公式資料をもとに整理

主任技術者・監理技術者の設置義務と兼任特例

建設業許可を受けた建設業者は、請け負った建設工事を施工するとき、工事現場ごとに主任技術者(特定建設業者が発注者から直接請け負う一定規模以上の工事では監理技術者)を置く必要があります。専任配置が必要な工事の範囲、附帯工事を自ら施工する場合の技術者配置、営業所技術者が工事現場の技術者を兼任できる特例を建設業法から整理します。

公開日: 2026-09-10 / 最終更新: 2026-10-16 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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工事現場ごとの主任技術者・監理技術者の設置義務

e-Gov法令検索「建設業法」第26条第1項は、建設業者に対し、請け負った建設工事を施工するときは、当該工事に関し営業所技術者と同じ第7条第2号イ・ロ・ハの要件に該当する者で、当該工事現場における施工の技術上の管理をつかさどる者(主任技術者)を置くことを義務づけています。

発注者から直接請け負った特定建設業者が、下請契約の請負代金の額(2以上あるときはその総額)が政令で定める金額以上になる場合は、主任技術者に代えて、より高い要件(第15条第2号イ・ロ・ハ)を満たす監理技術者を置く必要があります(同条第2項)。この金額基準は5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)です。詳しくは一般建設業と特定建設業の許可区分の違いの特定建設業許可の判定基準(同じ下請契約総額基準)もあわせて確認してください。

専任配置が必要な工事とその例外

金額が同じでも、下請契約の合計額か工事一件の請負代金か、原則の基準か例外の上限かで意味が異なります。次の表は金額条件の比較であり、金額だけで専任の例外や兼任を認めるものではありません。

技術者配置の金額基準と対象金額
確認する制度対象金額と基準建築一式工事根拠・金額以外の条件
監理技術者の設置下請契約の請負代金総額が5,000万円以上8,000万円以上法第26条第2項・施行令第2条。発注者から直接請け負う特定建設業者が対象
工事現場ごとの専任配置工事一件の請負代金が4,500万円以上9,000万円以上法第26条第3項本文・施行令第27条。政令で定める公共性等のある重要な建設工事
専任配置の例外(第1号)工事一件の請負代金が1億円未満2億円未満法第26条第3項第1号・施行令第28条。移動・連絡、情報通信技術の措置と現場数の条件も必要
営業所技術者等の兼任特例工事一件の請負代金が1億円未満2億円未満法第26条の5第1項第2号・施行令第33条。営業所での契約、移動・連絡、情報通信技術、現場数等の条件も確認

金額はe-Gov法令検索「建設業法施行令」の各条を照合したものです。各制度の対象と金額以外の要件は、前後の本文と許可行政庁の案内で確認してください。

公共性のある施設・工作物、または多数の者が利用する施設・工作物に関する重要な建設工事で政令が定めるものについては、主任技術者・監理技術者は工事現場ごとに専任の者でなければなりません(同条第3項本文)。この専任配置の対象となる重要な建設工事は、工事一件の請負代金の額が4,500万円以上(建築一式工事は9,000万円以上)のものです(建設業法施行令第27条)。

ただし、次のいずれかに該当する場合は専任配置を要しません(同項第1号・第2号)。第1号は、次の3要件すべてに該当する場合です:(1) 請負代金が政令で定める金額未満であること(1億円未満、建築一式工事は2億円未満。建設業法施行令第28条)、(2) 工事現場間の移動時間・連絡方法等について、国土交通省令で定める要件に適合すること、(3) 情報通信技術を利用して工事現場の状況確認等の職務を行うため、必要な措置が講じられていること。

第2号は、監理技術者の職務を補佐する者として政令で定める者を工事現場に専任で置く場合です。この例外は、同項各号の工事現場の数が政令で定める数を超えるときは適用されません(同条第4項)。

(1)の除外基準(1億円)は、上記の専任配置が必要となる基準(4,500万円)とは別の、より高い基準です。

附帯工事を自ら施工する場合の技術者配置

建設業法第26条の2は、附帯工事についても技術者配置を求めています。第1項は、土木工事業または建築工事業を営む者が土木一式工事・建築一式工事を施工する際、それ以外の建設工事(軽微な工事を除く)をあわせて自ら施工する場合、第7条第2号イ・ロ・ハに該当する者を置いて施工するか、当該建設工事に係る建設業の許可を受けた建設業者に施工させなければならないと定めています。

第2項は、建設業者が、許可を受けた建設業に係る建設工事に附帯する他の建設工事(軽微な工事を除く)を施工する場合も同様に、第7条第2号イ・ロ・ハに該当する者を置いて自ら施工するか、当該建設工事に係る許可を受けた建設業者に施工させなければならないと定めています。

附帯工事として請け負える範囲そのものは電気工事業者が他業種の工事を附帯工事として請け負える範囲で整理しています。

営業所技術者による兼任特例

建設業法第26条の5は、「営業所技術者等に関する主任技術者又は監理技術者の職務の特例」として、一定の要件を満たす場合に営業所技術者・特定営業所技術者が、その営業所が受注した工事現場の主任技術者・監理技術者の職務を兼ねて行えることを定めています。

兼務が認められるのは、次の4要件のいずれにも該当する場合です(同条第1項第1号〜第4号)。

この特例は、兼務できる工事現場の数が政令で定める数(建設業法施行令第34条により1)を超えるときは適用されません(同条第2項)。

建設業法の主任技術者と電気工事業法の主任電気工事士の違い

名前が似ていますが、建設業法第26条の主任技術者は「工事現場」ごとに置く技術者、電気工事業法第19条の主任電気工事士は「営業所」ごとに置く資格者で、根拠となる法律も置く場所も別です。片方を置いていても、もう片方を置いたことにはなりません。

比べる点主任技術者(建設業法第26条)主任電気工事士(電気工事業法第19条)
置く場所建設工事の現場一般用電気工事の業務を行う営業所(特定営業所)
置く義務のある者建設業許可を受けた建設業者登録電気工事業者(第34条第2項によりみなし登録電気工事業者も対象)
なれる人建設業法第7条第2号などに定める要件に該当する者第一種電気工事士、または第二種電気工事士免状の交付後に電気工事の実務経験が3年以上ある第二種電気工事士

電気工事業の登録が必要な工事を建設業者が請け負う場合は、現場側の主任技術者の要件と、営業所側の主任電気工事士の要件を別々に確認します。主任電気工事士の設置が必要な営業所の区分は主任電気工事士の設置義務のガイドで整理しています。個別の事案での要否や要件は、許可行政庁・登録行政庁に確認してください。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。政令・省令が定める具体的な金額・移動時間等の数値、個別の工事が専任配置や兼任特例の対象になるかどうかは、許可行政庁の公式資料または窓口で最終確認してください。

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