公式資料をもとに整理
第二種電気工事士免状を試験以外で得るルート
第二種電気工事士免状は、試験合格のほかに「指定養成施設の課程の修了」と「都道府県知事の認定」でも交付を受けられます。電気工事士法第4条第4項の3つのルートのうち、試験以外の2つについて、課程の科目と時間数、認定の対象、申請先を条文から整理します。
公開日: 2026-10-26 / 最終更新: 2026-10-26 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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第二種免状の3つのルート
e-Gov法令検索「電気工事士法」第4条第4項は、第二種電気工事士免状の交付を受けられる人を次の3つに分けています。
| 号 | ルート | 条文の内容 |
|---|---|---|
| 第1号 | 試験合格 | 第二種電気工事士試験に合格した者 |
| 第2号 | 指定養成施設 | 経済産業大臣が指定する養成施設で、省令の定める課程を修了した者 |
| 第3号 | 知事認定 | 省令に従い、前二号に掲げる者と同等以上の知識・技能があると都道府県知事が認定した者 |
この記事は第2号と第3号を扱います。3ルートを第一種と並べた早見は電気工事士の免状要件にあります。
指定養成施設の課程(科目と時間数)
第2号の「省令の定める課程」は、e-Gov法令検索「電気工事士法施行規則」第3条の表に科目・内容・時間数として定められています。表の各行は次のとおりです。
| 科目 | 内容 | 時間数 |
|---|---|---|
| 電気に関する基礎理論 | 電流・電圧・電力及び電気抵抗、導体及び絶縁体、交流電気の基礎概念、電気回路の計算 | 100 |
| 配電理論及び配線設計 | 配電方式、引込線、配線 | 30 |
| 電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具 | 電気機器及び配線器具の構造・性能、電気工事用の材料の材質・用途、工具の用途 | 90 |
| 電気工事の施工方法 | 配線工事、電気機器及び配線器具の設置工事、コード及びキャブタイヤケーブルの取付け、接地工事の各方法 | 70 |
| 一般用電気工作物等の検査方法 | 点検、導通試験、絶縁抵抗測定、接地抵抗測定の各方法、試験用器具の性能及び使用方法 | 15 |
| 配線図 | 配線図の表示事項及び表示方法 | 50 |
| 一般用電気工作物等の保安に関する法令 | 電気工事士法・同施行令・同施行規則、電気設備技術基準、電気用品安全法関係法令 | 50 |
| 実習 | 電線の接続、配線工事、機器・器具の設置、工具の使用方法、コード等の取付け、接地工事、電気量の測定、検査、故障箇所の修理 | 570 |
科目を並べると、実習の時間数が最も大きいことが読み取れます。表の時間数を単純に足すと975時間です。入学資格・期間・費用は志望先の公式案内で確認してください。
試験対策講座や通信講座を受けただけでは、このルートの「課程の修了」にはなりません。条文が求めるのは、経済産業大臣が指定した養成施設で、上の課程を修了することです。施設が指定を受けているかどうかは、申し込む前に施設へ確認してください。
養成施設の指定と変更の届出
施行規則第3条の2は、養成施設の指定を受けたい者が、様式第一の申請書を経済産業大臣に提出すると定めています。申請は、養成施設の所在地を管轄する産業保安監督部長を経由して行います(情報通信技術を活用した申請の場合を除く)。
指定を受けた者は、第3条の3により、次の事項を変えるときに変更の届出が必要です。養成施設を廃止したときも届出をします。
| 区分 | 事項 |
|---|---|
| 設置者 | 氏名または名称、住所 |
| 施設 | 名称または所在地、施設の長の氏名 |
| 教育内容 | 養成期間、生徒の定員、実施する科目または時間数、教員 |
受講する側にとっては、科目や時間数が届出の対象になっていることから、課程が表の内容に沿って実施される仕組みだと分かります。ただし、本記事は個別の施設名を挙げず、施設の一覧や評価もしません。
知事認定の対象となる人
第3号の認定は、施行規則第4条が次のいずれかに当たる人を対象に行うと定めています。
| 号 | 対象 |
|---|---|
| 第1号 | 旧電気工事技術者検定規則(昭和34年通商産業省告示第329号)による検定に合格した者 |
| 第2号 | 職業訓練法による職業訓練指導員免許(職種が電工のものに限る)を受けている者のうち、同法第22条第3項第1号に当たる者、または第3号に当たる者で公共職業訓練もしくは認定職業訓練の実務に1年以上従事していたもの |
| 第3号 | 旧電気工事人取締規則(昭和10年逓信省令第31号)による免許を受けた者で、昭和25年1月1日以降に屋内配線または屋側配線の業務に10年以上従事していたもの |
| 第4号 | 前各号と同等以上の知識・技能が明らかに認められる者で、経済産業大臣が定める資格を有するもの |
第1号から第3号は、現行の試験制度ができる前の検定・免許・訓練指導員制度を前提にした基準です。認定は、実務経験を自己申告すれば受けられる制度ではなく、上の基準のいずれかに当たることを書類で証明する手続きです。第4号の「経済産業大臣が定める資格」の具体的な内容は施行規則の本文だけでは分からないため、該当しそうな資格がある場合は、申請先の都道府県窓口に確認してください。
第二種の免状を持った後の実務経験3年が主任電気工事士の要件になる点は、免状の交付ルートとは別の話です。数え方は第二種電気工事士の実務経験の数え方で整理しています。
申請先と手続きの流れ
施行規則第5条第2項は、第4項第3号の認定を受けようとする者が、様式第一の四の申請書に、第4条各号のいずれかに当たることを証明する書類を添えて都道府県知事に提出すると定めています。認定が下りたら、免状の交付申請に進みます。
免状の交付申請(第6条)の申請先は、ルートによって異なります。
| ルート | 申請先 |
|---|---|
| 試験合格(第1号)・指定養成施設の修了(第2号) | 申請する人の住所地を管轄する都道府県知事 |
| 知事認定(第3号) | その認定を行った都道府県知事 |
申請書には、該当するルートを満たすことの証明書類と写真を添えます。手数料、受付窓口、受付方法は都道府県ごとに異なります。県別の窓口は電気工事士免状の交付申請・再交付・書換えの申請先から確認できます。
免状を取得したあとは、作業資格と事業者の登録・通知が別であることも確認してください。違いは電気工事士資格と電気工事業登録の違いで整理しています。
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。養成施設の指定状況、認定の対象かどうか、必要書類は、経済産業省と所轄の都道府県の公式案内・窓口で最終確認してください。