公式資料をもとに整理

みなし通知電気工事業者とは(対象・要件・手続きの一覧)

みなし通知電気工事業者とは、建設業許可を受けた建設業者が、自家用電気工作物のみに係る電気工事業を営む場合に、事前の通知をしなくても通知電気工事業者とみなされる区分です。電気工事業法第34条にもとづく制度で、通常の通知(第17条の2)とは異なり、事業を開始したときの通知が必要になります。

公開日: 2026-09-09 / 最終更新: 2026-09-09 / 制度確認日: 2026-07-26

みなし通知電気工事業者の定義

e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」第34条第1項は、電気工事業法第2章(登録等、第3条〜第18条)及び第28条中登録の取消しに係る部分の規定を、建設業法第2条第3項に規定する建設業者には適用しないと定めています。同条第3項は、この建設業者であって自家用電気工事のみに係る電気工事業を営むものについて、同項に掲げる規定を除き、経済産業大臣又は都道府県知事に第17条の2第1項の規定による通知をした通知電気工事業者とみなして電気工事業法を適用すると定めています。

つまりみなし通知電気工事業者になるのは、建設業許可を受けた建設業者が、自家用電気工作物のみに係る電気工事業を営む場合です。一般用電気工作物等を含む工事も扱う場合は、第34条第2項によりみなし登録電気工事業者になります。みなし登録電気工事業者の定義・要件・手続きはみなし登録電気工事業者とは(要件・手続き・義務の一覧)、通常の通知電気工事業者(建設業許可を持たない事業者)の定義・要件は通知電気工事業者とは(対象・要件・手続きの一覧)で整理しています。工事範囲を後から変更した場合の区分の切替はみなし登録電気工事業者・みなし通知電気工事業者が扱う工事範囲を変更した場合の区分再切替で確認できます。

通知電気工事業者との違い

第34条第1項により電気工事業法第2章(登録等)の規定は建設業者に適用されないため、みなし通知電気工事業者には、通常の通知電気工事業者が行う「事業を開始しようとする日の10日前まで」の事前通知(第17条の2第1項)は課されません。建設業許可の取得・維持が、この事前の適格性確認に代わります。

主任電気工事士の設置義務(第19条)は、通常の通知電気工事業者と同じく、みなし通知電気工事業者にもありません。第19条第1項が設置を求める対象を「登録電気工事業者」に限定しているためで、これはみなし登録電気工事業者とみなし通知電気工事業者を区別する要件と同じ考え方です。一方、器具の備付け(第24条)、標識の掲示(第25条)、帳簿の備付け(第26条)は、通知電気工事業者と同じくみなし通知電気工事業者にも適用されます。

開始通知の記載事項

第34条第5項は、建設業者が自家用電気工事のみに係る電気工事業を開始したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣又は都道府県知事に通知しなければならないと定めています。e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則」第26条は、様式第21による通知書に次の事項を記載するとしています。

  1. 氏名又は名称及び住所(法人は代表者の氏名)
  2. 建設業法第3条第1項の許可を受けた年月日及び許可番号
  3. 電気工事業を開始した年月日
  4. 電気工事業を営む営業所の名称及び所在の場所

みなし登録電気工事業者の開始届出(様式第18)と異なり、工事の種類や主任電気工事士等に関する記載事項はありません。これは、みなし通知電気工事業者に主任電気工事士の設置義務がないことに対応しています。なお、電気工事業法施行規則第26条には、開始通知書に添付書類を求める規定は見当たりません(みなし登録電気工事業者の開始届出には施行規則第24条第2項の添付書類の定めがあります)。提出先は営業所の配置により経済産業大臣又は都道府県知事に分かれ、複数営業所がある場合の判定は複数営業所がある場合の電気工事業の提出先で整理しています。

通知後に確認する義務

標識は、通常の通知電気工事業者が使う様式第15の2ではなく、みなし通知電気工事業者専用の様式第16の2を使用します(施行規則第12条第4項)。記載事項も「第17条の2第1項の規定による通知の年月日及び通知先」ではなく、第34条第5項の規定による通知の年月日及び通知先に読み替えられます。器具の備付け・帳簿の備付け・5年間保存の内容自体は通知電気工事業者と同じです。通知後に確認する義務の一覧は電気工事業登録後に確認する義務(主任電気工事士・標識・帳簿)でまとめて確認できます。

変更・廃止の通知

施行規則第27条第1項は、開始通知の記載事項(氏名・許可年月日・許可番号・営業所)に変更があったときは様式第22による通知書を、同条第2項は電気工事業を廃止したときは様式第23による通知書を提出すると定めています。開始通知と同じく、期限は「変更の日から30日以内」ではなく「遅滞なく」です(第34条第5項)。みなし登録電気工事業者の変更・廃止届出(様式第19・様式第20)との対比を含む扱いは電気工事業登録・通知の更新・変更・廃止の手続きで整理しています。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。

自社が建設業法上の「建設業者」に該当するか、みなし通知電気工事業者の対象になるか、通知の様式は、通知先を管轄する都道府県(または経済産業大臣への通知窓口)へ確認してください。都道府県ごとに窓口・様式・審査期間が異なる場合があります。

自分の予定する工事が4区分のどれに当たるか分からない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、確認が必要な項目を分けて表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。