公式資料をもとに整理
電気工事の道路使用許可(申請先・必要書類・罰則)
道路で工事や作業をする人とその請負人は、作業する場所を管轄する警察署長の道路使用許可を受けなければなりません。電気工事で道路に作業車を止めて行う作業も、この対象になりうるため、申請の前に所轄の警察署に確認します。許可を受けないで工事や作業をすると、3月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金の対象です。
公開日: 2026-10-13 / 最終更新: 2026-10-13 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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許可が必要な行為と申請する人
道路交通法第77条第1項第1号は、道路において工事もしくは作業をしようとする者、またはその工事もしくは作業の請負人に、所轄警察署長の許可を求めています(e-Gov法令検索「道路交通法」)。警視庁の案内では、この「作業」の例にクレーンを使用した資材搬出入やコンクリート打設を挙げています(警視庁「道路使用許可申請手続きについて」)。
条文は、工事をしようとする者と、その請負人の両方を対象にしています。元請と下請のどちらが申請するかは条文では決まらないため、契約の相手と取り決め、所轄の警察署にも確認します。下請の電気工事業者が元請の許可の範囲で作業できるかどうかも、同じ窓口で確認します。
電気工事の中で、どの作業が「道路において」の「作業」に当たるかは、このページでは判断しません。作業車を道路に止めて高所で作業する、道路上に資材を置く、といった場面は、作業の内容と場所を伝えて所轄署に確認します。
申請先と必要な書類
警視庁の案内によると、申請先は、道路使用許可を受けようとする道路の場所を管轄する警察署(交通規制係)です。2署以上にまたがる場合は、いずれか一方の警察署に申請します。ここでは東京都の案内を例にしており、他の道府県の運用は、その地域の警察の案内で確認してください。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 道路使用許可申請書 | 窓口申請の場合は2部作成 |
| 工事概要 | 工事・作業の内容 |
| 現場案内図 | 工事・作業実施場所周辺の見取図 |
| 緊急時の連絡先 | 案内に記載あり |
| 道路使用状況図(作業帯図) | 道路をどのように使うかを示す図 |
| 交通量調査結果など | 案内に「など」とあり、内容により異なる |
案内には、工事・作業の内容により上の書類がすべて必要とは限らないため、詳細は申請先の警察署に問い合わせるよう書かれています。申請手数料は、警視庁では工事・作業の申請が2,700円です(2026年3月2日更新の案内)。この手数料は審査にかかる費用で、道路の使用料ではなく、原則として返還されません。
広範囲に及ぶ工事や、国道・都道・高速道路での工事は、事前協議が必要になる場合があります。交通への影響が大きいと予想されるものは、申請する前に管轄警察署に相談するよう案内されています。また、原則として1行為につき1申請です。
許可の判断と条件
所轄警察署長は、申請に係る行為が次のいずれかに当たるときは、許可をしなければなりません(道路交通法第77条第2項)。
- 現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき
- 許可に付された条件に従って行われることにより、交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき
- 現に交通の妨害となるおそれはあるが、公益上または社会の慣習上やむを得ないものと認められるとき
許可にあたって、必要があると認めるときは、交通の安全と円滑のための条件を付けられます(第77条第3項、上の1つ目に当たる場合を除く)。条件に違反したときや、特別の必要が生じたときは、許可を取り消されたり、効力を停止されたりすることがあります(同条第5項)。許可を受けても、条件に従って作業することが前提です。
道路使用許可と道路占用許可の違い
道路使用許可とは別に、道路法第32条は、電柱、電線、変圧塔その他これらに類する工作物などを道路に設け、継続して道路を使用しようとする場合に、道路管理者の許可を求めています(e-Gov法令検索「道路法」)。警視庁の案内も、道路に工作物を設ける場合は、道路管理者の道路占用許可もあわせて必要だと注記しています。
| 項目 | 道路使用許可 | 道路占用許可 |
|---|---|---|
| 根拠 | 道路交通法第77条 | 道路法第32条 |
| 許可する人 | 所轄警察署長 | 道路管理者 |
| 主な対象 | 道路での工事・作業、工作物の設置など | 電柱・電線などを道路に設けて継続して使用すること |
電気工事で両方が関わりうるのは、電柱や電線を道路に設ける工事です。許可する人が別なので、どちらにどの書類を出すか、手続きの順番はどうかを、先に両方へ確認します。
許可を受けないときの罰則
道路交通法第77条第1項の規定に違反した場合は、違反行為をした者が3月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金に処せられます(第119条第2項第7号)。許可に付された条件に違反した場合も、同じ範囲の罰則です(同項第8号)。電気工事業の登録や電気工事士免状とは別の、道路を使うための手続きです。
高所での作業の資格や教育は高所作業の特別教育で、クレーンの玉掛けは玉掛けの資格で整理しています。
この整理で言えないこと
- 個別の電気工事が道路使用許可の対象かどうかは判断しません。
- 東京都以外の書類や手数料は扱いません。都道府県ごとに運用や金額が異なる場合があります。
- 道路占用許可の申請書類や占用料は扱いません。
- 交通誘導員の配置や、作業帯の安全基準は扱いません。
- 私有地で、一般交通の用に供されていない場所での作業は扱いません。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。許可の要否、申請者、必要な書類、手数料は、作業する場所を管轄する警察署に確認してください。電柱や電線を道路に設ける場合は、道路管理者にも確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。