公式資料をもとに整理
通知電気工事業者とは|できること・要件・手続き
電気工事業法上、通知電気工事業者として営めるのは自家用電気工事だけです。一般用電気工事を扱う場合は、登録区分の手続きが必要です。実際に作業できる人の資格は、電気工事士法で別に確認します。
公開日: 2026-09-08 / 最終更新: 2026-10-15 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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通知電気工事業者にできること・できないこと
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| できること | 自家用電気工作物に係る電気工事(自家用電気工事)のみの電気工事業を営む |
| できないこと | 一般用電気工作物等を含む電気工事を扱う(登録電気工事業者の手続きが必要) |
| 別に確認すること | 実際に作業する人の資格(電気工事士法) |
根拠は電気工事業法第2条第3項と第17条の2第1項です。通知の期限・通知先は通知の要件と手続きで確認できます。
通知電気工事業者の定義
e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」第2条第3項は、「通知電気工事業者」を第17条の2第1項の規定による通知をした者と定義しています。第17条の2第1項は、自家用電気工作物に係る電気工事(自家用電気工事)のみの電気工事業を営もうとする者に、事業を開始する日の10日前までの通知を求め、通知先は営業所が二以上の都道府県にあれば経済産業大臣、一の都道府県内だけなら当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事です。
つまり通知電気工事業者になるのは、自家用電気工作物のみを扱い、一般用電気工作物等を扱わない場合です。一般用電気工作物等を含む電気工事を扱う場合は、通知ではなく登録が必要になります。登録電気工事業者の定義・要件・手続きは登録電気工事業者とは(要件・手続き・確認する義務の一覧)、一般用電気工作物等と自家用電気工作物の具体的な違いは一般用電気工作物等と自家用電気工作物の違いで確認できます。
登録電気工事業者との違いと制度趣旨
経済産業省「電気工事業法の逐条解説」第17条の2の解説は、自家用電気工事のみを営む者について「登録」でなく「通知」を採用した理由を、次のように説明しています。登録制は、電気工事業者として不適格な者をあらかじめ排除し、一般用電気工作物の設置者である一般家庭等の需要家が確実に適格な業者へ依頼できるようにするための制度です。
これに対し自家用電気工作物の設置者は、電気事業法上の電気主任技術者(または保安の監督業務を委託した者)を選任しており、依頼する電気工事について自ら適格な業者を選定することが可能なため、行政庁があらかじめすべての業者の適格性をチェックしておく必要性が乏しいとされています。そのため、事業開始の事実を知らせるだけの「通知」で足りる制度になっています。4区分を一覧表で比較したい場合は電気工事業4区分の比較表で確認できます。
通知の要件と手続き
通知の期限・提出先は次のとおりです。
事業を開始しようとする日の10日前までに通知する
第17条の2第1項が定める期限で、登録のように「登録を受けてから開始する」のではなく、開始予定日から逆算して通知する仕組みです。予定する開始日から通知期限の目安を計算するには通知電気工事業者の提出期限を計算するが使えます。
通知先は営業所の配置で判定する
2以上の都道府県の区域内に営業所を設置する場合は経済産業大臣、1の都道府県の区域内にのみ営業所を設置する場合は当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事です。複数営業所がある場合の考え方は複数営業所がある場合の電気工事業の提出先で整理しています。
逐条解説によれば、通知書の記載事項は氏名または名称・住所(法人は代表者の氏名)、営業所の名称・所在の場所、法人の役員の氏名、電気工事業の開始予定年月日で、添付書類は登録の欠格事由に該当しない旨の誓約書、法人の場合は登記簿謄本です。登録の様式・添付書類との対比を含む一覧は電気工事業の登録・通知に必要な書類と様式の通知の様式・添付書類の節で確認できます。通知者が欠格事由に該当し、業務の適正な実施が確保されないおそれが明らかと認められるときは、第17条の3に基づき、経済産業大臣または都道府県知事が事業開始の延期等を勧告できます(登録の場合の拒否処分とは異なり、勧告にとどまります)。
通知書(様式第14の2)の欄ごとの書き方は通知電気工事業者の開始通知書の書き方と添付書類にあります。添付書類を区分別に確認したい場合は電気工事業の申請書類チェックリストも使えます。
通知後に確認する義務
主任電気工事士の設置義務は、登録電気工事業者とみなし登録電気工事業者に限られ、通知電気工事業者にはありません(第19条、第34条第2項)。第19条第1項が主任電気工事士の設置を求める対象を「登録電気工事業者」と明記しているためです。建設業許可を受けた建設業者が自家用電気工事のみを営む場合の区分(みなし通知電気工事業者)はみなし通知電気工事業者とは(対象・要件・手続きの一覧)で整理しています。
一方、次の6つは、登録電気工事業者・通知電気工事業者・みなし登録電気工事業者・みなし通知電気工事業者の4区分に共通する義務です。
