労働施策総合推進法第28条・同法施行規則第10条〜第12条
外国人従業員を雇う電気工事事業者の雇用状況の届出(期限・確認書類・罰則)
外国人を従業員として雇い入れたとき、事業主は氏名や在留資格などを確認して、厚生労働大臣へ届け出なければなりません。雇用保険に入る人は雇入れの翌月10日まで、入らない人は雇入れの翌月末日までに、事業所を管轄するハローワークへ出します。 この記事は、電気工事の事業者が従業員を雇うときの届出の対象、期限、確認する書類、届出をしなかったときの罰則を、法律と省令の条文から整理します。
公開日: 2026-10-11 / 最終更新: 2026-10-11 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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届出が必要な場面と対象
根拠は、e-Gov法令検索「労働施策総合推進法」第28条第1項です。事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合と、雇っている外国人が離職した場合に、氏名、在留資格、在留期間などを確認して届け出る義務があります。
雇入れだけでなく離職のときも届出が必要です。事業主であれば対象になります。一人親方のように雇用関係のない外注先との関係は、この条文の「雇い入れ」の話ではありません。
対象の外国人から外れるのは、在留資格が「外交」または「公用」の人と、特別永住者です(同法施行規則第1条の2第1項)。それ以外の外国人は、国籍や在留資格の種類にかかわらず届出の対象です。
提出先と期限は雇用保険の有無で変わる
期限は、同法施行規則第12条が定めています。e-Gov法令検索「同法施行規則」で現行の条文を確認できます。提出先は、事業所の所在地を管轄するハローワーク(公共職業安定所)の長です。
| 雇われる外国人 | 雇入れの期限 | 離職の期限 | 届出の方法 |
|---|---|---|---|
| 雇用保険の被保険者 | 雇入れの日の属する月の翌月10日まで | 離職の日の翌日から10日以内 | 雇用保険の資格取得届・喪失届と併せて、在留資格などを記載する |
| 雇用保険の被保険者でない | 雇入れの日の属する月の翌月末日まで | 離職の日の属する月の翌月末日まで | 外国人雇用状況届出書(様式第三号)で届け出る |
雇用保険に入る従業員かどうかは、従業員を雇う電気工事事業者の労災保険・雇用保険のガイドで整理した加入の条件で決まります。雇用保険の手続きと同じ書類に記載する方法のため、雇用保険の手続きの書類に在留資格などを併せて記載すれば、届出も同時に済みます。
届け出る事項と確認する書類
届け出る事項は、施行規則第10条第2項から第4項が実際の届出事項を定めており、被保険者は雇用保険の届出と併せて、被保険者でない人は様式第三号で届け出ます。次の表にまとめます。住所や賃金は、この3つの項のどれにも列挙されていません。
| 事項 | 雇用保険の被保険者(第2項) | 被保険者でない人(第4項・様式第三号) | 確認する書類 |
|---|---|---|---|
| 在留資格・在留期間 | 雇入れ・離職とも | 雇入れ・離職とも | 在留カード(中長期在留者以外は旅券または在留資格証明書) |
| 氏名・生年月日・性別 | 第2項は列挙していない(雇用保険の届出書の項目で届け出る) | 雇入れ・離職とも | 在留カードなど |
| 国籍の属する国 | 雇入れ・離職とも | 雇入れ・離職とも | 在留カードなど |
| 在留カードの番号(中長期在留者) | 雇入れ・離職とも | 雇入れ・離職とも | 在留カード |
| 資格外活動の許可を受けていること | 雇入れのみ | 雇入れのみ | 在留カード(中長期在留者以外は旅券、在留資格証明書、資格外活動許可書、就労資格証明書) |
| 特定技能の人の特定産業分野、特定活動の人の指定された活動 | 雇入れ・離職とも | 雇入れ・離職とも | それぞれの指定書 |
| 報酬活動許可者の区分(被監理者か仮滞在許可者か) | 報酬活動許可者は第3項により、国籍と区分のみ | 雇入れ・離職とも | 監理措置決定通知書または仮滞在許可書 |
| 事業所の名称・所在地 | 第2項は列挙していない(雇用保険の届出書に記載される) | 雇入れ・離職とも | 自社の情報 |
事業主は、氏名・在留資格・在留期間などを書類で確認してから届け出ます。在留カードの番号や在留期間は、本人から口頭で聞くだけでは足りず、在留カードなどの書類で確認することが条文の形です(第11条第1項)。
届出をしないときの罰則
同法第50条第2号は、第28条第1項の届出をせず、または虚偽の届出をしたときは、行為をした者を30万円以下の罰金に処すると定めています。条文上の罰則であり、実際にどの場合に適用されるかは、この記事では判定しません。
雇い入れるときの順序
在留カードなどで在留資格と在留期間を確認する
氏名、在留資格、在留期間、在留カードの番号を、書類で確認して控える。
雇用保険に入る人かどうかを決める
加入の条件に当たるかで、届出の方法と期限が分かれる。
期限までに管轄のハローワークへ届け出る
雇用保険の人は資格取得届に併記し、入らない人は様式第三号で出す。
離職のときにも届け出る
辞めたときの期限を、雇入れの期限とは別に控えておく。
雇い入れるときの労働条件の明示は労働条件通知書のガイド、社会保険の加入は健康保険・厚生年金のガイドで整理しています。
この整理で言えないこと
- 個別の外国人について、届出の対象か、どの期限が適用されるかの判定は行いません。
- 在留資格ごとに、電気工事の作業に就ける範囲や、就労が認められるかは扱いません。出入国管理法令の確認が必要です。
- 外国人の受け入れ制度(技能実習・特定技能など)の要件や手続きは扱いません。建設分野の特定技能は電気工事で特定技能外国人を受け入れる条件のガイドで整理しています。
- 届出書類の作成や提出の代行、相手の在留資格の判断は行いません。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。届出の対象、期限、確認する書類は、事業所を管轄するハローワークや都道府県労働局の窓口で確認してください。在留資格や就労の可否は、出入国在留管理庁の窓口で確認できます。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。