開業後の義務(従業員に作業車を運転させる前に)
電気工事の作業車を運転できる免許区分(普通・準中型の境目)
電気工事の作業車は、車両総重量が3.5トン未満(最大積載量2トン未満)なら普通免許、7.5トン未満(最大積載量4.5トン未満)なら準中型免許で運転できます。2トントラックでも、架装で車両総重量が3.5トンを超えれば普通免許では運転できません。免許区分の境目、2017年3月12日より前の普通免許の扱い、使用者の義務、高所作業車の資格との違いを、道路交通法と警察庁の資料から整理します。
公開日: 2026-10-19 / 最終更新: 2026-10-19 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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免許区分ごとの車の大きさ
自動車の種類は、車両総重量と最大積載量の組み合わせで普通・準中型・中型・大型に分かれます。警察庁のリーフレットは、免許の区分と受験資格を次のように示しています(警察庁「改正道路交通法が施行されます」、警察庁「準中型免許」)。
| 免許 | 車両総重量 | 最大積載量 | 受験資格 |
|---|---|---|---|
| 普通免許 | 3.5トン未満 | 2トン未満 | 18歳以上 |
| 準中型免許 | 7.5トン未満 | 4.5トン未満 | 18歳以上 |
| 中型免許 | 11トン未満 | 6.5トン未満 | 20歳以上・普通免許等を2年以上保有 |
| 大型免許 | 11トン以上 | 6.5トン以上 | 21歳以上・普通免許等を3年以上保有 |
警察庁の資料は、準中型免許で普通自動車も運転できると案内しています。逆に、普通免許で運転できるのは車両総重量3.5トン未満(最大積載量2トン未満)です。車両総重量と最大積載量の数字は車検証で確認し、荷台や工具棚などを架装した後の車で見ます。
2017年3月12日より前の普通免許と5t限定準中型免許
準中型免許は平成29年(2017年)3月12日に新設されました。警察庁のリーフレットは、すでに普通免許を持っている人は「引き続き車両総重量5トン未満の自動車を運転することができます」と案内しています。さらに、指定自動車教習所での4時限以上の教習などによる限定解除審査に合格すれば、5トン以上7.5トン未満の自動車も運転できます。
警察庁の通達では、この区分は「準中型車(5t)限定準中型免許」として扱われ、限定解除の教習が定められています(警察庁の教習の標準に関する通達)。道路交通法第91条は、公安委員会が運転の技能に応じて運転できる自動車の種類を限定し、条件を付けられると定めています(e-Gov法令検索「道路交通法」)。
同じ「普通免許」でも、取得した時期や限定の有無で運転できる範囲が違うため、従業員の免許証の記載を現物で確認します。条件欄の読み方は、免許証を交付した都道府県の運転免許センターで確認できます。
従業員に運転させる前に確認すること
運転させる作業車の区分と、従業員の免許の区分を、次の順に照らします。
- 作業車の車検証で、車両総重量と最大積載量を見る。
- 上の表で、その車を運転できる免許区分を決める。どちらかの数字が基準以上なら、上の区分になる。
- 運転する従業員の免許証で、免許の種類・取得日・条件欄を現物で確認する。
- 免許の有効期限と、免許の効力が停止されていないかを確認する。
道路交通法第64条第1項は、公安委員会の運転免許を受けないで(免許の効力が停止されている場合を含む)自動車を運転してはならないと定めています。同条第2項は、無免許で運転するおそれのある人に自動車を提供することも禁じています。
使用者の義務(道路交通法第75条)
自動車の使用者は、業務に関して、免許を受けていない人に運転を命じたり、運転を容認したりしてはならないと、道路交通法第75条第1項が定めています。運転免許を受けた人でなければ運転できない自動車を、免許を受けている人以外が運転すること(第1号)が対象です。
同項第5号は、第85条第5項から第8項までに違反する運転も対象にしています。第85条は、21歳に満たない人や、免許を受けていた期間が通算で2年または3年に達しない人は、政令で定める大きさの大型・中型・準中型・普通自動車を運転できないと定めています。年齢や免許の保有年数で運転できない車がある点も、配車の前に確認します。
第75条第2項は、違反によって使用者の自動車の使用が著しく交通の危険を生じさせるおそれがあるときは、公安委員会が6か月を超えない範囲で、その違反に係る自動車の運転を禁じる命令ができると定めています。
高所作業車は道路を走る免許と作業の資格が別
高所作業車の作業床を操作する資格は、労働安全衛生法令に定めがあり、道路を走る運転は対象外です。道路を走るには、他の自動車と同じく、車の大きさに応じた運転免許が要ります。
| 作業床の高さ | 必要なもの(道路上を走行させる運転を除く) | 根拠 |
|---|---|---|
| 10メートル以上 | 技能講習 | 労働安全衛生法施行令第20条第15号 |
| 10メートル未満 | 特別教育 | 労働安全衛生規則第36条第10号の5 |
資格の詳細は電気工事の高所作業に必要な特別教育・技能講習、道路を使う作業の許可は作業車を使う道路使用許可で整理しています(条文は労働安全衛生法施行令、労働安全衛生規則)。
この整理で言えないこと
- 特定の車種がどの免許区分に当たるかは、車検証の数字で個別に判断します。この記事では車種ごとの判定をしません。
- 免許証の条件欄の読み方、免許の取得・限定解除の手続は、都道府県の運転免許センターの案内に従ってください。
- 無免許運転などの罰則の内容と、運行管理(アルコールチェックなど)の義務は、この記事では扱いません。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。従業員の免許で運転できる車の範囲は、免許証の記載と、都道府県公安委員会(運転免許センター・警察署)の案内で確認してください。
従業員を雇う前提で電気工事業の登録の区分を整理するには、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、確認が必要な項目を分けて表示できます。