電気関係報告規則第4条の2・PCB特別措置法第8条・第10条

PCB含有電気工作物の判明・廃止の届出と処分期限

変圧器や電力用コンデンサーなど12種類の電気工作物は、絶縁油にPCB(ポリ塩化ビフェニル)を含むものがあり、PCBを含むと判明したとき、廃止したとき、油が構外へ漏れたときに、設置者が産業保安監督部などへ届け出る必要があります。低濃度PCB廃棄物の処分期限は令和9年3月31日です。

公開日: 2026-10-18 / 最終更新: 2026-10-18 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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PCB含有電気工作物は12種類の機器が対象で、濃度で高濃度と低濃度に分かれる

経済産業省の説明資料「PCB含有電気工作物(電気事業法)について」(令和6年度)によると、PCB含有電気工作物は主に、電圧6,600ボルト以上の電気を受電する工場・ビルなどの事業場内にあり、高圧受電設備(電気室、キュービクルなど)の中に設置されています。

PCB告示(平成28年経済産業省告示第237号)は、PCB含有電気工作物に当たる可能性がある電気工作物として、次の12種類を挙げています。

絶縁油に含まれるPCBの濃度で、次の2つに分かれます。いずれも、同資料が示すPCB内規の別表に掲げる具体的な機種が対象です。

PCB含有電気工作物の濃度区分(経済産業省の説明資料)
区分絶縁油のPCB濃度重量比の目安
高濃度5,000mg/kg超0.5%超
低濃度0.5mg/kg超5,000mg/kg以下0.00005%超0.5%以下

有無は銘板などで確認し、低濃度は絶縁油の分析で確かめる

同資料は、高圧受電設備などを設置する事業場に選任された電気主任技術者(電気管理技術者・電気保安法人を含む)に、高濃度PCB含有電気工作物の有無の確認を職務として行わせるとしています。確認は原則として現場で銘板などを目視し、結果を記録に残します。

銘板の写真や写し、製造者名・表示記号などが載った工事関係書類で確認し保管している場合は、現場での目視を省略できます。ただし、前年度の確認のあとにPCB告示の電気工作物が新たに設置された場合は、他で使われていたものが流用されていないかを現場で確認する必要があります。

低濃度かどうかは、原則として絶縁油を採取して分析機関で分析し、濃度が0.5mg/kgを超えれば低濃度PCB含有電気工作物に当たります。一部の電力用コンデンサーのように油を採取できない構造のものは、採油のための開封で継続使用ができなくなることがあります。

同資料は、高圧受電設備の現場確認で、設置者の従業員が高圧交流負荷開閉器のヒューズ部に接触して感電し、右肩・右胸にⅢ度の熱傷を負った事例を載せています。電気室やキュービクルの確認は、事前に電気主任技術者などへ相談し、停電を伴う年次点検の際に行う手順を決めておき、電気取扱者に行わせるよう求めています。

電気事業法側の届出は、判明・変更・廃止・漏えいの4種類

電気関係報告規則第4条の2第1項に基づき、設置者は次の場合に、設置場所を管轄する産業保安監督部などへ届け出ます。提出先は設置場所が属する一般送配電事業者の供給区域ごとに分かれています。

電気関係報告規則第4条の2第1項の届出(経済産業省の説明資料)
届出必要な場合期限様式
設置等の届出高濃度または低濃度のPCB含有電気工作物と判明したとき(すぐに廃止して廃止の届出をする場合を除く)判明後、遅滞なく様式第13の2
変更の届出設置者の氏名・住所、事業場の名称・所在地、使用状態のいずれかを変更したとき変更後、遅滞なく様式第13の3
廃止の届出高濃度または低濃度のPCB含有電気工作物を廃止したとき廃止後、遅滞なく様式第13の4
絶縁油の漏えい事故の届出破損などの事故で、PCBを含む絶縁油が構外へ排出された、または地下に浸透したとき事故の発生後、可能な限り速やかに様式第13の5

同資料は、電気設備技術基準省令で高濃度PCB含有電気工作物の継続使用が禁止され、電気関係報告規則で高濃度PCB含有電気工作物の毎年度の管理状況の届出が設置者に義務付けられたと説明しています。届出書に書く項目の詳細と最新の様式は、同資料と産業保安監督部の案内で確認してください。

廃止したあとは、PCB特措法の届出と処分の対象になる

同資料によると、PCB含有電気工作物の廃止後はPCB廃棄物として扱われ、所定の時期にPCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特措法)の届出が必要になります。この届出の提出先(相談窓口)は都道府県・市です。

e-Gov法令検索「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」第8条第1項は、保管事業者などが毎年度、高濃度PCB廃棄物の保管と処分の状況を都道府県知事に届け出ると定めています。第10条第1項は、保管事業者が政令で定める処分期間内に高濃度PCB廃棄物を自ら処分するか、処分を他人に委託するよう定めています。

低濃度PCB廃棄物の処分期限は令和9年3月31日

経済産業省の説明会案内は、低濃度PCB廃棄物の処分期限を令和9年3月31日までと記しています。PCB含有電気製品は、使用を終えて廃棄するときにPCB特措法に基づいて適正に処分しなければなりません。

電気工事業者が受電設備の更新、キュービクルの入替え、照明改修などを請け負うときは、撤去する変圧器・コンデンサーなどにPCBが含まれる可能性があります。次の順で確認します。

  1. 撤去対象の機器の銘板や設備管理の書類で、製造者名・表示記号・製造年月を確認する
  2. PCBを含む可能性があるときは、施主と、その事業場の電気主任技術者に連絡する
  3. 届出と処分の主体は、機器の設置者(施主)であることを、契約前に確認する
  4. 届出の要否と提出先は、産業保安監督部(電気事業法)と都道府県・市(PCB特措法)に確認する

電気工事業の登録や建設業許可は別の制度です。登録の要否は登録が必要かどうかのガイド、改修前の石綿の調査は石綿の事前調査のガイド、工事で出る廃棄物の責任は建設工事の廃棄物のガイドで確認できます。

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の機器がPCB含有に当たるかの判定や廃棄物の処分の助言も行いません。個別の案件は、産業保安監督部、都道府県・市の担当窓口、事業場の電気主任技術者に確認してください。

一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。