公式資料をもとに整理
電気主任技術者の兼任承認(5つの要件・申請書類)
電気主任技術者を複数の事業場で兼任させることは原則できず、保安上支障がないと認められて経済産業大臣などの承認を受けた場合だけ認められます(電気事業法施行規則第52条第4項)。承認の基準は経済産業省の内規にあり、連系の電圧7,000ボルト以下、免状の保有、2時間以内に到達できることなどが条件です。 兼任の可否を判断する条件と、申請書類を整理します。
公開日: 2026-10-13 / 最終更新: 2026-10-13 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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兼任は原則禁止、承認を受ければ可能
e-Gov法令検索「電気事業法施行規則」の第52条第4項は、事業用電気工作物を設置する者が、主任技術者に2つ以上の事業場または設備の主任技術者を兼ねさせてはならないと定めています。ただし書で、保安上支障がないと認められ、経済産業大臣(監督対象が1つの産業保安監督部の管轄内なら産業保安監督部長)の承認を受けた場合は兼任できます。
免状のない人を許可で選ぶ制度は許可主任技術者のガイドで、主任技術者を選任しない外部委託承認は自家用電気工作物の外部委託承認制度のガイドで整理しています。兼任は、選んだ主任技術者に複数の事業場を担当させる場合の手続です。
承認の5つの要件(内規6(1))
承認の基準は、経済産業省の主任技術者制度の解釈及び運用(内規)の6(1)にあります。電気主任技術者の兼任承認は、次の5つの要件の全てに適合する場合に行うとされています。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① 連系の電圧 | 兼任させようとする事業場等が、電圧7,000ボルト以下で連系等をするものであること |
| ② 事業場の関係 | 次の節の4つの組み合わせのいずれかに当たること |
| ③ 免状 | 第一種・第二種・第三種のいずれかの電気主任技術者免状の交付を受けていること |
| ④ 執務の状況 | 兼任させる事業場等が、本人が常時勤務する事業場または本人の住所から2時間以内に到達できる場所にあり、点検は規則第53条第2項第5号の頻度に準じて行うこと |
| ⑤ 連絡責任者 | 電気主任技術者が常時勤務しない事業場では、必要な事項を電気主任技術者に連絡する責任者が選任されていること |
要件③は、兼任の承認を受ける本人が、第一種から第三種までのいずれかの電気主任技術者免状を持っていることを求めています。
兼任できる事業場の組み合わせ
要件②は、兼任させる事業場と、本人が常時勤務する事業場の設置者との関係を、次の4つのいずれかに限っています。設置者どうしに親会社・子会社などの関係がない事業場は、同一敷地内で所定の要件を満たす場合に限って兼任の対象になります。
| 区分 | 兼任させる事業場の設置者 |
|---|---|
| イ | 本人が常時勤務する事業場の設置者と同じ |
| ロ | 本人が常時勤務する事業場の設置者の親会社または子会社 |
| ハ | 本人が常時勤務する事業場の設置者と同一の親会社の子会社 |
| ニ | 本人が常時勤務する事業場(または既に兼任している事業場)と同一敷地内にあり、両設置者が内規の3つの要件を満たすもの |
ニで両設置者に求められる要件は、次の3つです。
- 両設置者の間の契約等に、規則第53条第2項第5号に準じた事項(点検頻度に関するものを除く)が定められていること
- その事項を、両事業場の従業員などに周知していること
- 保安規程で、その協定を守る旨を定めていること
ニの組み合わせは、同じ設置者の事業場だけでなく、同一敷地内の別の設置者の事業場にも兼任を認める道を開いています。
特に慎重に審査される場合
内規6(1)は、次のどちらかに当たる場合は、保安業務の遂行上支障となる場合が多いと考えられるので、特に慎重を期するとしています。
- 兼任させる事業場等の最大電力が2,000キロワット以上(太陽電池発電所と蓄電所は出力5,000キロワット以上、太陽電池発電所以外の発電所は出力2,000キロワット以上)になる場合
- 兼任させる事業場または設備が6以上になる場合
これは承認を禁じる基準ではなく、審査を慎重にする目安です。 ただし要件①の電圧7,000ボルト以下という条件は別に満たす必要があります。
申請書類
施行規則第53条の2は、第52条第4項ただし書の承認を受けようとする人に、様式第44の主任技術者兼任承認申請書と次の2つの書類を、経済産業大臣(監督対象が1つの産業保安監督部の管轄区域内なら産業保安監督部長)に提出するよう求めています。
- 兼任を必要とする理由を記載した書類
- 主任技術者の執務に関する説明書
主任技術者の選任・解任の届出や保安規程など、自家用電気工作物の設置者が行う手続は自家用電気工作物の設置者の手続のガイドで確認できます。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の事業場が兼任の承認を受けられるか、親会社・子会社の関係の確認方法、内規の最新の内容は、設備の所在地を管轄する産業保安監督部で確認してください。 この記事は、2026年10月13日に取得した内規の本文と、e-Govの条文に基づいています。
ダム水路主任技術者とボイラー・タービン主任技術者の兼任基準は、内規6(2)(3)に別にあり、本記事では扱いません。
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