作業者の資格と事業者の登録を分けて判断

感震ブレーカー設置の電気工事士資格と登録

感震ブレーカーのうち、分電盤タイプ(内蔵型・後付型)は電気工事が必要で、簡易タイプ(ばね式・おもり式)は工事が不要です。コンセントタイプは、差し込むだけの製品と工事が必要な製品に分かれます。工事が必要なタイプを請け負うときは、電気工事士の資格と事業者の登録を確認します。

公開日: 2026-10-19 / 最終更新: 2026-10-19 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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4タイプの工事の要否

感震ブレーカーは、内閣府のリーフレットに沿って、分電盤タイプ(内蔵型)、分電盤タイプ(後付型)、コンセントタイプ、簡易タイプの4つに分けて説明されています。大阪府の案内ページは、このリーフレットを出典に、工事の要否を次のように整理しています(大阪府「密集市街地における感震ブレーカーの設置促進について」)。

感震ブレーカーのタイプ別の仕組みと工事の要否
タイプ仕組み電気工事
分電盤タイプ(内蔵型)分電盤に内蔵されたセンサーが揺れを感知し、ブレーカーを落とす必要
分電盤タイプ(後付型)分電盤に感震機能を外付けする。漏電ブレーカーがある場合に設置可能必要
コンセントタイプコンセントに内蔵されたセンサーが揺れを感知し、そのコンセントの電気を遮断する必要なタイプと、差し込むだけのタイプがある
簡易タイプばねの作動や重りの落下でブレーカーを落とす不要

総務省が自治体に配付した資料も、後付型は「設置には電気工事が必要」で、分電盤の形状や種類によって取付けが可能なものと不可能なものがある、コンセントタイプには差込型のほかに埋込型もある、と説明しています(総務省 大規模地震時における電気火災対策の別添資料)。

電気工事士法施行規則の整理

一般用電気工作物等(住宅や小規模な店舗の設備)の電気工事は、第一種または第二種電気工事士でなければ、軽微な作業を除いて従事できません(e-Gov法令検索「電気工事士法」第3条第2項)。軽微な作業から外されている作業は、施行規則第2条第2項第1号イが、同条第1項第1号のイからヌまでとヲとして挙げています。その中のホは、配線器具を取り付け、取り外し、またはこれに電線を接続する作業です(括弧書きで除かれるのは、露出型点滅器または露出型コンセントを取り換える作業だけ)(e-Gov法令検索「電気工事士法施行規則」)。

後付型を分電盤内のブレーカーに取り付けて配線する作業が、この列挙作業のどれに当たるかを個別に示した国の案内は確認できていません。ただし、愛媛県西条市の補助金の案内は、分電盤タイプ後付型について「電気工事士による工事が必要です」と明記しています(西条市 感震ブレーカー設置補助のチラシ)。

埋込型のコンセントタイプも、壁に埋め込む配線器具の取付けと電線の接続を伴うため、埋込型スイッチの交換と同じ考え方で電気工事士が行う作業として扱うのが安全です。製品ごとの扱いは、メーカーの施工説明書で確かめてください。

後付型の取付けで確かめる条件

作業内容別の確認表

作業内容ごとの資格・登録確認
作業例電気工事士資格事業者登録の確認
分電盤タイプ(後付型)を既設の分電盤に取り付ける電気工事士が必要(西条市の案内、総務省の資料)登録等を確認
分電盤を内蔵型に交換する電気工事士が必要(電気工事が必要と整理されている)登録等を確認
埋込型のコンセントタイプを壁に取り付ける電気工事士が必要と考えられる(配線器具の取付け・電線接続)登録等を確認
差込型のコンセントタイプを差し込む電気工事に当たらない(差し込むだけ)対象外
ばね式・おもり式の簡易タイプを取り付ける電気工事が不要とされている対象外

ほかの住宅設備の工事はコンセント・スイッチ・照明・インターホンの工事ごとの資格早見表で、分電盤まわりはブレーカー交換に電気工事士は必要かで確認できます。

事業者の登録・開始届出の確認

資格が必要な作業を含む電気工事を、反復・継続して請け負うなら、建設業許可がない事業者は登録電気工事業者の登録、許可がある建設業者は電気工事業開始届出(みなし登録)の確認が必要です(e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」)。登録が不要になる境界は電気工事業の登録・通知が不要なケースの境界にまとめています。

感震ブレーカーの設置には自治体の補助制度がある場合があり、工事を伴うタイプは補助の対象に電気工事士による工事が条件とされる例があります(西条市の案内)。補助の可否と要件は自治体ごとに異なるため、お客様の住所地の窓口で確認してもらいます。

受注前チェックリスト

よくある質問

感震ブレーカーは自分で取り付けてもよいですか

ばね式・おもり式の簡易タイプは電気工事が不要とされています。分電盤タイプは電気工事が必要で、後付型は電気工事士による工事が必要と案内されています。資格を持たない人が分電盤の中の配線を扱うことはできません。

コンセントタイプは工事が必要ですか

差込型は差し込むだけで、電気工事には当たらないと考えられます。埋込型は壁の中の配線器具を取り付けるため、電気工事士が行う作業として扱います。購入前に製品の型を確かめます。

電気工事士の資格があれば、事業者の登録は不要ですか

資格は作業者個人のもので、登録は事業者単位の手続きです。資格が必要な作業を含む電気工事を反復・継続して請け負うなら、登録または開始届出の区分を別に確認します。

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の作業が電気工事士法上の電気工事に当たるか、事業形態が電気工事業法上の登録・通知等を要するかは、具体的な施工範囲を示して所轄行政庁へ確認してください。

次に知りたいこと:漏電遮断器の設置要件、電気工事士資格と事業者登録の違い。

同種の工事は家庭用蓄電池の設置の資格と登録、住宅用火災警報器の設置の資格と登録、調光・センサー・タイマースイッチの交換の資格と登録でも確認できます。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。