建設業法第20条第3項・建設業法施行令第5条の9

建設工事の見積期間(予定価格500万円未満1日・5,000万円未満10日・以上15日)

工事を発注するときに、相手が見積りをするための期間として最低限取らなければならない日数は、予定価格が500万円未満なら1日以上、500万円以上5,000万円未満なら10日以上、5,000万円以上なら15日以上です。建設業法第20条第3項が注文者に求め、日数は施行令第5条の9が定めています。 この記事は、電気工事の元請が下請へ発注する場合を中心に、日数の表、短縮できる場合、先に示す事項、条文が言っていないことを整理します。

公開日: 2026-10-11 / 最終更新: 2026-10-11 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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見積期間は工事の予定価格で1日・10日・15日

見積期間は、工事1件の予定価格で決まります。根拠はe-Gov法令検索「建設業法施行令」第5条の9第1項です。

建設工事の見積期間(建設業法施行令第5条の9第1項)
工事1件の予定価格見積期間やむを得ない事情があるとき
500万円に満たない1日以上短縮の定めなし
500万円以上5,000万円に満たない10日以上5日以内に限り短縮できる
5,000万円以上15日以上5日以内に限り短縮できる

この3段階は、建設業許可の要否が分かれる軽微な工事の目安(電気工事は1件500万円未満)とは別の基準です。許可の要否は軽微な工事の基準のガイドで整理しています。

500万円未満の工事でも、見積りの期間を設けることは省略できません。ただし最低日数は1日です。

短縮できるのは5日以内・やむを得ない事情のとき

施行令第5条の9第1項のただし書きは、やむを得ない事情があるときは、10日以上・15日以上の期間を5日以内に限り短縮できると定めています。短縮の対象は、予定価格500万円以上の2つの区分です。1日以上の区分には、このただし書きはありません。

短縮した場合の下限(条文から計算した目安)
工事1件の予定価格通常の見積期間最大5日短縮した場合
500万円以上5,000万円未満10日以上5日以上
5,000万円以上15日以上10日以上

「やむを得ない事情」が何に当たるかは、条文は例を挙げていません。発注側の都合や準備不足を、そのまま事情として扱えるかは条文からは言えません。個別の判断は、許可行政庁の窓口で確認します。

見積期間の前に示す事項

第20条第3項は、期間を設けることだけでなく、契約を結ぶまで(入札なら入札を行うまで)に、契約書に書く事項をできる限り具体的に示すことも注文者に求めています。示す対象は、第19条第1項各号のうち第2号(請負代金の額)を除いた事項です。見積りをする側は代金を出す立場なので、代金の額は対象外になっています。

電気工事の発注で見積りの前提になりやすい事項を、条文の号から抜き出します。契約書の全項目は契約書の記載事項のガイドにあります。

第19条第1項各号のうち、見積りの前提になりやすい事項
号示す事項
第1号工事内容
第3号工事着手の時期と工事完成の時期
第10号注文者が資材を提供し、または機械を貸与するときは、その内容と方法
第11号検査の時期と方法、引渡しの時期
第12号工事完成後の請負代金の支払の時期と方法

そのほか、第4号(施工しない日・時間帯)、第5号(前金払・出来形払)、第6号から第9号(変更・不可抗力・価格変動・第三者損害の定め)、第13号から第16号も、第2号以外として対象に含まれます。見積期間の日数を満たしても、示す内容が「一式」や口頭だけでは、条文が求める「できる限り具体的な内容の提示」を満たしたとは言いにくい点に注意が必要です。

この義務を負うのは注文者

第20条第3項の主語は「建設工事の注文者」で、建設業者に限りません。建設業法は、他の者から請け負っていない工事の注文者を「発注者」、下請契約で注文者になる建設業者を「元請負人」と呼び分けています(第2条第5項)。電気工事の事業者にとっては、次の2つの立場があります。

見積書の内訳そのものを求める第20条第1項・第4項は建設業者の側の規定で、契約書の記載事項のガイドの「材料費等記載見積書」の節で整理しています。下請に出すときの代金の支払期限は下請代金の支払期限のガイドにまとめています。

日数の数え方で迷う点

第20条第3項と施行令第5条の9は、営業日で数えるのか、見積依頼の当日を含めるのかを定めていません。期間の計算の一般規定は民法第140条で、日で期間を定めたときは期間の初日は算入しない(午前零時から始まる場合を除く)とされています。

見積依頼を出した日の翌日から数えて足りているかを、依頼書面の日付と提出期限で記録しておくと確認しやすくなります。ただし、建設業法の見積期間にこの民法の規定がそのまま当てはまると明記した条文は、この記事では確認できていません。休日の扱いも条文には書かれていません。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。予定価格の考え方、短縮の事情、日数の数え方は、許可行政庁(国土交通省の地方整備局または都道府県の建設業担当課)や、弁護士などの専門家へ確認してください。条文はe-Gov法令検索「建設業法」で現行のものを確認できます。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。