従業員を雇う電気工事業の雇用ルール
障害者の法定雇用率2.7%と対象になる従業員数
令和8年7月以降、民間企業の法定雇用率は2.7%で、労働者37.5人以上の事業主に障害者を雇う義務があります。電気工事業も業種を問わず対象で、従業員が増えて37.5人に達した時点から、毎年の報告などが必要になります。
公開日: 2026-10-22 / 最終更新: 2026-10-22 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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法定雇用率2.7%と対象になる事業主の人数
厚生労働省は、障害者雇用促進法が企業に、雇用する労働者の2.7%に相当する障害者を雇うことを義務づけていると案内しています(厚生労働省「障害者雇用対策」)。同省のリーフレットによると、民間企業の法定雇用率は段階的に上がっています。
| 時期 | 法定雇用率 | 対象になる事業主 |
|---|---|---|
| 令和5年度 | 2.3% | 労働者43.5人以上 |
| 令和6年4月から | 2.5% | 労働者40.0人以上 |
| 令和8年7月から | 2.7% | 労働者37.5人以上 |
出典は厚生労働省のリーフレット「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」です。数える対象は「常時雇用する労働者」で、1週間の所定労働時間が20時間以上、かつ1年を超えて雇用される見込みがある(または1年を超えて雇用されている)人です。パートやアルバイトでも、この要件に当てはまれば含まれます(厚生労働省「障害者雇用のご案内」のQ&A)。
必要な障害者の人数の計算例
雇う義務のある障害者の人数は、常時雇用する労働者の数に法定雇用率を掛け、小数点以下を切り捨てて求めます。「障害者雇用のご案内」は、150人の企業なら令和8年6月までは150人×2.5%=3.75人で3人、7月からは150人×2.7%=4.05人で4人としています。次の表は、同じ計算を他の人数にあてはめた例です。
| 常時雇用する労働者 | 令和8年6月まで(2.5%) | 令和8年7月から(2.7%) |
|---|---|---|
| 37人 | 対象外(40人未満) | 対象外(37.5人未満) |
| 40人 | 1人 | 1人 |
| 75人 | 1人 | 2人 |
| 100人 | 2人 | 2人 |
| 150人 | 3人 | 4人 |
| 200人 | 5人 | 5人 |
令和8年7月以降の対象は37.5人以上の事業主なので、37人の事業主は対象に入りません(37人×2.7%は1人に届きません)。37.5人から先の人数ごとの義務数や、除外率を使う場合の数え方は、事業所を管轄するハローワークで確かめてください。
障害者1人を何人分と数えるか
雇用した障害者の数は、週の所定労働時間と障害の種類で次のように数えます(「障害者雇用のご案内」の算定表)。
| 障害の区分 | 週30時間以上 | 週20時間以上30時間未満 | 週10時間以上20時間未満 |
|---|---|---|---|
| 身体障害者 | 1人 | 0.5人 | 算定なし |
| 重度身体障害者 | 2人 | 1人 | 0.5人 |
| 知的障害者 | 1人 | 0.5人 | 算定なし |
| 重度知的障害者 | 2人 | 1人 | 0.5人 |
| 精神障害者 | 1人 | 1人(当分の間の措置) | 0.5人 |
身体障害者は身体障害者手帳1〜6級、精神障害者は精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人が対象で、知的障害者は児童相談所などで知的障害者と判定された人です。週10時間以上20時間未満の重度身体・知的障害者と精神障害者が算定の対象になったのは令和6年4月からです。
建設業の除外率は10%
雇用の義務を軽くする除外率の設定業種に、建設業が入っており、令和7年4月1日から10%です。厚生労働省のリーフレットによると、除外率は令和7年4月に各業種で10ポイント引き下げられ、建設業は20%から10%になりました。同じ10%には鉄鋼業や道路貨物運送業などが並びます。
自社の事業が除外率の設定された「建設業」に当たるか、当たる場合に雇用義務数がどう変わるかは、日本標準産業分類上の業種や事業の実態で決まります。電気工事業を営む事業所が当たるかどうかは、ハローワークへ確認してください。この記事では計算式の詳細は示しません。
対象になった事業主の義務と納付金
リーフレットは、障害者を雇用しなければならない事業主の義務として、次の2つを挙げています。
- 毎年6月1日時点の障害者雇用状況を、ハローワークへ報告する
- 障害者の雇用の促進と継続を図る「障害者雇用推進者」を選任する(努力義務)
納付金の制度は、法定雇用率を満たしていない事業主から納付金を集め、多く雇う事業主に調整金などを支給する仕組みです。「障害者雇用のご案内」によると、納付金を徴収されるのは常用雇用労働者が100人を超える事業主に限られ、不足1人あたり月額5万円です。令和8年度分の申告期間は令和9年4月1日から5月17日までで、算定は令和8年6月以前が2.5%、7月以降が2.7%です。
従業員が100人以下の事業主は、納付金の徴収はありませんが、対象事業主として法定雇用率の義務と6月1日時点の報告の義務があります。障害者を雇うときに使える助成金や支援制度は、同案内のⅢ章に一覧があります。
従業員が増えてきたときの確認事項
- 常時雇用する労働者(週20時間以上で1年超の見込み)の数を、パート・アルバイトも含めて数えたか
- 37.5人以上になるか、すでに超えているかを確認したか
- 常時雇用する労働者数に2.7%を掛け、小数点以下を切り捨てた人数を求めたか
- 障害者を雇用している場合、算定表で何人分に数えるかを確認したか
- 毎年6月1日時点の雇用状況の報告先(ハローワーク)を確認したか
- 障害者雇用推進者を選任したか(努力義務)
- 建設業の除外率10%の対象になるかをハローワークへ確認したか
従業員を雇う手続全体は労働保険の加入手続、健康保険・厚生年金の加入手続で確認できます。
この記事で扱わないこと
- 特定の事業所が雇用義務の対象になるかどうかの判定はしません。
- 障害者の募集・採用の方法、合理的配慮、助成金の個別要件は扱いません。
- 除外率を使った雇用義務数の具体的な計算式は扱いません。
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の取扱いは、事業所を管轄するハローワーク(公共職業安定所)で最終確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいことは、就業規則は就業規則の作成・届出のガイド、従業員を雇うときの条件の明示は労働条件通知書のガイド、定年後の雇用は定年・継続雇用のガイドです。