- 作業資格に応じた従事の制限
- 請負わせの制限
- 電気用品の使用制限
- 測定器具の備付け
- 標識の掲示
- 帳簿の備付け
標識は通知電気工事業者専用の様式(様式第十五の二・様式第十六の二)が使われ、記載事項も通知年月日・通知先など登録電気工事業者とは異なります(4区分の標識様式・記載事項の比較)。義務の一覧は電気工事業登録後に確認する義務(主任電気工事士・標識・帳簿)でまとめて確認できます。
通知後に受け取る通知受理通知書と整理番号
通知を受理した行政庁は、通知電気工事業者に整理番号を付した「通知受理通知書」を交付します。経済産業省の「電気工事業の業務の適正化に関する法律の事務処理要領(内規)」5.(2)は、通知事項を通知簿に記載したうえで、登録番号の付け方の例による整理番号(例:東京都知事通知第2019101号)を付した通知受理通知書を交付すると定めています。
通知受理通知書は、登録電気工事業者が受け取る登録証とは別の書面です。内規は通知受理通知書の様式や再交付の扱いを定めていないため、紛失したときの手続は通知先の行政庁の現行の案内で確認してください。
この整理番号は、営業所と施工場所に掲げる標識の「通知先」欄に使います。経済産業省の「電気工事業法に関するQ&A」(問23)は、「通知先」には受理書に記載されている整理番号を記載するよう案内しています。標識の記載事項は登録系7項目・通知系5項目の記載事項の違い、整理番号の呼称の違いは登録証とはで整理しています。
変更・廃止の通知と確認方法の限界
第17条の2第4項は、第10条第1項(変更の届出)と第11条(廃止の届出)を、「届出」を「通知」と読み替えて準用しており、通知事項の変更は前者、電気工事業の廃止は後者の手続です。この準用の対象は第10条第1項・第11条のみで、登録簿の謄本交付・閲覧請求権を定める第16条は含まれません。
つまり、取引先や下請が通知電気工事業者だと名乗った場合、登録電気工事業者のように登録簿の謄本交付・閲覧という公的な確認手段はありません。登録電気工事業者の確認方法との違いは取引先が登録・通知電気工事業者かを検索・確認する方法(登録簿の謄本・閲覧)で整理しています。
登録・通知・みなし通知の比較表
| 項目 | 通知電気工事業者 | 登録電気工事業者 | みなし通知電気工事業者 |
|---|---|---|---|
| 扱える電気工事 | 自家用電気工事のみ | 一般用電気工作物等を含む電気工事を扱う場合に必要 | 建設業許可を受けた建設業者が自家用電気工事のみを営む場合 |
| 手続き | 事業を開始する日の10日前までに通知 | 登録を受けてから開始 | 本記事の範囲外。みなし通知電気工事業者とはで確認 |
| 主任電気工事士の設置義務 | なし | あり(第19条) | なし(設置義務は登録とみなし登録に限られる) |
| 登録簿の謄本・閲覧(第16条) | 対象外 | 何人も請求できる | 対象外 |
みなし登録電気工事業者には、登録電気工事業者と同じく主任電気工事士の設置義務があります(第34条第2項)。
通知電気工事業者のよくある質問(本文のまとめ)
通知電気工事業者は、一般家庭の工事もできますか。
通知電気工事業者として営めるのは自家用電気工事だけです。一般用電気工作物等を含む電気工事を扱う場合は、通知ではなく登録が必要です。
通知はいつまでに、どこへ出しますか。
事業を開始する日の10日前までです。営業所が2以上の都道府県にあれば経済産業大臣、1の都道府県内だけならその営業所を管轄する都道府県知事へ通知します。
通知電気工事業者にも主任電気工事士は必要ですか。
設置義務はありません。第19条第1項が設置を求める対象は登録電気工事業者で、みなし登録電気工事業者にも同じ義務があります。
取引先が通知電気工事業者かを、登録簿で確認できますか。
できません。変更・廃止の規定は準用されますが、登録簿の謄本交付・閲覧を定める第16条は準用の対象外です。通知先の行政庁へ確認します。
第二種電気工事士だけでは自家用電気工事の作業はできない
通知電気工事業者として自家用電気工事を営んでも、現場で作業する人に第一種電気工事士の資格がなければ、自家用電気工作物の電気工事の作業はできません。電気工事士法第3条第1項は、第一種電気工事士でなければ自家用電気工作物に係る電気工事の作業に従事してはならないと定めており、第二種電気工事士に認めているのは、同条第2項の一般用電気工作物等に係る電気工事の作業です。事業者の通知と作業者の資格は別の制度です。
例外として、保安上支障がないと省令で定める軽微な作業や、第一種電気工事士の作業の補助、認定電気工事従事者による電圧600V以下の簡易電気工事があります。どこまでが例外に当たるかは第二種電気工事士が自家用電気工作物の工事で従事できる範囲で条文ごとに整理しています。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。
自分の事業が通知の対象になるか、扱う電気工作物が自家用電気工作物のみに当たるかは、通知前に営業所を管轄する都道府県(または経済産業大臣への通知窓口)へ確認してください。都道府県ごとに窓口・様式が異なる場合があります。
自分の予定する工事が4区分のどれに当たるか分からない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、確認が必要な項目を分けて表示できます。