電気設備の技術基準の解釈 第13条・第15条
高圧電路の絶縁耐力試験は10分間(解釈第15条)
高圧の電路は、第一号の方法では、試験電圧を電路と大地の間に連続して10分間加えて耐える絶縁性能が求められます。最大使用電圧が7,000V以下の交流の電路なら、試験電圧は最大使用電圧の1.5倍の交流電圧です。 その前提となる「電路は大地から絶縁する」原則と例外もあわせて、解釈から整理します。
公開日: 2026-10-29 / 最終更新: 2026-10-29 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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電路は大地から絶縁する原則と例外(第13条)
解釈第13条は、電路を大地から絶縁することを原則としています。例外は、接地工事を施す場合の接地点と、絶縁できないことがやむを得ない部分です。
| 区分 | 条文に挙げられている例 |
|---|---|
| 接地点 | 解釈の規定により接地工事を施す場合の接地点 |
| 電路の一部を大地から絶縁せずに電気を使用することがやむを得ないもの | エックス線発生装置、試験用変圧器、電力線搬送用結合リアクトル、電気さく用電源装置、電気防食用の陽極、単線式電気鉄道の帰線、電極式液面リレーの電極など |
| 大地から絶縁することが技術上困難なもの | 電気浴器、電気炉、電気ボイラー、電解槽など |
つまり、例外の部分以外の電路は、絶縁性能を持つことが前提です。その性能をどう確かめるかを、次の第14条(低圧)と第15条(高圧・特別高圧)が定めています。
低圧と高圧で絶縁性能の確かめ方が違う
低圧は絶縁抵抗か漏えい電流で、高圧・特別高圧は試験電圧に耐えるかで確かめます。電気使用場所の低圧の電路は、第14条により、省令第58条の絶縁抵抗の値に適合するか、絶縁抵抗の測定が困難なときは使用電圧が加わった状態の漏えい電流が1mA以下であることが求められます。
| 電路の電圧区分 | 条文 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 低圧(電気使用場所) | 第14条 | 省令第58条の絶縁抵抗値(測定が困難なときは漏えい電流1mA以下) |
| 高圧・特別高圧 | 第15条 | 15-1表の試験電圧を連続して10分間加えて耐えること |
低圧側の絶縁抵抗の値は低圧電路の絶縁抵抗の基準値で整理しています。 変圧器など、第16条に別に定めのあるものは、第15条の対象から除かれています。
高圧電路の試験電圧と10分間(第15条)
第15条第一号は、15-1表の試験電圧を電路と大地の間に連続して10分間加えたときに耐えることを求めています。多心ケーブルでは、心線相互間と、心線と大地の間の両方が対象です。
| 電路の種類 | 試験電圧 |
|---|---|
| 最大使用電圧7,000V以下・交流 | 最大使用電圧の1.5倍の交流電圧 |
| 最大使用電圧7,000V以下・直流 | 最大使用電圧の1.5倍の直流電圧、または1倍の交流電圧 |
| 7,000V超60,000V以下・中性点接地式で最大使用電圧15,000V以下(中性線を有し多重接地するものに限る) | 最大使用電圧の0.92倍の電圧 |
| 7,000V超60,000V以下・上記以外 | 最大使用電圧の1.25倍の電圧(10,500V未満となる場合は10,500V) |
たとえば、最大使用電圧が6,900Vの交流の電路なら、試験電圧は6,900V×1.5で10,350Vです。 最大使用電圧は、第1条で、公称電圧に1-1表の係数を乗じるなどして求めると定められています。この記事の数値は計算の例であり、個別の電路の最大使用電圧は設備の条件で決まります。
60,000Vを超える電路には、中性点が接地されているかどうかなどで別の倍率が15-1表に定められています。この記事では、高圧(7,000V以下)を含む60,000V以下の行だけを抜粋しました。
ケーブルは試験電圧の2倍の直流でも確かめられる
電線にケーブルを使う交流の電路は、15-1表の試験電圧の2倍の直流電圧を10分間加える方法でもよいとされています。第15条は、第一号か第二号のいずれかに適合すればよい書き方です。
| 号 | 加える電圧 | 対象 | 時間 |
|---|---|---|---|
| 第一号 | 15-1表の試験電圧 | 高圧・特別高圧の電路 | 連続して10分間 |
| 第二号 | 15-1表の試験電圧の2倍の直流電圧 | 電線にケーブルを使用する交流の電路 | 連続して10分間 |
どちらの号も、電路と大地の間(多心ケーブルは心線相互間と心線と大地の間)に加える点は同じです。 同じ最大使用電圧6,900Vの交流電路をケーブルで施設する場合は、第二号の方法で10,350V×2の20,700Vの直流電圧を10分間加える計算になります。
この整理で言えないこと
- 個別の電路に必要な試験電圧は判定しません。最大使用電圧は設備の条件で決まります。
- 試験の手順、試験機器の選び方、合否の記録の取り方は扱いません。
- 第16条が定める変圧器など機械器具の電路の絶縁性能は扱いません。変圧器・電動機の絶縁性能の試験電圧(解釈第16条)で整理しています。
- 60,000Vを超える電路の倍率と、第15条の第三号・第四号(地中電線路や特別高圧の別の確かめ方)は扱いません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
高圧受電設備の点検の頻度は高圧受電設備の点検頻度で整理しています。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の電路の絶縁性能の確認方法は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第1条・第13条から第15条)です。
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次に知りたいこと:電気工事業の帳簿に記載する項目と保存期間、登録後に確認する義務、省令と解釈の違い