電気設備の技術基準の解釈 第16条第1項・第2項

変圧器・電動機の絶縁性能の試験電圧(解釈第16条)

変圧器の電路は、最大使用電圧が7,000V以下なら最大使用電圧の1.5倍の電圧に耐える絶縁性能が求められます。ただし500V未満になる場合は500Vです。電動機などの回転機も、回転変流機を除き同じ1.5倍で、7,000Vを超えると1.25倍に変わります。

公開日: 2026-10-29 / 最終更新: 2026-10-29 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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第16条は変圧器・回転機・整流器の電路を定める

第15条の対象から「次条に規定するもの」が除かれており、その次条が第16条です。第16条は、第1項で変圧器、第2項で回転機、第3項で整流器の電路の絶縁性能を定めています(第4項以降の燃料電池・太陽電池モジュール・開閉器などの器具は、この記事では扱いません)。 低圧の電路を定める第14条も、第16条に規定するものを対象から除いています。

機器の電路の絶縁性能を定める項(第16条)
項対象試験電圧の表
第1項変圧器16-1表
第2項回転機(電動機・発電機など)16-2表
第3項整流器16-3表

第1項の「変圧器」からは、放電灯用変圧器、エックス線管用変圧器、吸上変圧器、試験用変圧器、計器用変成器などの特殊の用途のものが除かれています。 この記事では、整流器(第3項)と特殊用途の変圧器は扱いません。

変圧器の試験電圧(16-1表)

変圧器の巻線は、最大使用電圧が7,000V以下なら、最大使用電圧の1.5倍(500V未満なら500V)の試験電圧に耐えることが求められます。16-1表は、巻線の最大使用電圧と接続する電路の種類で試験電圧を分けています。

最大使用電圧が60,000V以下の変圧器の巻線の試験電圧(16-1表の抜粋)
変圧器の巻線の種類試験電圧
最大使用電圧7,000V以下最大使用電圧の1.5倍の電圧(500V未満となる場合は500V)
7,000V超60,000V以下・15,000V以下で中性点接地式電路(中性線を有し多重接地するものに限る)に接続するもの最大使用電圧の0.92倍の電圧
7,000V超60,000V以下・上記以外最大使用電圧の1.25倍の電圧(10,500V未満となる場合は10,500V)
7,000V超60,000V以下・中性点非接地式電路に接続するもの最大使用電圧の1.25倍の電圧

試験電圧を巻線のどの端子間・鉄心・外箱との間に加えるかは、16-1表の右欄と注(※1から※4)で巻線の種類ごとに定められています。この記事では扱いません。

60,000Vを超える巻線には、中性点の接地方式ごとに0.72倍、0.64倍、1.1倍などの倍率が16-1表にあります。この記事の抜粋には含めていません。

表の試験電圧は、条文の第一号の方法です。第二号として、日本電気技術規格委員会が承認した規格「電路の絶縁耐力の確認方法」の「適用」の欄に規定する方法で絶縁耐力を確認する方法も認められています。

電動機などの回転機の試験電圧(16-2表)

回転機は、巻線と大地の間に16-2表の試験電圧を連続して10分間加えて耐えることが求められます。最大使用電圧7,000V以下の回転機は最大使用電圧の1.5倍(500V未満なら500V)、7,000Vを超えるものは1.25倍(10,500V未満なら10,500V)です。

回転機の巻線の試験電圧(第16条第2項・16-2表)
種類試験電圧
回転変流機直流側の最大使用電圧の1倍の交流電圧(500V未満となる場合は500V)
上記以外の回転機・最大使用電圧7,000V以下最大使用電圧の1.5倍の電圧(500V未満となる場合は500V)
上記以外の回転機・最大使用電圧7,000V超最大使用電圧の1.25倍の電圧(10,500V未満となる場合は10,500V)

第2項には、このほかに2つの別の方法があります。回転変流機を除く交流の回転機は、16-2表の試験電圧の1.6倍の直流電圧を巻線と大地の間に連続して10分間加える方法でもかまいません(第二号)。 最大使用電圧が7,000V以下の誘導電動機は、日本電気技術規格委員会が承認した規格「電路の絶縁耐力の確認方法」の「適用」の欄に規定する方法でもよいとされています(第三号)。

第15条の電路との違い

電路の試験電圧は最大使用電圧7,000V以下の交流で1.5倍、変圧器と回転機は500V未満なら500Vという下限が付く点が違います。7,000V超60,000V以下では、各表の「上記以外」の区分は、電路も変圧器の巻線も1.25倍(10,500V未満なら10,500V)です。

ただし、試験電圧を加える箇所は電路が電路と大地の間、変圧器が巻線ごとの注の定めで異なります。

最大使用電圧が7,000V以下・交流のときの試験電圧の比較
対象条文試験電圧
高圧の電路第15条最大使用電圧の1.5倍の交流電圧
変圧器の巻線第16条第1項最大使用電圧の1.5倍の電圧(500V未満なら500V)
回転機の巻線第16条第2項最大使用電圧の1.5倍の電圧(500V未満なら500V)

電路の試験電圧と10分間の条件は高圧電路の絶縁耐力試験は10分間(解釈第15条)で、 電動機の過負荷保護は電動機の過負荷保護装置が不要になる条件で整理しています。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の機器の絶縁性能の確認方法は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第16条第1項・第2項)です。

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