建設業法第24条の3・第24条の4・第24条の6
下請代金の支払期限(1か月・50日)と完成検査20日
元請負人は、発注者から請負代金の支払を受けたとき、その日から1か月以内で、かつ、できる限り短い期間内に下請代金を支払わなければなりません(建設業法第24条の3第1項)。完成検査は下請負人からの完成通知の日から20日以内、特定建設業者が注文者になる下請契約の支払期日は引渡しの申出の日から50日以内です。3つの期限を条文から整理します。
公開日: 2026-10-04 / 最終更新: 2026-10-04 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
3つの期限の一覧
下請代金の支払に関する建設業法の期限は、「発注者から支払を受けた日」「下請負人が完成を通知した日」「下請負人が引渡しを申し出た日」のどれを起点にするかで分かれます。条文はe-Gov法令検索「建設業法」で確認できます。
| 条文 | 義務を負う者 | 起点 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 第24条の3第1項 | 元請負人 | 発注者から請負代金の支払を受けた日 | 1か月以内で、かつ、できる限り短い期間内 |
| 第24条の4第1項 | 元請負人 | 下請負人から完成した旨の通知を受けた日 | 20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に検査を完了 |
| 第24条の6第1項 | 特定建設業者(注文者) | 下請負人の引渡しの申出の日 | 50日を経過する日以前で、かつ、できる限り短い期間内に支払期日を定める |
解説の中には、特定建設業者の50日の規定を別の条番号で紹介しているものがあります。ここではe-Gov法令検索で取得した現行の条文(2026年10月4日確認)の条番号で書いています。
発注者から支払を受けたら1か月以内(第24条の3)
第24条の3第1項は、元請負人が出来形部分に対する支払または工事完成後の支払を受けたとき、その支払の対象になった工事を施工した下請負人に、受け取った日から1か月以内で、かつ、できる限り短い期間内に下請代金を支払うよう求めています。支払う額は、元請負人が受け取った金額の出来形に対する割合と、下請負人が施工した出来形部分に相応する下請代金です。
第2項と第3項は、次の2点を「適切な配慮」として求めています。
- 下請代金のうち労務費に相当する部分は、現金で支払うよう適切な配慮をする(第2項)
- 前払金の支払を受けたときは、資材の購入、労働者の募集その他工事の着手に必要な費用を前払金として下請負人に支払うよう適切な配慮をする(第3項)
第2項・第3項は「適切な配慮をしなければならない」という書き方で、第1項の期限とは性質が異なります。配慮の具体的な程度は条文だけでは決まらないため、個別の事情は窓口で確認してください。
完成検査は20日以内、引渡しは申出後すぐ(第24条の4)
第24条の4第1項は、元請負人が下請負人から工事完成の通知を受けたとき、その日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、完成を確認する検査を終えるよう求めています。第2項は、検査で完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、直ちに目的物の引渡しを受けなければならないとしています。
ただし書きがあり、下請契約で「工事完成の時期から20日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける」特約をしている場合は、直ちに引渡しを受ける義務の対象外です。この引渡しの申出の日(特約があるときはその一定の日)が、次の50日の起点になります。
特定建設業者は引渡しの申出から50日以内(第24条の6)
第24条の6第1項は、特定建設業者が注文者になった下請契約の下請代金の支払期日を、引渡しの申出の日から起算して50日を経過する日以前で、かつ、できる限り短い期間内に定めることを求めています。発注者から支払を受けたかどうかは、この規定の起点になっていません。
- 対象から外れる下請契約: 下請負人が特定建設業者、または資本金額が4,000万円以上の法人である場合(建設業法施行令第7条の2)
- 支払期日を定めなかったときは、引渡しの申出の日が支払期日とみなされる(第2項前段)
- 50日を超える日を定めたときは、引渡しの申出の日から50日を経過する日が支払期日とみなされる(第2項後段)
- 支払期日までに一般の金融機関で割引を受けることが困難な手形の交付は禁止(第3項)
特定建設業許可が必要になる下請契約の金額や、一般建設業との違いは一般建設業と特定建設業の違いで整理しています。
支払が遅れたときの遅延利息
特定建設業者が支払期日までに下請代金を支払わなかったときは、引渡しの申出の日から50日を経過した日から支払をする日までの日数に応じて、未払金額に年14.6%の率を乗じた遅延利息を支払わなければなりません(第24条の6第4項、建設業法施行規則第14条)。
施行規則第26条は、建設業許可を受けた事業者が営業所に備える帳簿の記載事項として、第24条の6第1項の下請契約について支払った下請代金の額、支払の年月日、遅延利息を支払ったときのその額などを挙げています。帳簿全体の義務は建設業許可を受けた電気工事業者の標識・帳簿・図書の義務で扱っています。
元請負人が第19条の3第1項・第19条の4・第24条の3第1項・第24条の4・第24条の6第3項・第4項に違反しているとき、下請負人がその事実を通報したことを理由に取引を停止するなどの不利益な取扱いは第24条の5が禁止しています。違反があった場合の監督の流れは不当な発注慣行の禁止と通報者の保護を参照してください。
この整理で言えないこと
- 個別の契約が特定建設業者を注文者とする下請契約に当たるか、下請負人が資本金額の例外に当たるかは、この記事では判定しません。
- 許可を受けていない事業者が元請負人になる場合の第24条の3・第24条の4の適用は、条文の主語からだけでは断定せず、許可行政庁の窓口で確認してください。
- 下請代金支払遅延等防止法(下請法)、民法、契約書の定めによる別の支払条件は対象外です。
- 支払遅延の交渉や請求の代行、契約書の作成・確認は行いません。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。支払期日の定め方、特定建設業者との下請契約への当てはめ、違反が疑われる場合の対応は、許可を受けた国土交通省の地方整備局または都道府県の建設業許可担当窓口へ確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。