公式資料をもとに整理

通知電気工事業者とは(対象・要件・手続きの一覧)

通知電気工事業者とは、自家用電気工作物のみに係る電気工事業を営もうとして、経済産業大臣または都道府県知事に事業開始の通知をした事業者です。電気工事業法上の4区分の一つで、登録電気工事業者と異なり「登録」ではなく「通知」の手続きで足ります。

公開日: 2026-09-08 / 最終更新: 2026-09-08 / 制度確認日: 2026-07-26

通知電気工事業者の定義

e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」第2条第3項は、「通知電気工事業者」を第17条の2第1項の規定による通知をした者と定義しています。第17条の2第1項は、自家用電気工作物に係る電気工事(自家用電気工事)のみに係る電気工事業を営もうとする者に対し、事業を開始しようとする日の10日前までに、二以上の都道府県に営業所を設置する場合は経済産業大臣に、一の都道府県内にのみ営業所を設置する場合は当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事に、その旨を通知するよう定めています。

つまり通知電気工事業者になるのは、自家用電気工作物のみを扱い、一般用電気工作物等を扱わない場合です。一般用電気工作物等を含む電気工事を扱う場合は、通知ではなく登録が必要になります。登録電気工事業者の定義・要件・手続きは登録電気工事業者とは(要件・手続き・確認する義務の一覧)、一般用電気工作物等と自家用電気工作物の具体的な違いは一般用電気工作物等と自家用電気工作物の違いで確認できます。

登録電気工事業者との違いと制度趣旨

経済産業省「電気工事業法の逐条解説」第17条の2の解説は、自家用電気工事のみを営む者について「登録」でなく「通知」を採用した理由を、次のように説明しています。登録制は、電気工事業者として不適格な者をあらかじめ排除し、一般用電気工作物の設置者である一般家庭等の需要家が確実に適格な業者へ依頼できるようにするための制度です。

これに対し自家用電気工作物の設置者は、電気事業法上の電気主任技術者(または保安の監督業務を委託した者)を選任しており、依頼する電気工事について自ら適格な業者を選定することが可能なため、行政庁があらかじめすべての業者の適格性をチェックしておく必要性が乏しいとされています。そのため、事業開始の事実を知らせるだけの「通知」で足りる制度になっています。

通知の要件と手続き

通知の期限・提出先は次のとおりです。

  1. 事業を開始しようとする日の10日前までに通知する

    第17条の2第1項が定める期限で、登録のように「登録を受けてから開始する」のではなく、開始予定日から逆算して通知する仕組みです。

  2. 通知先は営業所の配置で判定する

    2以上の都道府県の区域内に営業所を設置する場合は経済産業大臣、1の都道府県の区域内にのみ営業所を設置する場合は当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事です。複数営業所がある場合の考え方は複数営業所がある場合の電気工事業の提出先で整理しています。

逐条解説によれば、通知書の記載事項は氏名または名称・住所(法人は代表者の氏名)、営業所の名称・所在の場所、法人の役員の氏名、電気工事業の開始予定年月日で、添付書類は登録の欠格事由に該当しない旨の誓約書、法人の場合は登記簿謄本です。登録の様式・添付書類との対比を含む一覧は電気工事業の登録・通知に必要な書類と様式の通知の様式・添付書類の節で確認できます。通知者が欠格事由に該当し、業務の適正な実施が確保されないおそれが明らかと認められるときは、第17条の3に基づき、経済産業大臣または都道府県知事が事業開始の延期等を勧告できます(登録の場合の拒否処分とは異なり、勧告にとどまります)。

通知後に確認する義務

主任電気工事士の設置義務は、登録電気工事業者とみなし登録電気工事業者に限られ、通知電気工事業者にはありません(第19条、第34条第2項)。第19条第1項が主任電気工事士の設置を求める対象を「登録電気工事業者」と明記しているためです。

一方、作業資格に応じた従事の制限、請負わせの制限、電気用品の使用制限、測定器具の備付け、標識の掲示、帳簿の備付けは、登録電気工事業者・通知電気工事業者・みなし登録電気工事業者・みなし通知電気工事業者の4区分に共通する義務です。標識は通知電気工事業者専用の様式(様式第十五の二・様式第十六の二)が使われ、記載事項も通知年月日・通知先など登録電気工事業者とは異なります。義務の一覧は電気工事業登録後に確認する義務(主任電気工事士・標識・帳簿)でまとめて確認できます。

変更・廃止の通知と確認方法の限界

第17条の2第4項により、通知事項に変更があった場合は第10条第1項(変更の届出)が、電気工事業を廃止した場合は第11条(廃止の届出)が、それぞれ「届出」を「通知」と読み替えて準用されます。この準用の対象は第10条第1項・第11条のみで、登録簿の謄本交付・閲覧請求権を定める第16条は含まれません。

つまり、取引先や下請が通知電気工事業者だと名乗った場合、登録電気工事業者のように登録簿の謄本交付・閲覧という公的な確認手段はありません。登録電気工事業者の確認方法との違いは取引先が登録・通知電気工事業者かを検索・確認する方法(登録簿の謄本・閲覧)で整理しています。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。

自分の事業が通知の対象になるか、扱う電気工作物が自家用電気工作物のみに当たるかは、通知前に営業所を管轄する都道府県(または経済産業大臣への通知窓口)へ確認してください。都道府県ごとに窓口・様式が異なる場合があります。

自分の予定する工事が4区分のどれに当たるか分からない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、確認が必要な項目を分けて表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。