公式資料をもとに整理

みなし登録電気工事業者とは(要件・手続き・義務の一覧)

みなし登録電気工事業者とは、建設業許可を受けた建設業者が、一般用電気工作物等を含む電気工事業を営む場合に、登録を受けなくても登録電気工事業者とみなされる区分です。電気工事業法第34条にもとづく制度で、登録申請の代わりに、事業を開始したときの届出が必要になります。

公開日: 2026-09-09 / 最終更新: 2026-09-09 / 制度確認日: 2026-07-26

みなし登録電気工事業者の定義

e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」第34条第1項は、電気工事業法第2章(登録等、第3条〜第18条)及び第28条中登録の取消しに係る部分の規定を、建設業法第2条第3項に規定する建設業者には適用しないと定めています。同条第2項は、この建設業者であって電気工事業を営むもの(自家用電気工事のみに係る電気工事業を営むものを除く)について、前項に掲げる規定を除き、第3条第1項の登録を受けた登録電気工事業者とみなして電気工事業法の規定を適用すると定めています。

つまりみなし登録電気工事業者になるのは、建設業許可を受けた建設業者が、一般用電気工作物等を含む電気工事を扱う場合です。自家用電気工作物のみを扱う建設業者は、第34条第3項によりみなし通知電気工事業者になります。通常の登録電気工事業者(建設業許可を持たない事業者)の定義・要件は登録電気工事業者とは(要件・手続き・確認する義務の一覧)で整理しています。工事範囲を後から変更した場合の区分の切替はみなし登録電気工事業者・みなし通知電気工事業者が扱う工事範囲を変更した場合の区分再切替で確認できます。

登録電気工事業者との違い

第34条第1項により電気工事業法第2章(登録等)の規定は建設業者に適用されないため、みなし登録電気工事業者には、登録申請書の提出、欠格事由(第6条)の審査、5年ごとの更新登録(第3条第2項・第3項)といった登録の手続きそのものが課されません。建設業許可の取得・維持が、これらの手続きに代わります。

一方、第34条第2項は「前項に掲げる規定を除き」電気工事業法の規定を適用すると定めているため、第2章以外の規定は登録電気工事業者と同じく適用されます。営業所ごとの主任電気工事士の設置(第19条)、測定器具の備付け(第24条)、標識の掲示(第25条)、帳簿の備付け・保存(第26条)は、みなし登録電気工事業者にもそのまま課される義務です。

開始届出の記載事項・添付書類

第34条第4項は、建設業者が電気工事業を開始したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣又は都道府県知事に届け出なければならないと定めています。e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則」第24条第1項は、様式第18による届出書に次の事項を記載するとしています。

  1. 氏名又は名称及び住所(法人は代表者の氏名)
  2. 建設業法第3条第1項の許可を受けた年月日及び許可番号
  3. 電気工事業を開始した年月日
  4. 営業所の名称及び所在地並びに当該営業所の業務に係る電気工事の種類
  5. 主任電気工事士等の氏名並びに交付を受けた電気工事士免状の種類及び交付番号

同条第2項は、届出書に次の書類を添付するとしています。

  1. 主任電気工事士等が電気工事業法第6条第1項第1号から第4号までに該当しない者であることを誓約する書面
  2. 主任電気工事士等が、第一種電気工事士免状の交付を受けている場合はその証明書面、第二種電気工事士免状の交付を受けた後3年以上の実務経験を有する場合はその証明書面
  3. 主任電気工事士等(届出者本人を除く)が届出者の役員又は従業員であることを証する書面

通常の登録申請と異なり、届出者本人(建設業者)が欠格事由に該当しないことを誓約する書面や、届出者が法人である場合の登記事項証明書は、届出書の添付書類として定められていません。審査は建設業許可の要件で行われ、届出は主任電気工事士等の要件確認が中心になります。提出先は、営業所の配置により経済産業大臣又は都道府県知事に分かれ、通常の登録と同じ考え方です。複数営業所がある場合の判定は複数営業所がある場合の電気工事業の提出先で整理しています。電子申請の操作手順は保安ネットのみなし登録届出の操作手順(開始・変更・廃止)で確認できます。

開始後に確認する義務

標識は、通常の登録電気工事業者が使う様式第15ではなく、みなし登録電気工事業者専用の様式第16を使用します(施行規則第12条第3項)。記載事項も「登録の年月日及び登録番号」ではなく「届出の年月日及び届出先」に読み替えられます。主任電気工事士の設置、測定器具の備付け、帳簿の備付け・5年間保存の内容自体は登録電気工事業者と同じです。開始後に確認する義務の一覧は電気工事業登録後に確認する義務(主任電気工事士・標識・帳簿)でまとめて確認できます。

変更・廃止の届出

施行規則第25条第1項は、開始届出の記載事項(氏名・許可年月日・許可番号・営業所・主任電気工事士等)に変更があったときは様式第19による届出書を、同条第2項は電気工事業を廃止したときは様式第20による届出書を提出すると定めています。開始届出と同じく、期限は「変更の日から30日以内」ではなく「遅滞なく」です(第34条第4項)。様式ごとの詳しい扱いは電気工事業登録・通知の更新・変更・廃止の手続きで整理しています。開始届出時に受け取る受理通知書の性質(登録証との違い、再交付・返納の扱い)は電気工事業の登録証とはで確認できます。

通常の登録との関係

第34条第6項は、登録電気工事業者が建設業法第2条第3項に規定する建設業者となったときは、その登録は効力を失うと定めています。建設業許可を新たに取得した登録電気工事業者は、通常の登録からみなし登録電気工事業者へ切り替わります。この切替の具体的な流れは建設業許可を取得した後の電気工事業の扱いで整理しています。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。

自社が建設業法上の「建設業者」に該当するか、みなし登録電気工事業者の対象になるか、届出の様式・添付書類は、届出先を管轄する都道府県(または経済産業大臣への届出窓口)へ確認してください。都道府県ごとに窓口・様式・審査期間が異なる場合があります。

自分の予定する工事が4区分のどれに当たるか分からない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、確認が必要な項目を分けて表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。