公式資料をもとに整理
建設業許可の工事経歴書の書き方と電気工事の計上
工事経歴書(様式第二号)は、許可を受ける建設業の種類ごとに作り、直前の事業年度の完成工事と未成工事を載せます。電気工事として請け負った工事は電気工事の表に計上し、ほかの工事との二重計上はできません。国土交通省の「建設業許可事務ガイドライン」の記載要領をもとに、どの工事をどこまで書くか、請負代金の書き方、個人名の扱いを整理します。
公開日: 2026-10-17 / 最終更新: 2026-10-17 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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建設工事の種類ごとに作る(二重計上は不可)
建設業許可事務ガイドラインは、工事経歴書を「許可を受けようとする建設業及び既に許可を受けている建設業に対応する建設工事の種類ごとに作成させるもの」とし、他の建設工事と二重に計上することはできないとしています。電気工事業の許可であれば、電気工事の表に電気工事を載せます。
一式工事として請け負った工事は、電気工事などに分けず、一式工事として計上します。ガイドラインは例として、建築一式工事で請け負った工事を、管工事や電気工事とその他の工事に分割して、それぞれ電気工事や建築一式工事に分割計上することはできず、建築一式工事として計上するとしています。
載せる期間:前事業年度の完成工事と未成工事
ガイドラインは、工事経歴書には、申請または届出を行う日の属する事業年度の前事業年度の完成工事と未成工事を記載させると定めています。完成工事は工事が終わった工事、未成工事はまだ終わっていない工事です。
完成工事をどこまで書くか(経営規模等評価の有無で変わる)
書く完成工事の範囲は、経営規模等評価(経営事項審査の入口となる評価)の申請をするかどうかで変わります。ガイドラインの記載は次のとおりです。
| 申請する人 | 書く完成工事の範囲 |
|---|---|
| 経営規模等評価の申請を行わない | 主な工事について、請負代金の額の大きい順に記載する |
| 経営規模等評価の申請を行う(元請工事) | 発注者から直接請け負った完成工事について、請負代金の合計額の7割を超えるところまで、金額の大きい順に記載する(合計が1,000億円を超える場合は1,000億円を超えるところまで) |
| 経営規模等評価の申請を行う(その他の工事) | 元請工事の記載に続けて、総完成工事高の7割を超えるところまで、記載済みの元請工事以外の元請工事と下請工事を金額の大きい順に記載する |
経営規模等評価の申請を行う場合でも、軽微な建設工事は10件を超えて記載する必要はないとされています(元請工事以外の工事に続けて書く分は、先に記載した軽微な建設工事の件数を含めて10件)。軽微な建設工事の範囲は軽微な建設工事の金額基準で整理しています。
請負代金の額と注文者・工事名の書き方
- 経営規模等評価の申請を行う者が作る場合、請負代金の額は消費税及び地方消費税の額を除いた額を記載するよう指導するとされています。
- 注文者と工事名は、個人の氏名が特定されないようにします。ガイドラインは、注文者を「A」、工事名を「A邸新築工事」とする例を挙げています。
提出を省略できる場合
ガイドラインの「提出書類の省略」の項は、許可の更新を申請する人は、工事経歴書、直前三年の各事業年度における工事施工金額を記載した書面、使用人数を記載した書面、財務諸表、納税証明書の提出を省略できるとしています。許可換え新規を申請する人も、工事経歴書などの提出を省略できます。
省略の考え方は許可申請の添付書類の記事でも整理しています。許可を受けた後は、毎事業年度の事業報告として提出する書類があります(許可後の届出義務の記事)。
この整理で言えないこと
- このガイドラインは、国土交通大臣許可の事務を扱う地方整備局等向けに示されたものです。都道府県知事許可の記載の運用は、許可行政庁に確認してください。
- 個々の工事をどの建設工事の種類に分類するかは判断しません。
- 様式の記入欄ごとの細かな書き方や、電子申請システムの操作は扱いません。
- 申請書類の作成や申請の代行は行いません。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。工事の分類、記載する工事の範囲、提出の要否は、申請前に許可行政庁(国土交通大臣許可は地方整備局等、知事許可は都道府県の窓口)へ確認してください。
登録・通知の区分をまだ確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。