公式資料をもとに整理
電気工事士の免状要件
第一種電気工事士の試験合格ルートでは、免状交付に対象工事の実務経験3年以上が必要です。第二種の試験合格ルートには同じ3年要件はなく、試験以外の交付ルートもあります。免状の交付要件と、開業時に確認する主任電気工事士の要件を分けて整理します。
公開日: 2026-09-23 / 最終更新: 2026-09-23 / 制度確認日: 2026-07-26
第一種・第二種の交付要件
e-Gov法令検索「電気工事士法」第4条第1項は、免状を第一種・第二種の2種類に分け、第2項は都道府県知事が交付すると定めています。試験に合格することと、免状の交付を受けることは別の段階です。
| 免状 | 交付要件のルート | 根拠 |
|---|---|---|
| 第一種・試験合格 | 第一種試験合格と、省令で定める工事についての実務経験 | 第3項第1号 |
| 第一種・認定 | 省令に従い、上記と同等以上の知識・技能があると都道府県知事が認定 | 第3項第2号 |
| 第二種・試験合格 | 第二種試験に合格 | 第4項第1号 |
| 第二種・養成施設 | 経済産業大臣が指定する養成施設で、省令の定める課程を修了 | 第4項第2号 |
| 第二種・認定 | 省令に従い、試験合格者等と同等以上の知識・技能があると都道府県知事が認定 | 第4項第3号 |
認定は任意の経験を自己申告すれば交付される制度ではなく、省令上の要件の確認が必要です。また、養成施設のルートは指定施設の所定課程が対象であり、任意の試験対策講座を受講したこととは区別します。
この表は交付要件の入口を整理したものです。第4条第5項には交付を行わないことができる場合もあり、表の一条件だけで個別の交付可否を保証するものではありません。
第一種の実務経験の対象
e-Gov法令検索「電気工事士法施行規則」第2条の4第2項は、第一種の試験合格ルートの実務経験を3年以上の従事としています。これは同法第4条第3項第1号に対応する要件です。
電気関係の仕事であれば、すべてがこの3年の対象になるわけではありません。施行規則第2条の4第1項は、次の工事を対象から除いています。
| 区分 | 条文の範囲 |
|---|---|
| 軽微な工事 | 電気工事士法施行令第1条に定めるもの |
| 特殊電気工事 | 電気工事士法施行規則第2条の2に定めるもの |
| 一定の架空電線路工事 | 電圧5万ボルト以上で使用する架空電線路に係るもの |
| 保安通信設備の工事 | 保安通信設備に係るもの |
工事の呼び名や在職年数だけで算入を決めず、担当した工事の内容・期間と、その作業に従事できる資格を整理して申請窓口へ確認してください。本記事は無資格で作業経験を積むことを勧めるものではありません。
免状の申請先と書類
施行規則第6条は、様式第二の申請書に、該当する交付要件を満たすことの証明書類と写真を添付すると定めています。申請する都道府県知事は、交付ルートにより次のように分かれます。
| 交付ルート | 申請先 |
|---|---|
| 第一種試験合格、第二種試験合格、第二種の指定養成施設修了 | 住所地を管轄する都道府県知事 |
| 第一種・第二種の知事による認定 | 認定を行った都道府県知事 |
提出する証明書類の様式、写真の仕様、手数料、受付方法は、該当する都道府県の最新の公式案内で確認してください。本記事では未確認の金額・処理日数や、全国一律の窓口所在地を示していません。
試験対策を探している場合と免状交付を申請する場合で、確認先が異なることにも注意してください。試験の合格基準・受験料・試験日程は本記事の対象外です。
主任電気工事士の3年との違い
第一種免状の交付に必要な実務経験と、営業所に置く主任電気工事士の要件は、根拠法令が異なります。e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」第19条第1項は、第一種電気工事士、または第二種免状の交付後に電気工事に関し3年以上の実務経験を持つ第二種電気工事士を主任電気工事士の対象としています。
第二種免状そのものの交付と、第二種電気工事士が主任電気工事士になるための「免状交付後3年以上」は別です。第二種免状を取得しただけで主任電気工事士の要件も満たしたと考えないでください。同条には第6条第1項第1号〜第4号の欠格事由に該当しないことも定められています。
対象経験の確認は第二種電気工事士の実務経験、選任する営業所や配置の条件は主任電気工事士の選任要件で整理しています。特殊電気工事等の別資格は特種電気工事資格者・認定電気工事従事者を確認してください。
免状交付後の事業者手続き
免状は個人の資格であり、電気工事業を営む事業者の登録・通知とは別です。作業資格と事業者手続きの関係は電気工事士資格と電気工事業登録の違いで確認できます。
開業時は、免状、主任電気工事士の配置、事業者の登録・通知を分けて確認します。事業者区分の目安には電気工事業区分セルフチェックを利用できますが、免状交付の可否を判定するものではありません。
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。実務経験の算入、認定要件、免状の交付と具体的な提出書類は、所轄行政庁の公式案内・窓口で最終確認してください。