印紙税法別表第一 第2号文書(請負に関する契約書)

電気工事の請負契約書の印紙税額と軽減措置(令和9年3月まで)

電気工事の請負契約書は印紙税の第2号文書にあたり、記載された契約金額が1万円未満なら非課税、1万円以上100万円以下なら200円で、100万円を超えると金額に応じて高くなります。令和9年3月31日までに作成される建設工事の請負契約書で金額が100万円を超えるものには、軽減された税額が適用されます(軽減後は100万円超200万円以下も200円です)。国税庁の資料で、税額表と、記載金額の数え方、電子の契約書の扱いを整理します。

公開日: 2026-10-10 / 最終更新: 2026-10-10 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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請負契約書の印紙税の考え方

国税庁の税額一覧表は、工事請負契約書、工事注文請書、請負金額変更契約書などを「請負に関する契約書」として第2号文書に分類しています。税額は、契約書に記載された契約金額で決まります。

軽減措置の対象は、第2号文書のうち、建設業法第2条第1項に規定する建設工事の請負に係る契約に基づき作成される契約書です。建設業法の「建設工事」は、土木建築に関する工事で別表第一の上欄に掲げるものとされ、別表に電気工事が含まれています。ただし、建物の設計や建設機械の保守のみを定める請負契約書は、軽減措置の対象になりません。

一覧表と軽減措置の説明は、国税庁のNo.7140 印紙税額の一覧表(その1)とNo.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置で確認できます。

契約金額ごとの税額(本則と軽減後)

令和9年3月31日までに作成される建設工事の請負契約書は、契約金額が100万円を超えるものについて、本則より低い税額になります。100万円以下の契約書は軽減の対象ではなく、200円(1万円未満は非課税)のままです。

請負に関する契約書(第2号文書)の印紙税額(1通につき)
記載された契約金額本則の税額建設工事の軽減後(令和9年3月31日まで)
1万円未満非課税非課税
1万円以上100万円以下200円200円(軽減の対象外)
100万円超200万円以下400円200円
200万円超300万円以下1,000円500円
300万円超500万円以下2,000円1,000円
500万円超1,000万円以下1万円5,000円
1,000万円超5,000万円以下2万円1万円
5,000万円超1億円以下6万円3万円
1億円超5億円以下10万円6万円
5億円超10億円以下20万円16万円
10億円超50億円以下40万円32万円
50億円超60万円48万円
契約金額の記載がない200円軽減表に載っていない(本則200円)

表の金額は、国税庁のページが令和8年4月1日現在の法令等に基づいて載せているものです。軽減措置の期限は令和9年3月31日で、それ以後の取扱いは国税庁の最新の案内で確認してください。

記載金額の数え方(消費税・変更契約)

消費税の課税事業者が作る請負契約書で、消費税額等が区分して記載されているものは、消費税額等を記載金額に含めずに税額を判定します。国税庁の例では、「請負金額1,100万円うち消費税額等100万円」と記載すると記載金額は1,000万円になります。

「請負金額1,100万円 税抜価格1,000万円」のように税込と税抜の両方を書く方法も同じ扱いですが、「税込」とだけ書く書き方は消費税額等が明らかでないため、この取扱いになりません。免税事業者が区分記載しても、この取扱いは受けられません。

契約金額を変更する契約書は、変更前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明らかかどうかで、記載金額が変わります。「明らか」とは、変更契約書に変更前の契約書の名称、文書番号、契約年月日など、変更前の契約書を特定できる事項が書かれている場合です。

明らかな場合で、変更金額が契約金額を増やすときは増加金額が、減らすときは「記載金額のない文書」になります。

変更前の契約書が明らかでないときは、変更後の金額、または変更金額だけの記載ならその変更金額が記載金額です。追加工事の変更契約書や覚書を作る場面で、書き方によって税額が変わる点です。

根拠は、国税庁のNo.7124 消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額とNo.7123 契約金額を変更する契約書の記載金額です。契約書に載せる項目そのものは建設工事の請負契約書に書く事項のガイドで整理しています。

見積書・注文書・注文請書の扱い

申込書、注文書、依頼書と表示された文書は、通常は印紙税の課税対象になりませんが、契約の成立を証明する目的で作成される文書は課税対象になります。国税庁は、契約の相手方が作成した見積書に基づく申込みであることが記載されている申込書等は、相手方が別に請書等で契約の成立を証明する文書を作成することが記載されているものを除き、一般的に契約書に該当するとしています。 契約当事者双方の署名または押印があるものも同様です。

注文書と注文請書を取り交わす取引では、一般に、どの文書が契約の成立を証明するものかで課税される文書が変わります。表題だけで判断せず、文書の内容を確認します。詳しくは国税庁のNo.7118 申込書、注文書、依頼書等と表示された文書の取扱いにあります。

電子の契約書は課税されるか

国税庁は、印紙税の課税対象は課税物件表に掲げられた「文書」で、電磁的記録は文書に含まれないため、電磁的記録に印紙税は課税されないと回答しています。建設工事を請け負う事業者が、書面の注文請書に代えて、電子署名を付した電磁的記録をメールで取引先に送る場合の質疑応答です。

この回答は令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づくもので、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答で、具体的な取引では異なる課税関係になることがあると注記されています。書面の契約書と電子の契約書を併用する場合や、電子で送ったものを後から書面で渡す場合の扱いは、この記事では判定しません。回答は国税庁の質疑応答「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」にあります。

印紙を多く貼ったとき

課税文書に所定の額を超える収入印紙を貼ったときは、過誤納として還付の対象になる場合があります。貼った印紙が過大なもの、課税文書でない文書に誤って貼ったもの、貼ったあとで使う見込みがなくなったものが対象で、請求権はその請求をすることができる日から5年で消滅し、文書を作成した日から5年を経過したものは還付の対象になりません。申請先は納税地の所轄税務署長で、過誤納となった文書の原本の提示が必要です。

汚損や破損のない収入印紙は、郵便局で他の額面の収入印紙と交換でき、1枚につき5円の手数料がかかります(No.7130 誤って納付した印紙税の還付)。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の契約書が課税文書にあたるかや、記載金額の数え方は、所轄の税務署で確認してください。国税庁は、課税文書にあたるかのお尋ねには、印紙税の手引で、事前に相談日時を予約したうえで文書を持参するよう案内しています。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。