以内に届け出ます。根拠は登録電気工事業者向けの第10条の規定を通知電気工事業者に読み替えて適用する形です(同法第17条の2第4項)。
通常の通知電気工事業者が使う様式
| 手続き | 様式 | 期限・提出先 |
|---|---|---|
| 通知行政庁の変更 | 様式第14の3 | 新たな所轄への開始通知後、遅滞なく経済産業大臣または従前の通知をした都道府県知事へ |
| 通知事項の変更 | 様式第14の4 | 変更日から30日以内に、元の通知先へ。法人役員の変更では第6条第1項第1号〜第4号に該当しない旨の誓約書も添付 |
| 廃止の通知 | 様式第14の5 | 廃止日から30日以内に、開始通知をした経済産業大臣または都道府県知事へ |
通知行政庁の変更は、様式第14の3だけで完結する手続きではありません。営業所の配置が変わって新たな所轄となる場合は、まず新たな行政庁へ開始通知を行い、その後に従前の通知先へ通知します(同法第17条の2第2項・第3項)。
ただし、通知電気工事業者が一般用電気工作物等の工事も手がけるようになった場合は、この変更届の対象ではありません。通知電気工事業者でいられるのは自家用電気工作物のみを扱う場合に限られるため、この前提が変わると登録の対象になります。詳しくは通知電気工事業者が一般用電気工作物等を扱うようになった場合の登録への切替で整理しています。
変更の内容によって、追加で必要になる添付書類が異なります。経済産業省の「登録事項等の変更届出」は、次のとおり案内しています。
| 変更の内容 | 追加で必要になる添付書類 |
|---|---|
| 法人役員の変更 | 誓約書(役員に関するもの) |
| 主任電気工事士等の変更 | 誓約書(主任電気工事士に関するもの)、主任電気工事士の従業員証明書、実務経験を証する書面(電気工事士免状の写し等。第二種電気工事士は実務経験証明書もあわせて必要) |
| 営業所の新設・工事区分の変更 | 備付器具明細書(対象となる営業所ごとに作成) |
| 氏名・名称・住所、電気工事の種類の変更 | 登録証(記載事項の訂正を受けるため添える) |
登録証の記載内容が変わる変更(氏名・名称・住所、電気工事の種類)には手数料が必要です。経済産業大臣へ届け出る場合は2,150円、都道府県知事へ届け出る場合は各都道府県の条例による標準額2,200円です。登録証の記載内容が変わらない変更(営業所の名称変更等)に手数料はかかりません。
廃止の届出
登録電気工事業者は電気工事業を廃止したときから30日以内に、通知電気工事業者も同様に30日以内に、それぞれ届け出ます(同法第11条、第17条の2第4項)。
経済産業省の「電気工事業法に関する逐条解説」は、登録電気工事業者が死亡して相続人が相続を放棄した場合と、法人である登録電気工事業者が解散した場合には、第11条の廃止届は不要と説明しています。事業を自ら廃止する場合と、相続放棄・法人解散の場合を同じ手続きとして扱わない点に注意が必要です。
「廃止」とは、将来再開の予定がなく電気工事業の全部を止めることです。同逐条解説は、複数の営業所のうち1カ所だけを止める場合は「事業の廃止」ではなく「事業の縮小」に当たり、第10条の変更届の対象になると説明しています(2カ所の営業所が異なる都道府県にまたがる場合は、単純な変更届ではなく新たな登録が必要になります)。将来再開する意志を持って一時的にやめる場合は「休止」であり、廃止にも縮小にも当たりません。
個人事業主の場合、この電気工事業法上の廃止届とは別に、税務署への届出も必要です。所得税として事業所得等を生ずべき事業を廃止した場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書」を、廃止の事実があった日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに、納税地の所轄税務署長へ提出します(所得税法第229条、国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」)。
この届出書は事業を開始するときに提出するものと同じ様式・同じ条文(第229条)に基づき、廃業の場合にも使用します。開業時の届出との関係は開業届と電気工事業登録・通知の違いで整理しています。
事業を譲り受けた・相続したときの承継
登録電気工事業者の事業の全部を譲り受けた、相続した、合併・分割で承継したという場合、承継した人や法人は登録電気工事業者としての地位をそのまま引き継ぎます。届出は、承継の日(相続なら開始を知った日)から30日以内です(同法第9条第1項・第3項)。ただし承継者が登録の欠格事由に該当するときは、地位を引き継ぎません(欠格事由の内容は電気工事業の登録を拒否される場合で整理しています)。
この承継の規定は、登録電気工事業者について定められたもので、通知電気工事業者の承継を明文で定めた規定は、電気工事業法・同法施行規則のいずれにも見当たりません。通知電気工事業者の事業承継を検討する場合は、この点を含めて所轄行政庁に確認してください。
個人事業主から法人へ事業主体を変える場合も、単なる名称変更とは限りません。法人化に伴う登録上の扱いは、個人事業主が法人成りした場合の手続きで整理しています。
相続・事業譲渡・合併・分割ごとの承継要件と30日以内の届出は、電気工事業登録の承継で詳しく確認できます。
みなし登録・みなし通知は届出期限が異なる
建設業許可を受けた建設業者がみなし登録電気工事業者・みなし通知電気工事業者として電気工事業を開始する場合、開始の届出・通知に加え、届出・通知事項の変更や事業の廃止も届出・通知の対象です。ただし期限は「変更の日から30日以内」ではなく「遅滞なく」です(同法第34条第4項・第5項)。
登録電気工事業者・通知電気工事業者の30日以内という期限と、みなし系の「遅滞なく」という期限は、同じ変更・廃止でも扱いが異なります。登録電気工事業者が建設業許可を取得した場合にみなし規定へ切り替わる詳しい経緯は建設業許可を取得した後の電気工事業の扱いで整理しています。
みなし登録とみなし通知では、使用する様式も分かれます。電気工事業法施行規則第24条〜第27条が定める対応は次のとおりです(e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則」)。
| 区分 | 変更 | 廃止 |
|---|---|---|
| みなし登録電気工事業者 | 様式第19の変更届出書 | 様式第20の廃止届出書 |
| みなし通知電気工事業者 | 様式第22の変更通知書 | 様式第23の廃止通知書 |
みなし登録電気工事業者では、建設業許可を通常どおり更新した場合も様式第19の対象です。経済産業省「電気工事業法に関するQ&A」は、更新後に遅滞なく、現在の届出先へ変更届出書を出す必要があると案内しています。これはみなし登録電気工事業者の扱いであり、みなし通知電気工事業者の様式第22とは混同しないでください。
みなし登録電気工事業者が法第34条第4項に基づく変更届出をする場合、変更届出に対する受理通知は発行されません。経済産業省の「電気工事業法に関するQ&A」で案内されています。提出済みの確認方法や控えの扱いは、提出先の現行案内を確認してください。
みなし登録の変更で営業所を新設する場合や主任電気工事士等を変更する場合は、施行規則第24条第2項各号の添付書類も必要です。都道府県知事に提出する手続について、都道府県の条例・規則に別段の定めがある場合は、その範囲で扱いが異なることがあるため、提出前に所轄行政庁の現行様式と添付書類を確認してください(同規則第28条)。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。届出書の様式、添付書類、承継の可否は所轄行政庁または経済産業省の公式資料で、税務署への届出は所轄の税務署の公式資料で最終確認してください。
まだ新規開業前で区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、区分ごとの手続きの目安を表示できます。