公式資料をもとに整理

一般建設業許可に請負金額の上限はあるか

発注者から直接請け負う工事の請負金額には、一般建設業・特定建設業のどちらの許可でも制限がありません。国土交通省は、請け負うだけなら金額がいくらでも一般建設業の許可で足りるとしています。金額が関わるのは、許可が要るかどうかの線(500万円)と、元請として出す下請契約の総額の線(5,000万円)です。

公開日: 2026-10-13 / 最終更新: 2026-10-13 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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請負金額そのものに上限はない

一般建設業と特定建設業の区分は、受注する工事の大きさではなく、発注者から直接請け負った1件の工事で、下請に出す契約の総額が5,000万円以上になるかどうかで決まります(建築一式工事は8,000万円以上)。条文は建設業法第3条第1項第2号と、建設業法施行令第2条です(e-Gov法令検索「建設業法」)。

国土交通省の「建設業の許可とは」は、発注者から直接請け負う請負金額について、一般・特定に関わらず制限はなく、請け負うのみであれば金額に関わらず一般建設業の許可で足りると説明しています。大きな工事でも、大半を自社で施工して下請契約の総額が5,000万円未満にとどまるなら、一般建設業の許可で差し支えありません。

この5,000万円は、令和7年2月1日に4,500万円から引き上げられた金額です(建築工事業は7,000万円から8,000万円)。古い解説に4,500万円と書かれていても、下請契約の総額の線は現在5,000万円です。

金額が関わる線の一覧(電気工事の場合)

「請負金額」で検索すると、別々の線が混ざって説明されがちです。何の金額を、どの金額と比べるのかを分けると次のとおりです。

電気工事の請負金額に関わる金額の線
比べる金額線線を超えると根拠
工事1件の請負代金(税込・注文者提供材料を含む)500万円500万円以上は建設業許可が必要(元請で下請契約の総額が5,000万円未満なら一般建設業の許可で足りる)法第3条第1項ただし書・施行令第1条の2
元請として結ぶ下請契約の総額5,000万円5,000万円以上は特定建設業の許可が必要(監理技術者の配置も必要)法第3条第1項第2号・施行令第2条、法第26条第2項
公共性のある工事などの請負代金4,500万円主任技術者または監理技術者を工事現場ごとに専任で置く(対象は令第27条の重要な工事。例外もある)法第26条第3項・施行令第27条

3つの線は比べる金額が違うため、「請負金額が5,000万円を超えたから特定建設業が必要」とは言えません。特定建設業が必要になるのは、元請として下請に出す契約の総額が基準に達するときです。専任の線は許可の種類ではなく、工事現場の技術者の置き方に関わります。

具体例で見る一般建設業の範囲(架空の数値)

一般建設業の許可で足りるかの例(架空の数値)
場面許可の要否
税込450万円の電気工事を請け負い、注文者の提供材料もない500万円に満たないため、建設業許可は不要
元請として1億円の電気工事を請け負い、下請契約の総額は4,000万円下請契約の総額が5,000万円未満なので、一般建設業の許可で足りる
元請として7,000万円の電気工事を請け負い、下請契約の総額は5,000万円下請契約の総額が5,000万円以上なので、特定建設業の許可が必要
下請として1億円の電気工事を請け負う下請契約の総額の制限は元請に対するものなので、一般建設業の許可で足りる

請負代金の数え方(消費税、注文者が提供する材料、契約を分けた場合の合算)は、建設業許可が不要な軽微な建設工事の金額の数え方で整理しています。下請契約の総額を合算する考え方は、一般建設業と特定建設業の違いに書いています。

下請として受ける場合

国土交通省は、下請代金の制限は発注者から直接請け負う建設業者に対するものなので、下請負人として施工する場合にはこのような制限はかからないとしています。ただし、下請であっても、1件の請負代金が500万円以上になる電気工事を請け負うなら、一般建設業の許可は必要です。

次に確認すること

特定建設業の許可が必要になる側の要件(財産的基礎、特定営業所技術者の資格)は電気工事業の特定建設業許可の要件で整理しています。一般建設業の許可を受けるときの人的な要件は建設業許可の営業所技術者で確認できます。

予定する工事の金額だけを入力して許可の要否を確認したい場合は電気工事の請負代金から建設業許可の要否を確認するが使えます。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。下請契約の総額や許可の要否は、契約の内容によって変わります。

予定する工事の内容、請負金額、下請に出す予定の契約を示し、許可行政庁へ最終確認してください。許可の基準は国土交通省「建設業の許可とは」でも確認できます。

建設業許可の有無と扱う電気工作物から電気工事業の4区分を整理するには、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、確認が必要な項目を分けて表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。