建設業法第20条の2・同法施行規則第13条の16・第13条の17

資材高騰の事前通知と協議の申出(建設業法第20条の2)

建設業者は、主要な資材の供給の著しい減少や価格の高騰が起きるおそれがあると認めるときは、請負契約を締結するまでに、その旨と状況の把握に必要な情報を注文者に通知しなければなりません(建設業法第20条の2第2項)。通知した事象が契約後に実際に起きたときは、工期・工事内容・請負代金の変更の協議を申し出ることができます。通知の対象、書面の渡し方、協議を受ける側の義務を条文から整理します。

公開日: 2026-10-10 / 最終更新: 2026-10-10 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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第20条の2の4つの項の一覧

第20条の2は、注文者から建設業者への通知(第1項)と、建設業者から注文者への通知(第2項)の2方向を定め、第3項・第4項で契約後の協議の申出とその受け手の義務を定めています。条文はe-Gov法令検索「建設業法」、通知の対象と方法は同「建設業法施行規則」で確認できます。

建設業法第20条の2の項ごとの内容(要約)
項主語内容書き方
第1項注文者地盤の沈下など、工期や請負代金に影響する事象が発生するおそれがあると認めるとき、契約締結までに建設業者へ通知する通知しなければならない
第2項建設業者主要な資材の供給の著しい減少、資材の価格の高騰などが発生するおそれがあると認めるとき、契約締結までに注文者へ通知する通知しなければならない
第3項第2項の通知をした建設業者契約後に通知した事象が発生した場合、工期・工事内容・請負代金の変更の協議を申し出ることができる申し出ることができる
第4項協議の申出を受けた注文者申出が根拠を欠く場合など正当な理由がある場合を除き、誠実に協議に応ずる努めなければならない

国土交通省の解説ページ(最終更新2025年6月17日)は、資材価格の高騰によるしわ寄せ防止の部分を「令和6年12月13日施行」としています。

通知の対象になる事象

建設業者が通知する対象は、施行規則が定める2つの事象で、どちらも天災その他不可抗力により生じるものに限られます(施行規則第13条の16第2項)。e-Gov法令検索で取得した現行の条文(2026年10月10日確認)の条番号で書いています。

国土交通省の解説ページは、この事象を、発注者と受注者の双方の責めに帰することができない事象と説明しています。具体例として、自然災害で特定の資材の工場が被災して需給が崩れる場合を挙げています。労務については、特定の種類の工場の建設需要が急増して専門工事の技能者の獲得競争が起き、労務費が上がる場合を挙げています。

注文者から建設業者への通知(第1項)の対象は、別の事象です。地盤の沈下・地下埋設物による土壌の汚染などの地中の状態に起因する事象と、騒音・振動など周辺環境に配慮が必要な事象が、施行規則第13条の16第1項に挙げられています。

通知の方法と根拠情報

建設業者から注文者への通知は、書面を交付して行います。見積書を作成する場合は、その事象の情報を記載した書面を添付した見積書を交付し、見積書を作らない場合は、その書面を交付します(施行規則第13条の17第2項)。注文者から通知の方法について請求があったときは、その請求に従って通知します(第3項)。

書面が電磁的記録で作られているときは、電子情報処理組織を使う方法などでも交付できます(第4項)。

通知には、おそれがある旨と一緒に、事象の状況の把握に必要な情報(根拠情報)を付けます。国土交通省の解説ページは、根拠情報は受注予定者が通常の事業活動の範囲内で把握できる客観的な情報で、メディアの記事、資材業者の記者発表、公的主体が作成・更新した統計資料などが当たるとしています。

同じページは、通知書面やメールを受発注者の双方が保存しておくことが望ましいとしています。これは義務ではなく、発注者が確認した記録を残すための解説上の考え方です。

契約後の協議の申出と受け手の義務

第2項の通知をした建設業者は、契約締結後に通知した事象が発生したとき、第19条第1項第7号・第8号の定めに従って、工期の変更、工事内容の変更または請負代金の額の変更の協議を注文者に申し出ることができます(第3項)。申出の対象は、通知した事象です。通知していない事象は、この規定の対象として書かれていません。

申出を受けた注文者は、申出が根拠を欠く場合など正当な理由がある場合を除き、誠実に協議に応ずるよう努めなければなりません(第4項)。第4項は「努めなければならない」という書き方で、応ずることまでを義務にはしていません。

契約書に書く変更方法との関係

第3項が引く第19条第1項第7号は、天災その他不可抗力による工期の変更または損害の負担とその額の算定方法に関する定めで、第8号は、価格等の変動または変更に基づく工事内容の変更または請負代金の額の変更に関する定めです。第3項は、契約書のこれらの定めに従った変更を協議の対象としています。契約書の記載事項の全体は建設工事請負契約書に書く16項目で整理しています。

国土交通省の解説ページも、資材高騰に伴う請負代金等の「変更方法」を契約書の法定記載事項として定めたと説明しています。下請代金の支払期限は下請代金の支払期限のガイド、買いたたきなど取引上の禁止行為は不当な発注慣行のガイドで扱っています。

この整理で言えないこと

協議の結果として契約金額を変える契約書の印紙税は、請負契約書の印紙税額のガイドの記載金額の数え方で整理しています。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。通知の対象となる事象、通知書面の形式、協議の進め方は、許可を受けた都道府県または国土交通省の窓口、建設業取引適正化の相談窓口で確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。