絶縁抵抗計の備付けと、測った値の読み方

低圧電路の絶縁抵抗の基準値(0.1MΩ・0.2MΩ・0.4MΩ)

低圧の電路の絶縁抵抗は、対地電圧150V以下なら0.1MΩ以上、150Vを超え300V以下なら0.2MΩ以上、使用電圧が300Vを超えるなら0.4MΩ以上です。電気設備技術基準を定める省令第58条の表がこの値を定め、開閉器または過電流遮断器で区切れる電路ごとに適用されます。電気工事業の営業所に備える絶縁抵抗計で測る値の基準です。

公開日: 2026-10-14 / 最終更新: 2026-10-14 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

運営: 合同会社フューチャープロンプト。AIを活用して作成し、公開前に公式資料と照合しています。誤りのご報告は運営情報へ。

先に結論:基準値は電圧の区分で3段階

電気使用場所の低圧の電路について、電線相互間および電路と大地との間の絶縁抵抗は、次の表の値以上でなければならないと定められています(e-Gov法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」第58条)。

電路の使用電圧の区分と絶縁抵抗値(省令第58条)
電路の使用電圧の区分絶縁抵抗値
300V以下で、対地電圧が150V以下0.1MΩ以上
300V以下で、対地電圧が150Vを超える(その他の場合)0.2MΩ以上
300Vを超えるもの0.4MΩ以上

低圧とは、交流で600V以下、直流で750V以下の電圧です(同省令第2条)。表の値は「以上」と定められているため、基準値ちょうどの測定値は適合です。

対地電圧とは何か:100V回路・200V回路のあてはめ

省令は対地電圧を「接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧」と定義しています。次の表は、この定義を身近な回路にあてはめたものです。回路の接地の方式で結論が変わる場合があるため、実際の設備では接地の方式を確かめてください。

回路の例ごとの基準値(省令第58条の表を適用した整理)
回路の例対地電圧の考え方基準値
単相2線式100Vの回路(片側接地)電線と大地の間が100V0.1MΩ以上
単相3線式100V/200Vの回路(中性線接地)各電圧線と大地の間が100V0.1MΩ以上
三相3線式200Vの回路(一線接地)接地されていない線と大地の間が200V0.2MΩ以上
三相3線式200Vの回路(非接地)電線間の電圧が200V0.2MΩ以上
三相400Vの回路300Vを超える0.4MΩ以上

同じ「200V」の機器でも、単相3線式の2線を使う回路は対地電圧が100V、一線接地や非接地の三相200Vの回路は200Vとして扱います。電源の方式を見ないと基準値が決まらない点が、この表のいちばん間違えやすい部分です。200V専用回路の工事の資格の側はIHクッキングヒーター設置の資格と登録の境界にあります。

「電路ごと」に適用される単位

省令第58条は、開閉器または過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに基準値を適用すると定めています。電気設備技術基準の解釈(経済産業省)第14条も、第147条から第149条までの規定により施設する開閉器または過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、同じ絶縁性能を求めています(経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」)。分電盤の分岐回路一本ずつが判定の単位で、建物全体を一つの値でまとめて判定するものではありません。

絶縁抵抗を測れない場合の漏えい電流1mA以下

同じ解釈第14条は、絶縁抵抗の測定が困難な場合には、電路の使用電圧が加わった状態での漏えい電流が1mA以下であることでも適合としています。絶縁抵抗の表とは別の物差しで、両方を満たす必要はなく、どちらか一方に適合すればよい構成です。

電気工事業の登録との関係

電気工事業法第24条と施行規則第11条は、営業所ごとに絶縁抵抗計などの器具を備えることを求めています。一般用電気工事のみの営業所は絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計の3種類、自家用電気工事を含む営業所は検電器などを加えた7種類です。どの器具が必要かは営業所に備える測定器具で整理しています。

登録調査機関が行う一般用電気工作物の調査でも、絶縁抵抗計は使う測定器の一つです。調査の中身は一般用電気工作物の調査で扱っています。器具を備えていることと、基準値を満たす施工をしたことは別の話で、前者は事業者の義務、後者は施工した電路ごとの結果です。

測定結果を記録するときのチェックリスト

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の電路の基準値や測定方法は、省令・解釈の原文と、所轄の経済産業省の産業保安監督部または都道府県の窓口で確認してください。

次に知りたいことは、営業所に備える測定器具、接地工事のA種からD種、技術基準の省令と解釈の見方で確認できます。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。