電気設備の技術基準の解釈 第5条第1項・第2項
絶縁電線の性能と耐電圧試験(解釈第5条)
絶縁電線は、電気用品安全法の適用を受けるものか、解釈第5条の性能を満たすものを使います。性能の中心は完成品の耐電圧試験で、清水中に1時間浸した後、導体と大地の間に低圧は3,000V(断面積300mm2超は3,500V)、高圧は12,000V、特別高圧は25,000Vの交流を1分間加えて耐えることです。
公開日: 2026-10-29 / 最終更新: 2026-10-29 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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第5条第1項は絶縁電線の性能を定める
絶縁電線は、電気用品安全法(昭和36年法律第234号)の適用を受けるものか、第5条第1項各号に適合する性能を持つものを使用することとされています。第7条のコードは電気用品安全法の適用を受けるものに限られますが、絶縁電線はこの法律の適用を受けない場合の性能の定めが解釈に置かれています。
| 号 | 内容 |
|---|---|
| 第一号 | 通常の使用状態における温度に耐えること |
| 第二号 | 構造は、絶縁物で被覆した電気導体であること |
| 第三号 | 低圧絶縁電線の絶縁体の厚さは別表第4の標準値で、平均値が標準値の90%以上、最小値が標準値の80%以上であること |
| 第四号 | 完成品が、耐電圧試験と、その後の絶縁抵抗の測定に適合すること |
ただし書として、引下げ用高圧絶縁電線(第21条第三号、第168条第1項第二号ロ)や、第181条・第182条が指定する絶縁電線を使う場合は、この限りでないとされています。 この記事では、その例外は扱いません。
完成品の耐電圧試験(5-1表)
試験は、清水中に1時間浸した後、導体と大地の間に5-1表の交流電圧を連続して1分間加える方法です。電圧は電線の種類で決まり、低圧絶縁電線は導体の断面積が300mm2以下か超かで2段階に分かれます。
| 絶縁電線の種類 | 交流電圧 |
|---|---|
| 低圧絶縁電線・導体の断面積300mm2以下 | 3,000V |
| 低圧絶縁電線・導体の断面積300mm2超 | 3,500V |
| 高圧絶縁電線 | 12,000V |
| 特別高圧絶縁電線 | 25,000V |
この試験は、電線の製品としての性能を定めるものです。 現場で完成した電路に加える試験電圧は別の条文で、高圧電路は高圧電路の絶縁耐力試験は10分間(解釈第15条)で整理しています。
試験後の絶縁抵抗と絶縁体の厚さ
耐電圧試験の後に、導体と大地の間に100Vの直流電圧を1分間加えて測った絶縁体の絶縁抵抗が、別表第6の値以上であることも求められます。別表第6は、使用電圧の区分(低圧・高圧・特別高圧)ごとの体積固有抵抗と、絶縁体の外径・内径から絶縁抵抗を求める式を定めています。
低圧絶縁電線の絶縁体の厚さは、別表第4の標準値が基準です。 測った厚さの平均値が標準値の90%以上、最小値が標準値の80%以上でなければなりません。 一部が薄くなっていても、最小値が標準値の80%を下回ると適合しません。
使用中の電路の絶縁抵抗の基準値は、電線の性能ではなく電気設備技術基準の省令が定めます。低圧電路の絶縁抵抗の基準値で整理しています。
第2項が規格を定める7種類の絶縁電線
第2項は、第1項の性能を満たす電線として、600Vビニル・600Vポリエチレン・600Vふっ素樹脂・600Vゴム・屋外用ビニル・高圧・特別高圧の7種類の規格を定めています。導体は、別表第1の銅線またはより線、別表第2のアルミ線またはより線などから選びます。
| 絶縁電線の種類 | 絶縁体の材料 |
|---|---|
| 600Vビニル絶縁電線・屋外用ビニル絶縁電線 | ビニル混合物 |
| 600Vポリエチレン絶縁電線 | ポリエチレン混合物 |
| 600Vふっ素樹脂絶縁電線 | ふっ素樹脂混合物 |
| 600Vゴム絶縁電線 | 天然ゴム混合物、スチレンブタジエンゴム混合物、エチレンプロピレンゴム混合物またはけい素ゴム混合物 |
| 高圧絶縁電線 | ポリエチレン混合物またはエチレンプロピレンゴム混合物 |
| 特別高圧絶縁電線 | 架橋ポリエチレン混合物 |
特別高圧絶縁電線の絶縁体の厚さは5-3表で、導体の公称断面積が22mm2以上38mm2以下で2.5mm、38mm2超150mm2以下で3.0mm、150mm2超500mm2以下で3.5mmです。 高圧絶縁電線の厚さは別表第5が定めます。
電線の種類によらず、第3条は、通常の使用状態における温度に耐えることと、線心が2本以上のものは色分けなどで識別できることを共通の事項としています。 外装を持つキャブタイヤケーブルの試験はキャブタイヤケーブルの性能と耐電圧試験(解釈第8条)で整理しています。 裸電線を使える場所は電気使用場所の裸電線の禁止と6つの例外(解釈第144条)で整理しています。
この整理で言えないこと
- 個別の電線が第5条に適合するかは判定しません。製品の表示や規格は、メーカーや電気用品安全法の表示で確認します。
- 別表第1から第6の数値表、第3項以降の引下げ用高圧絶縁電線、第5条第2項の第三号以降の詳細な構造は扱いません。
- 現場での電線の太さの選定や、許容電流は扱いません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の電線の適合は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第3条・第5条)です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいこと:電気工事業の帳簿に記載する項目と保存期間、電線の接続の要件、省令と解釈の違い