公式資料をもとに整理

コンセント・スイッチ・照明・インターホンの工事ごとの資格と登録・通知の要否早見表

電気工事士の資格が要るかと、業として行うときに電気工事業の登録・通知が要るかは、作業によって一致しません。露出型コンセント・露出型スイッチの取換えは資格が要らない軽微な作業ですが、電気工事には含まれるため、反復・継続して請け負えば登録・通知の対象になります。このページでは、戸建て・小規模店舗など電圧600V以下で受電する一般用電気工作物等を前提に、作業名ごとの扱いを2列の早見表にまとめます。

公開日: 2026-10-05 / 最終更新: 2026-10-05 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

資格の列と登録・通知の列が分かれる理由

電気工事に関わる作業は、法令上3つに分かれます。資格と登録・通知の扱いは、この3つで決まります(e-Gov法令検索「電気工事士法施行令」第1条、同「電気工事士法施行規則」第2条)。

作業の3区分と、資格・登録通知の関係
区分電気工事士等の資格電気工事業の登録・通知
軽微な工事(施行令第1条の6類型)不要対象外(電気工事から除かれるため)
軽微な作業(施行規則第2条の列挙に入らない作業)不要対象(電気工事に含まれるため)
資格が必要な作業(施行規則第2条の列挙作業)必要(一般用電気工作物等は第一種または第二種電気工事士)対象

つまり、2つの列が食い違うのは「軽微な作業」だけです。軽微な工事と軽微な作業の違いは登録・通知の対象外となる軽微な工事6類型と電気工事士でなくてもできる作業で整理しています。

作業名ごとの資格と登録・通知の早見表

経済産業省「電気工事士等資格が不要な『軽微な工事』とは」(経済産業省)と上の2条文から、家庭の工事でよく挙がる作業名を当てはめました。登録・通知の列は、その作業を反復・継続して請け負う場合の扱いです。

作業名ごとの資格と登録・通知の要否(一般用電気工作物等)
作業名資格が要るか登録・通知が要るか区分と根拠
差込プラグ・ソケット・ローゼットのキャップ側にコードを接続する不要この作業だけなら対象外軽微な工事(施行令第1条第1号)
天井側の引掛ローゼット(ボディ)の取付け・取換え必要対象資格が必要な作業(施行規則第2条第2項第1号イ、第1項第1号ホ)。経済産業省資料はキャップ側と区別し、ボディ側を資格必要としている
露出型コンセント・露出型スイッチの取換え不要対象軽微な作業(施行規則第2条第1項第1号ホのかっこ書き)。新設や、取換え以外の取付けは含まれない
埋込型コンセント・埋込型スイッチの取換え・新設必要対象資格が必要な作業(配線器具の取付け・電線の接続。同号ホ)
コンセントの増設(配線の延長・分岐を伴う)必要対象資格が必要な作業(電線相互の接続・電線の取付け・配線器具の接続。同号イ・ハ・ホ)
照明器具の端子に電線をねじ止めする(器具の取付けのみ)不要この作業だけなら対象外軽微な工事(施行令第1条第2号)。ローゼットなどの配線器具の取付けや電線の接続を伴うと資格が必要
インターホン・チャイムの小型変圧器の二次側(36V以下)の配線不要対象外軽微な工事(施行令第1条第4号)
インターホン・チャイムの電源側(一次側)配線の工事必要対象施行令第1条第4号は二次側の配線に限られるため、一次側は資格が必要な作業の列挙に当たる
電力量計・ヒューズの取付け・取外し不要この作業だけなら対象外軽微な工事(施行令第1条第3号。電圧600V以下で使用するもの)

表を読むときの注意点

「資格が不要」と「登録・通知が不要」は別です。表で資格が不要でも、登録・通知が「対象」になっているのは露出型コンセント・露出型スイッチの取換えです。この作業は施行規則の列挙から外れた軽微な作業で、電気工事には含まれます。

「この作業だけなら対象外」と書いた行は、軽微な工事の6類型だけを反復・継続して行う場合の話です。同じ現場で配線器具の取付けや電線の接続も請け負うと、その部分は電気工事になります。工事全体の中身で判断してください。

電気工事業法は、家庭用電気機械器具の販売に付随して行う工事を電気工事から除いています(同法第2条第1項)。販売店が機器の取付けまで行う場合の扱いは電気工事業の定義で整理しています。エアコンについてはエアコン設置の登録・通知で別に扱っています。

電気工事士法施行令・施行規則が定めるのは配線器具や接続器といった部品・作業の区分です。「照明器具の交換」のような作業名は、器具の種類・取付け方法・配線の状態によって上の行のどれに近いかが変わります。この表は目安であり、個別の工事がどの区分に当たるかの判定ではありません。

高圧受電のビルでは扱いが変わる

表は、電圧600V以下で受電する一般家庭・小規模店舗などの一般用電気工作物等が前提です。高圧で受電するビルの入居区画は、区画内の配線が低圧でも自家用電気工作物に係る電気工事になり、必要な資格が変わります。詳しくは高圧受電ビルのテナント専有部の工事で整理しています。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の工事がどの区分に当たるか、作業の区分や登録・通知の要否で迷う場合は、電気工事業法の手続先である都道府県・産業保安監督部、または経済産業省の公式資料で確認してください。

扱う工事の範囲に応じた4区分の目安は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。