公式資料をもとに整理

建設業許可の営業所技術者・常勤役員等が退職したとき(2週間以内の届出と後任がいない場合)

建設業許可(電気工事業)の営業所技術者が辞めたら後任の確認書面を2週間以内に、常勤役員等が辞めたら変更届出書を30日以内に出します。後任がいなければ、どちらも要件を満たさなくなったとして2週間以内に届出を出します。 放置すると許可の基準を欠き、法文上は許可取消しの対象です(建設業法第7条・第11条・第29条)。

公開日: 2026-10-23 / 最終更新: 2026-10-23 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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退職で欠けるものは2種類ある

許可の基準で人に関わるのは、第7条第1号の経営業務の管理(常勤役員等)と、第7条第2号の営業所ごとの営業所技術者の2つです。辞めた人がどちらを担っていたかで、出す届出と後任に求められる条件が変わります。e-Gov法令検索「建設業法」の条文で、次のように分かれます。

辞めた人の役割別に見る届出と期限(建設業法第11条)
辞めた人後任がいるとき後任がいないとき
営業所技術者2週間以内に後任の確認書面を提出(第11条第4項)。氏名の変更は30日以内の変更届出書(第1項)第7条第2号を満たさなくなるため、2週間以内に書面で届出(第11条第5項)
常勤役員等(経営業務の管理)役員等の変更は30日以内の変更届出書(第1項)。後任が第7条第1号の基準を満たすことが前提第7条第1号を満たさなくなるため、2週間以内に書面で届出(第11条第5項)

届出の種類と罰則の全体像は建設業許可(電気工事業)の届出義務で整理しています。この記事は、人が辞めた場面に絞って何から手を付けるかを扱います。

営業所技術者が辞めたとき

営業所技術者は営業所ごとに専任で置く決まりなので、辞めた営業所には後任を置かなければなりません(第7条第2号)。後任になれるのは、第7条第2号のイ(高校等卒業後5年以上の実務経験などの学歴・実務経験)、ロ(10年以上の実務経験)、ハ(国土交通大臣の認定)のどれかに当たる人です。詳しい要件は建設業許可の営業所技術者の要件にまとめています。

国土交通省の許可事務ガイドラインは、不正や虚偽が認められる場合の許可の拒否・取消しにも触れており、営業所への立入検査を行うことがあるとしています(建設業法第31条)。

常勤役員等が辞めたとき

経営業務の管理の基準(第7条第1号)は、施行規則第7条第1号で定められ、常勤役員等のうち1人が一定の経営経験を持つ形(イ)などで満たします。その人が退任すると、役員等の変更として変更届出書(様式第二十二号の二)を30日以内に出します(第11条第1項・同法施行規則第9条第1項)。

国土交通省の許可事務ガイドラインは、常勤役員等の変更があるときは変更届出書による届出が必要だと明記しています。新しく役員になる人がいる場合は、その人に関する書面の添付が求められます(同施行規則第9条第2項第3号)。退任だけの場合は、誓約書や市町村長の証明書を省略できる扱いです。

後任の常勤役員等が、施行規則第7条第1号の基準(経営経験の年数や、補佐する者の組み合わせなど)を満たすかどうかは、退任の届出とは別に確認が必要です。基準は経営業務の管理責任者等の要件で整理しています。

同じ人が両方を兼ねているとき

小規模な事業者では、代表者が常勤役員等と営業所技術者を兼ねていることが多く、その人が辞めると、両方の基準を同時に欠きます。国土交通省の許可事務ガイドラインは、施行規則第7条第1号イ・ロに当たる常勤役員等が営業所技術者等の要件も備えているときは、同一営業所(原則として本社・本店等)内に限って営業所技術者等を兼ねられるとしています。

兼ねている場合は、第11条第5項の届出で、2つの基準を同時に欠いた旨を届け出ることになります。後任を探すときは、経営業務の管理と技術の両方を満たす人を1人で探すのか、2人に分けるのかを先に決めておくと、届出の整理が楽になります。

後任が決まらないときの許可への影響

第29条第1項第1号は、一般建設業の許可を受けた建設業者が第7条第1号または第2号の基準を満たさなくなった場合を、許可を取り消さなければならない事由に挙げています。特定建設業の場合は、第7条第1号または第15条第2号の基準を満たさなくなったときが対象です。この取消しは、行政庁の裁量で判断する類型ではなく、条文上は「取り消さなければならない」と書かれています。

第11条第5項の届出をしないこと自体にも罰則があります(第50条第3号)。届出を出せば要件が回復するわけではなく、後任を置いて基準を満たすことが先です。取消し・営業停止などの全体像は建設業許可(電気工事業)の監督処分を参照してください。

許可が取り消されると、電気工事業の登録とは別に、建設業許可に基づく請負ができなくなります。電気工事業法上の登録は別の制度で、主任電気工事士が辞めたときの対応は主任電気工事士が退職したときの届出と補充の期限で整理しています。両方を同じ人が兼ねている場合は、2つの制度の手続きがそれぞれ動きます。

退職日までの動き方

  1. 辞める人が、常勤役員等・営業所技術者のどちらを担っているかを確認する
  2. 後任候補の資格・実務経験・常勤性の資料を揃え、基準を満たすか許可行政庁に事前に相談する
  3. 営業所技術者が欠けたら2週間以内(起算日は行政庁に確認)に、後任の書面(第11条第4項)または基準を欠いた旨の届出(同第5項)を出す
  4. 常勤役員等の変更は、30日以内に変更届出書を出す
  5. 電気工事業の登録や通知も受けている場合は、主任電気工事士など電気工事業法側の変更も確認する

期限の起算日、必要書類、事前相談の窓口は許可行政庁(国土交通大臣許可は地方整備局、知事許可は都道府県)で異なります。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。後任が基準を満たすか、期限の起算日、提出書類は、許可を受けた行政庁(国土交通省の地方整備局または都道府県)に確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。 参考: 国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」