電力会社が維持する電圧の範囲と、測定の決まり

供給電圧の許容範囲(100Vは95〜107V、200Vは182〜222V)

標準電圧100Vの供給電圧は101Vの上下6V以内(95V〜107V)、標準電圧200Vは202Vの上下20V以内(182V〜222V)に維持することが、電気事業法施行規則第38条で定められています。維持する責任を負うのは電気を供給する一般送配電事業者で、電気工事業者や需要家ではありません。現場で電圧を測って範囲外だったときに、誰に何を確認するかを整理します。

公開日: 2026-10-14 / 最終更新: 2026-10-14 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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先に結論:維持すべき電圧の範囲

電気事業法施行規則第38条第1項は、電気を供給する場所で維持すべき電圧の値を、標準電圧ごとに次の表のとおり定めています(e-Gov法令検索「電気事業法施行規則」)。

標準電圧と維持すべき値(電気事業法施行規則第38条)
標準電圧維持すべき値範囲(計算値)
100V101Vの上下6Vを超えない値95V以上107V以下
200V202Vの上下20Vを超えない値182V以上222V以下

範囲の欄は、条文の「上下を超えない値」から計算した値です。周波数については、同条第2項が、供給する電気の標準周波数に等しい値と定めています。

誰が維持する義務を負うか

電気事業法第26条第1項は、一般送配電事業者が、供給する電気の電圧と周波数を経済産業省令で定める値に維持するよう努めなければならないと定めています(e-Gov法令検索「電気事業法」)。義務の文言は「努めなければならない」で、相手は一般送配電事業者です。

同条第2項は、維持されていないため電気の使用者の利益を阻害していると認めるときに、経済産業大臣が一般送配電事業者に対して、電気工作物の修理や改造などの措置を命ずることができると定めています。屋内配線を施工する電気工事業者に、この電圧を維持する義務が課されているわけではありません。

電圧はどう測られ、記録されるか

電気事業法第26条第3項は、一般送配電事業者に、供給する電圧と周波数を測定して記録・保存することを求めています。測定方法は施行規則第39条に、次のように定められています。

つまり法令が想定する測定は、24時間の連続記録です。工事現場でテスターを当てた一瞬の値は、この測定と同じものではありません。

現場で範囲外の値が出たときの考え方

第38条は「その電気を供給する場所において」維持すべき値を定めています。この文言からは、屋内配線の末端のコンセントでの値までを直接定めた規定とは読み取れません。配線が長い、負荷が大きいといった場合は、構内の配線側で電圧が下がっている可能性があります。

測定値が範囲外のときは、電力量計の手前で測れるか、同じ時刻に他の回路でも同じ値かを確かめます。供給側が疑われる場合の連絡先は、電気を供給している一般送配電事業者です。この記事は条文の整理で、原因の判定や是正の可否は個別の状況で変わります。

低圧・高圧・特別高圧といった電圧の区分そのものは低圧・高圧・特別高圧の電圧区分で、電気事業法全体の枠組みは電気事業法の概要で整理しています。

測定時のチェックリスト

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の電圧異常の原因や対応は、電気を供給している一般送配電事業者と、所轄の経済産業省の産業保安監督部に確認してください。

次に知りたいことは、低圧電路の絶縁抵抗の基準値、営業所に備える測定器具、技術基準の省令と解釈の見方で確認できます。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。