法人で電気工事業を始める前に
電気工事業の定款の事業目的の書き方
電気工事業の登録や通知の申請では、法人に求められる書類は登記事項証明書で、定款の提出は手引に挙がっていません。定款の目的欄が実際に見られるのは、建設業許可の申請です。東京都は目的から許可を受ける業種が読み取れないと念書を求めることがあり、大阪府は法人に「建設工事の完成を請け負う営業であることが文理上確認できる目的」を求めています。
公開日: 2026-10-17 / 最終更新: 2026-10-17 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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電気工事業の登録・みなし登録で見られる書類
三重県の電気工事業者登録等の申請等に係る手引きは、新規登録の提出書類に法人の登記事項証明書を挙げています。同じ手引には「定款」の語が出てきません。ほかの県でも、法人の添付書類は登記事項証明書とするのが一般的ですが、書類は県ごとに決まるため、申請先の手引で確認してください。
登記事項証明書には会社の目的も載ります。目的欄に電気工事の語が必須とは手引に書かれていませんが、証明書そのものを提出するため、取引先や官公庁から目的欄を見られる可能性は残ります。
建設業許可で目的欄が見られる場面
目的欄が問題になりやすいのは建設業許可です。大阪府の建設業許可の審査基準は、申請者が法人の場合、定款に建設業に関する目的を定め、その旨を登記していることを基準にしています。注として「建設業に関する目的」は建設工事の完成を請け負う営業であることが文理上確認できる目的で、具体的な業種や工事の種類が特定できるかどうかは問わないとしています。
東京都の建設業許可の手引(令和7年度)は、提出書類の定款を法人のみとし、新規申請や業種追加の際に目的から許可を受ける業種が読み取れないときは、定款の目的を変更する旨の念書を求めることがあるとしています。同じ許可でも、都府県によって見る範囲が違います。
許可を受ける予定があるなら、設立時に「電気工事業」だけでなく電気工事を含む建設工事の請負が読み取れる目的も入れておくと、後から定款を変える手間を避けやすくなります。許可の添付書類の全体は建設業許可の申請書類のガイドで確認できます。
目的欄を書くときの会社法上の決まり
- 株式会社の定款には「目的」を記載します(会社法第27条第1号)。
- 公証人連合会は、目的の記載には適法性・営利性・明確性が必要としています(公証人連合会のQ&A)。
- 法務省は、目的が具体的かどうかは登記申請で審査しないとしつつ、官公庁への届出や取引で不都合が生じることもあるため十分注意するよう案内しています(法務省の会社法Q&A)。
登記は通っても、役所や取引先が目的を読んで判断する場面では、電気工事に関わる事業が読み取れる書き方のほうが安全です。具体的な文言は、申請先の窓口と、定款を作る公証人や専門家に確認してください。
設立後に目的を足すときの手続き
会社の設立後に目的を足すには、定款を変更し、登記の変更も要します。登記事項が変わった場合の変更登記は、変更から2週間以内とされています(会社法第915条第1項)。法人化の全体の流れは個人事業から法人化するときの電気工事業の手続のガイドで確認できます。
次に知りたいこと
- 個人から法人への切り替え:登録・届出のやり直しが要るか
- 建設業許可の申請書類:定款以外に必要な書類
- 登録申請の添付書類:法人の登記事項証明書など
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。定款や登記書類の作成も行いません。必要書類は都道府県や手引の改定で変わるため、申請前に所轄行政庁へ確認してください。